第24話 いい男がいない(転生神語)
アイちゃん♡
新しい同居人との会話は、とても楽しいものだった。最初は、落ち込んでいる私を、励ましたり、慰めてくれたりで、まるで、母親の様だったが、私が段々元気になってくると、ものすごくお喋りな女の子になった。私と話すのが、楽しくてたまらないらしく、ずっと話しかけてくる。寝ようとしても、お喋りが止まらないから、「寝れないんだけど、黙ってくれる」って、言ったこともあった。
私は、彼女を「アイちゃん」と名付けた。
「アイちゃんで、いいかな?」
「まあまあだね!」
前世、男だった!
私には、長年、ある疑問があった。それは、記憶に無いくらい昔から、男性を好きになれない!って、ことだった。誰に会っても、「別に!」って感じ。女友だちに、
「男性に興味無いって、女、終わったってことかなあ」
って、相談したら、
「そりゃ、問題だね」
って、彼女は答えただけだった。
「そうだ!アイちゃんなら、分かるかもしれない」と思い、彼女に聞いてみた。すると
「男、極めたからよー」
って、ものすごく大きな声で、言ってきた。
「あなたは、前世まで、男だったのよ!前世まで、ずっと、女性にとって、最高の男をやってきたから、いい男がいない!ってのは、過去の自分が最高すぎて、それを超える男が、いないからよ!」
「えー、そうだったの。やっぱりね。常々、自分は、前世は男だったんじゃないかって、思っていたのよね」
アイちゃん曰く、私は、男として、転生を繰り返し、その都度、好きな女性を幸せにすることに、命をかけてきたらしい。しかも、いい身体で、かなりのイケメンだったというではないか。
「アイちゃん、過去の男だった自分に会いたい!会いたい!」
「それは、無理ね!」
初めて、女性として
今世、私は、初めて、女性として生まれきたらしいが、身体は女性でも、中身は、前世からの男の自分のままで、子どもを産んでも、それは変わらなかったようだ。
今まで、女性として生きる素晴らしさを、誰も、私に教えてくれなかったので、私は、男性の生き方しか知らず、女性に生まれたことが、嫌だった。
母親からも、「男に生まれたら良かったのに」って、言われていたし、自分でも、そう思っていた。
「中身が男じゃあ、男性に興味わかないわけだ、しかも、自分が最高なんだから!良く分かったよ。アイちゃん、凄いね!」
「あたしを、誰だと思ってるのよ!あーヤダヤダ、人間ってめんどくさい生き物よね!だから、私は、人間になりたくなかったのよ!よく、あなたは、人間やってられるわね!」
「アイちゃん、もう一つ聞いていい?」
「なーに」
「あのさー、私、女性が苦手だし、怖いんだけど、それって、男だった時に、散々、女性で苦労したからなの?」
「あははは」
それから、アイちゃんは、男女の関係を詳しく話してくれたのだが、衝撃的な内容だった。