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キット屋さん苦労話〜恐怖の販売終了

またまた作業中に起こった悲劇。

キットを組んでいる最中、あ、この布がちょっと足りないな、注文しておこうと思って、いつも買っているネットショップで注文することにした。
この布はトイクロスと言って、マジックテープがどこでもくっつく布で、私のおもちゃを作る上で欠かせない存在。今回注文しようと思った色は、濃いピンク。パステルピンクである、薄いピンクは持っている。
ずっと欠品だったんだけど、今日再び覗くと販売終了のマークがついていた!
ガーーーーーーーン。。。。終わったんかい。

このちょっとした違いが、結構作品の深みを出してくれて、同じピンクでしょ?って言われても、「いやいや、この色が必要なんです!」っていう話。

私としては、この作品には欠かせない色なのだ。

これは季節タペストリーと言って、12ヶ月1月から12月まで、その季節ならではの飾りを楽しんでもらうキット。

とても細かい作業が必要な作品なのでけど、おかげさまで何人もの方に作ってもらっている、割と人気のキット商品なのだ。
その4月の桜の風景に、この濃いピンクは欠かせない。
実は、トイクロス色終了騒動は、今回初めてではない。
ライトブルーもかなり前に終了。
この写真で言えば、7月の七夕の天の川の色。
これは終了とわかって、かなりの量を買いだめした。このくらいの量だから、まだなんとかなる。
メーカー側の立場に立てば、違う新色の可愛い色を出してくれているから、そちらで代用してね、ということだとは思うけれど、この色ゃなきゃちょっとイメージが変わっちゃうんだよなあ。
ライトブルーの代わりに出た新色は、パステルサックス。5月の鯉のぼりのバックの色。ライトブルーとブルー(七夕のバックの色)の差が分かりにくかったし、こちらの色の方がニーズは多い気がする。
でも、天の川にパステルサックスは、やっぱりちょっと違う。
ピンクに至っては、一色だけになってしまった。
こちらも濃いピンクはニーズがないんだろうなあ。

ネットで検索しまくって、どこかにないか探したけれど、同じものは出てこなかった。名前の違うキッズニットなら、なんとか濃いピンクが見つかって、イチか
バチか、注文できる量を全てゲット。
これもかなりのリスク。
トイクロス、キッズニット、トイニット、クイックロン、どれも一応マジックテープがつく布で、出してるメーカーが違うわけだけど、商品自体もかなり違ってたりする。
まず厚さが違う。
私が使っているトイクロスは、かなり厚手。
キッズニットはどうだろう、初めて購入すから超不安。
でもこれも買えなくなったら、このキット自体終了になってしまうから、損することも覚悟でとにかく買っておく。
そうやって使えなくって泣いたこともかなり(あ、実際は泣いてないです)ある。
キット屋は、そういうことの連続だ。

上の「大きなかぶ」の女の子のスカートも、濃いピンクで作っていたけれど、薄いピンクに作り直した。
まあ、これはパステルピンクでもオッケーかな。
でも青空の下、濃いピンクの方が可愛い気がする。

キット販売だけでもいろんな苦労があるんだもの、
いろんな分野のお仕事で、いろんな苦労があるんだろうなあ、としみじみ思う、
ちょっと涼しくなった秋の初めの夕方のおはなし。


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