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カスタマーマーケティングにデマンドジェネレーション効果がある理由

※このnoteは cmkt(カスタマーマーケティングミートアップ)Advent Calendar2020の22日目のエントリーです。

はじめまして、SaaS/ソフトェアのレビューサイトITreviewを運営しているアイティクラウドの竹内です。カスタマーマーケティングの作用には、ここ最近の定義で②カスタマーマーケティングが間接的・中長期的に波及する部分が言及されました。レビュープラットフォーム運営という立場から、カスタマーマーケティングの興味・関心の創出について、そう考える背景も含めてお話したいと思います(あくまでSaaS/ソフトウェアの領域をベースに展開していますのでご了承ください)。

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引用:マーケティングを「カスタマーサクセス仕様」にアップデートする


1.バイヤーのプロセス変化

カスタマーマーケティングが「興味認知に効く」という話をするには、まず興味認知をする購買者がどのようにジャーニーを進んでいくかを話さないといけません。ここに参考となる米国の調査があります。そこでは、B2B購買意思決定の3大要素は、①信頼出来る人からのおすすめ、②自分の経験・調査、③製品レビューとあります。皆さんも直近の経験で、例えばSaaSを選定するときに、信頼出来る人に聞いてみたり、SNSやブログで気になる人がどんなツールを使っているか、または検討ツールの情報がつぶやかれていないか調べたことはないでしょうか?ソーシャルの時代においては、このような情報収集が当たり前のように感じられます。

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参考:How Content Influences the Purchasing Process

なぜ、そのような情報収集の仕方をするようになったのでしょうか?もちろんSNSの影響が大きいことは言うまでもありません。それに加えて情報の量が飛躍的に増加(爆発)していることも要因でしょう。例えば、SaaSなどでよくみるカオスマップは、かなりの数増えています。2018年の米国マーケティングソフトウェアは6,826種もあるようで、選ばれたツール提供者の皆さまは、PR機会が増えて喜ばしいことと思いますが、選定者からすると多すぎて選べない!というのが本音になっているようです。実際に、日本でもクラウドサービスやソフトウェアの選定課題は、「製品が多すぎて選べない」「情報源が信頼できない」などが浮き彫りになっています。

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参考:ビジネス用ソフトウエア・クラウドサービス導入に関する調査

以上をまとめると、今どきの購買プロセスは、情報が多すぎるが故に利用者の意見・レコメンドを得ながら対象を絞り込んでいくと考えます。この既存顧客の評価を「多様なチャネルで目に触れてもらえる環境を作る」=「拡張していけるか」がポイントとなります。そして、この利用者意見というのは、カスタマーサクセスの結果として形成されるものに他なりません。カスタマーサクセスをつきつめ広めていくことは、購買者の興味・関心の文脈に沿ったコンテンツを提供することと同意義なのです。

2.既存顧客の声を集める具体例と効果

既存顧客の声を集めるのは、今に始まったことではなく、営業・マーケ・カスタマーサポートで多く取り組んできました。特にスタープレイヤーや業界影響度の高い企業の導入事例は、多くの企業でまず最初に取り組んでいるのではないでしょうか。知識の表出化と共に表彰による称賛をしロイヤリティを高めている取り組みもあります。代表的な例として、株式会社セールスフォースドットコムのTrailblazer(トレイルブレイザー)や、アドビ株式会社社マルケトのMarketo Championが挙げられます。最近では、コミュニティ運営により既存顧客同士の情報交換で顧客満足度を向上させ、紹介を生成する取り組みが注目を浴びています。その他代表的な手法をまとめてみたのでご参考ください。

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参考:顧客の声を集める手法とメリ/デメ 

また、カスタマーマーケティングの効果をどのように効果計測していくかは、まだまだ確立していないが正直なところだと思います。ご参考までに、レビューサイトで生成したレビューを使ってリード獲得のCVが24%向上したという事例もあり、本格的にデマンドジェネレーションの事例も出てきています。手前味噌ですが、ITreviewというサイトでも、口コミがコンテンツとなりSEO評価も高まっているのでツール顕在層への露出や、リーディングカンパニーとの比較漏れ防止(無用な不戦敗を防ぐ)、レビューをコンテンツ化することによる各種CV率UPが効果として出てきています。おそらく2020年度ではもっとこの分野の効果が可視化されていくと思いますので楽しみにしていてください。

以上、カスタマーマーケティングがデマンドジェネレーション効果ある背景と、具体的な顧客の集め方やその効果をご紹介いたしました。この分野を本気で考える人の一助になれば幸いです。

皆さん、よいお年を!


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