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ゲーム配信という先の見えないマラソンに未来はあるか

自分は主にAPEXとCoDとたまに他のシューターの配信をよくみるのだが、最近はにじさんじの配信がYouTubeのあなたのおすすめにあがってきて、それをよく見ている。勇気ちひろの声でシューターがうまいって最高だな。

VTuber界隈のゲーム配信で頻繁にみかけるのが耐久配信。目標を立てて達成するまで寝ません、配信し続けます、という追い込む系のもので、24時間以上配信されることもある。

耐久配信は

・頑張ってる姿をさらすことで投げ銭が増える

・頑張ってる姿をさらすことで視聴・フォロワー数が増える

・↑の結果としておすすめにあがりやすくなり、さらに視聴者数が増え、フォロワー数が増える

と良いいことづくめなので、"動画配信をバズらせる"手法として一般的になってきたのだろう。テレビの世界なんかでも脈々と続く演出技法で、WEB動画だからといった特に新しい何かではないのだが、ゲーム配信においてこれが常態化すると微妙なのではと思って↓のようなツイートをした。

テレビ番組はあくまで組織で制作するもので、お金がかかるし、たくさんの労力が必要になる。24時間の番組を1本つくるには途方もなく長いスケジュールをひかなければならない。けれど、ゲーム配信の場合はいつでも、どこでも始められる。配信者が"寝ない"という身体的な負荷に耐えられればいつでも始められる"手軽"な手法だ。

"いつでも、どこでもできる"からこそ「フォロワー増やすためにとりあえず耐久配信やりましょう」みたいなことになると、ゲーム配信が身体と精神を削る超体育会系の職業になるのではと思ったので、ツイートをしたのである。反応がたくさんあったので、同じように思う人も多かったのだろう。

そんなツイートをしていた矢先に、DeToNatorの釈迦が配信中に倒れるというショッキングな出来事がおきた。クリップ化されて(それもどうかと思う)、ツイッターに流れてトレンドにも上がった。

配信技研の配信ランキングをみると2020年5月には346時間/月も配信している。プロフェッショナルとして凄いことだが、ちょっと度を越えた頑張りでは。

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APEXやってる勢としてはスタヌ、釈迦、スパイギア3人の配信を毎日楽しみにしているし、3人が一緒にランクをまわす掛け合い配信はどんなコンテンツにも代えがたいものがある。いつまでも健やかに配信してほしい。だからこそ、ちょっと休んでほしい。

上記のゲーム配信のランキングは視聴時間ベース。つまりゲームを配信すればするほどランキング上位に入る確率が高くなる。業界の構造として"やればやるほど"有名になって、フォロワーが伸びて、メシが食える。だが、そのために配信者が耐久を繰り返して身体がボロボロになって花火のように散っていくのだとしたら、炎天下で高校生に野球をさせてぶっ倒れるさまを観て「青春は儚く、美しい」と勝手に感動ポルノをつくりあげる甲子園と同じだ。

NinjaとShroudがTwitchからMixerに移籍して顕著だったのは、配信時間が短くなったことだ。Ninjaは移籍前はそれこそ寝る間も惜しんでFortniteを配信し続けて、世界No.1の配信者へと上り詰めた人だが、その地位を2年も経たずに手放してしまった。配信頻度を下げて、自分のペースで配信することにした。頂点にのぼりつめた人がとった選択というのは刮目してみるべきだろう。

NinjaもShroudも配信者(もしくはもっと幅広いキャリアパスとしてのコンテンツクリエイター)としての長いマラソンに挑む覚悟で仕事のスタイルを変えたのだと思う。彼らが短距離で息切れしてぶっ倒れたその先に待っているのは、新しい配信者の台頭であり、配信者が身体をこわして次から次へと入れ替わる輪廻が続くだけだ。そんなゲーム配信に未来はあるのか。

ゲーム配信は毎日できるからこそ、マラソンのようなものだと思う。と、配信していない自分が言うのもなんだが、ゲーム配信が好きで、配信者が健やかに仕事をしてほしいので、そういう意識が広まってほしいと思う。

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