『エンジニア』の類型

初めに

ここで言うエンジニアはシステムエンジニアのことです。
最近エンジニアを目指している人が多いそうです。

しかしよくよく聞くと「え?それってエンジニア?」と疑問に思うことも増えてきました。
もともと意味の広い言葉でしたが一般化するに従って更に意味が拡大してしまったようです。
そこで今回は巷で言われるエンジニアを独断と偏見でざっくり分類にしてみようと思います。

Engineer

エンジニアリングをする人、狭義のエンジニアです。
エンジニアの意味が拡大してしまったため、自分は英語で書いて区別しています。

エンジニアリングとは科学的原理を使用して機械や建造物、コンピュータ・システムなどを設計&構築すること全般を指します。
またTech分野に限らないため、特に明示したい場合はComputer EngineerとかSoftware Engineerとか言います。

科学的原則を元に設計を行うため、コンピュータ・サイエンス(CS)の知識は必須です。科学者とも異なり、そこから応用して形に落とし込むスキルが求められます。
大学で工学の学位を取るか、それに相当する知識を身につける必要があります。学士では知識不足のため修士まで取る人が多い印象です。

Engineerの役割は仕組みづくりであり、成果物は継続的に生産性や製品価値を生み出し続ける物になります。Webサービスづくりでは欠かせない存在。

実際Engineerに相当する人は稀だと思います。
科学的見識が求められるので人材自体が貴重ですし、現場においてもエンジニアリングよりも実装作業のほうが人手がいるためそんな求人出してないはずです。

逆にEngineerの人は他の作業はチームに任せてエンジニアリングに集中すべきです。Engineerが定常作業に入って作業を多少加速するより、作業能率を何十倍にも上げる仕組みづくりをしてもらったほうが合理的です。

常に不足していて常に重要なポジション。

クリエイター

製作者、イメージを形にする人です。

エンジニアの中でもWebページ制作したりECサイトを構築したりしてる人に多いんじゃないかなと思います。

フレームワークやライブラリを組み合わせて、顧客の望むものを構築していきます。
営業スキルを身につければ小規模案件なら一人で仕事が回せるのでフリーランスになりやすいタイプかなと。

難しいロジックはライブラリの中に閉じているので、意外とCSは使わない
ライブラリがおかしい挙動をしてソース覗き込む場合はCSを学んでると心強いですが、チーム内のEngineerに任せたほうが早いと思います。

フレームワークの話題で盛り上がりがち。生産性に直結するからでしょうね。
最近話題の未経験エンジニアとかもこの辺をターゲットにしていると思われます。

景気の影響を強く受けるためオリンピック後どうなることやら・・・・

プログラマー

実装職人、動くものを作る人です。

コードあるところにプログラマーあり。
キラキラ感がないため雑に扱われがちですが、優れたプログラマーは高速で簡潔にロジックを記述していきます。
使う言語の仕様とクセはしっかり頭に叩き込んで、適切な言語を選択して最適な書き方でロジックを記述していく人。

CSはそんなに深く知らなくていいですが、アルゴリズム論は知っておいたほうがいいでしょう。選択に迫られるケースがちらほらあります。

上位設計がグダグダになっていると暇ですし、仕様二転三転したときのしわ寄せもここに来ます。テラカワイソス。

言語ネタや美しいコードの話を延々としがち。
初心者の「動けばいいんだよ」コードを見て発狂している様子をQiitaでしばしば見かけます。
会社にいるのはホログラムで本体はGitHubアカウントという説が濃厚。

IT起業家

意識高い系、テクノロジーを使って起業する人たち。
目指せ次世代のスティーブ・ジョブズ。

現在の起業でテクノロジーはもはや必須要素であり、Engineerとコミュニケーションを密に取りながらビジネスモデルを組み立てないと成功はないでしょう。
「ITのことはよーわからん」と外注に丸投げするとセブンペイ見たくなるのではないかと。

最近出てきた高額なスクール系はこの辺をターゲットにしているのかと思われます。「未経験から1年で年収1000万!」とか言うのも、売上で考えるならむしろ最低それぐらいは上げないと事業継続は厳しそうです。

テクノロジーを単なるツールとして使っているので、プログラマとはあまり価値観は噛み合わない傾向があります。
意識高い系がたまにエンジニア全体にマウントとってきますが、いつものことなので心穏やかにスルーしましょう。

起業家はやること多いのでCSを学んでる暇はないです
ビジネスモデル次第ですが、必要ならEngineer連れてくるしか無いと思います。本物のEngineerを見分ける目のほうが求められるでしょう。

技術よりもビジネスの話しがち。
ビジネス観点で目を光らせているので新しい技術の情報も一番情報が早いんじゃないでしょうか?

IT事務員

パソコンで作業する人。
この辺から近年のエンジニアの概念の崩壊が見られます。

ツールを使って何か成果物を作る人。何故かMicrosoft製品を使ってることが多いです。大企業の大規模開発を回している欠かせない歯車達。

「試験項目表通りに作業を行い、Excelにスクリーンショット貼り付ける作業」などの、単純労働をさせられていたりする。ブルーカラーワーカー。

ホワイトカラーの方々にディスられがちですが、Excel職人のワザマエは眼を見張るものがある。

ExcelVBAを通してプログラマーに入門する人もいます。
が、テキストデータを愛用するガチのプログラマーには嫌われがち。

Engineerにこの仕事をふるのはパワハラを通り越して拷問なのでやめてください。

パソコン大先生

最近は未経験のエンジニア就職と称して家電量販店に送られるケースがあるそうです。

どういうキャリアパスが想定されているのかよく分かりません。

その他周辺職業

最近はAIブームの影響もあってかデータ・アナリストやデータ・サイエンティストという肩書も聞く頻度が増えましたね。この人達は今の所エンジニアとは区別されてるっぽいです。

最も大事なこと

エンジニアと称してひとくくりにされているため混乱しますが、実際は全然違う職業だったりします。

自分の職種で欠かせないスキルであっても、他の職種では使ってないかも知れません。逆もまたしかりです。

職業に貴賎なしです。異業種で競争して消耗せずに共創しましょう。

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