2023 / 年間 BEST RAP ALBUM
こんにちわ、SHADYと申します。
2023年も終わりが近づいてきました。
今年もアーティストの方々が素晴らしい音楽を届けて下さり、私としては感謝の意しかありません。
特にHIPHOPにおいては、数々の新鋭アーティストが台頭してきた印象が強いです。有名アーティストや、べテランアーティストも素晴らしい作品を出していましたね。そんな中から私が最も記憶に残ったBEST ALBUM20枚をランキング形式でご紹介させていただきたいと思います。
20 . NODUO, Nonazz & no god. - Noduo
トロント出身のラッパー兼プロデューサーのNonazzとラッパーのno god.によるduo、NODUOが3月にリリースしたデビュー作。
Nonazzのサンプリングを使ったバラエティー溢れるビートにno god.のどこか懐かしさを感じるようなラップ。これがデビュー作という事に驚きを隠せないほどの完成度。
セルフタイトルのアルバムはクラシック認定されやすい印象がありますが、これもその歴史の中に刻まれるであろう隠れた名盤です。
Nonazzは、カリフォルニア出身のプロデューサー、Klwn catとも2022年にコラボアルバムをリリースしたり、今年にはビートテープもリリースしているので是非聴いてみて下さい。
19 . Aesop Rock - Integrated Tech Solutions
NY出身のラッパー、Aesop Rockが11月にリリースした大作。
Underground Rapの重鎮がbilly woodsやシンガーのHanni El Khatib、Nikki Jeanなどを招いた今作は電子音をベースとしたビートを多用したAbstract Hiphop全開のなんともAesopらしい作品に仕上がっています。
私が彼の中で1番好きなのは2001年リリースのLabor Daysですが、そこからどんどん進化していき、2016年にリリースしたThe Impossible kidは
まさにその過程が存分に感じられる作品ですよね。そういった意味で今作はその過程の終着点と言っても良いと思います。彼の重厚感のあるラップには
いつも他では得られない刺激を貰っているので
今後も素晴らしい作品を楽しみにしたいです。
18 . Jesse James Solomon - Sunfall
2023_革新的_HIPHOPでもご紹介したロンドンはウーリッジ出身のラッパー、Jesse James Solomonが6月にリリースしたデビュー作。
近年のUKは、NYから持ちこれまたドリルを独自に進化させたUK Drillの隆盛によりパーティーソングが目立ちますが、その反面JesseやHilts、Little SimzにLoyle CarnerなどといったConscious Hiphopが台頭し始めているのも近年の傾向です。
このアルバムはまさにUKにおける音楽的思考がどれだけ多彩かを現す作品。
小鳥の囀りが響き渡るまるでAmbientのようなビートを使った内省的で没入感のある曲から始まり、ギターやピアノ、サンプリングを使ったビートでアルバムに一体感を出す。
これをセルフプロデュースでリリースしたというのだから、どれだけJesseが多彩で、内省的で、感覚的なのかを世に知らしめるきっかけになったのは間違いありません。
17 . Lukah - Permanently Blackface (The 1st Expression)
メンフィス出身のラッパー、Lukahが9月にリリースした今作。
'21年のWhy Look up,~ や'22年のRaw Extractionsのような重いBoom Bapではなく、Jazzのサンプリングを多用したExperimental Hiphop。
どちらかと言えば'18年のChickenwireに近い所はあるが、全く異なるといっても遜色ないほどの仕上がり。
どこか怪しげなピアノの音色、後ろの方で微かに響くトランペット、それらとは一線を画す激しいドラムの上で、Lukahは自分が黒人であることを冷徹に語りかける。
今年リリースされたどの作品とも異なり、Lukahにしか表現出来ない切り口と不気味になるほど完璧な一体感。怪作という言葉はこのアルバムのためにあるのではないかと思わせる最凶の1枚です。
16 . D2x - Hotel 1105
シカゴ出身のラッパー、D2xによる2年ぶり2作目となる今作。
ソウルボーカルをループさせたロマンチックなビートに、優しいカリスマ性溢れるラップが乗る至高の仕上がり。
2021年リリースの前作同様、ジャジーでキャッチャーなフレーズを入れつつ、彼の人生や家族について赤裸々に綴り、彼がどういった人物なのかを理解することができる作品です。
父親がいない家庭で育ち、苦難しかない人生だったD2x。彼は父親について "彼の事は愛している、けどもっと思い出が欲しかったんだ"と少し寂しげな表情を浮かべる。ですがこのアルバムはネガティブな事よりも自分の人生を客観視し、前向きに歩み始めている彼の生き方が色とりどりのビートに乗って描かれています。
15 . YUNGMORPHEUS - From Whence It Came
カリフォルニアを拠点に活動するラッパー兼プロデューサーのYUNGMORPHEUSが4月にリリースした今作。
相変わらずの美しすぎるビートと、彼のLofiなラップのコンビネーションは聴けば聴くほど感動します。
今作にはFly Anakinや、MED、Ahleeにlojiiなどが参加。
Fly AnakinとのCassava Breadは、10月にDomo Genesisとコラボアルバムをリリースした、プロデューサーのGraymatterが指揮を取り、LAの海風が心地いい朝の雰囲気を感じるジャジーなビートは病みつきになりますね。
YUNGMORPHEUSは、2019年に日本が誇るプロデューサー、Fumitake Tamuraとコラボアルバムをリリースした事で有名ですが、その他にもDJ Premierの弟子であるewoneeや天才ベットルームプロデューサーのEyedressなどともコラボしており、その全てが傑作なので是非聴いてみて頂きたいです。
14 . AJ Suede & Televangel - Parthian Shorts
シアトル出身のラッパー、AJ Suedeとオレゴンはポートランド出身のプロデューサー、Televangelによるコラボアルバム。
TelevangelのJazzやSoulをループさせた渾身のサンプリングには脱帽せざるを得ません。
これ程までに完成度の高いビートを作れるプロデューサーがあと何人いるのだろうかと思うほど、彼がこのアルバムに込めた思いがひしひしと伝わってきます。それに応えるかのようにAJも過去最高のラップを乗せています。
今作にはBruiser Wolf、Old Grape God、Milcなどが参加。
非の打ち所がないとはまさにこのアルバムのこと。これからも必ずお世話になるであろう大傑作爆誕です。
13 . DJ Muggs - Soul Assassins 3: Death Valley
NY出身のプロデューサー、DJ Muggsが8月にリリースした今作。
客演にはHIPHOPにおけるレジェンドや近年のUnderground Rapを牽引するラッパー達が集結。
90年代から培ってきたスキルを存分に使った類まれなるビートはMuggsが今の今まで第1線で活躍し続けてきた軌跡を表すと共に、彼の偉大さを物語る最凶のビートですね。
Cypress Hill時代の殺傷能力の高いキレッキレのビートも好きでしたが、2017年辺りからのダークでどこか不気味さがある重いビートも大好きなんですよね。
Freddie GibbsとScarfaceとの曲なんかまさにそれ。激重のBoom Bapに2人の太いフロウが合わさった最凶の曲。途中でビートスウィッチを思わせたかと思えば、また一気に地獄の底へと突き通すように重いビートが待ち受ける。
Soul Assassinsシリーズの中で1番好きなアルバムにのし上がりましたね。
12 . Nappyhigh - Menace
カリフォルニア出身のプロデューサー、Nappyhighが8月にリリースした今作。
ゲストには東からRaekwonやWestside Gunn、Benny the Butcherなど。
西からはBluやJay Worthy、G Pericoなどが参加。南からもBoldy JamesやMick Jenkinsが参加するなど、バラエティー豊かなメンバーが揃っています。
そのため、ビートもEast Coastを連想させるものもあれば、West Coastの空気を感じるもの、Southの危険さを感じるビートまで。
ドラムが効いた渋いビートは近年のUndergroundにおいてトレンドのように感じますが、そこにアレンジを加え独自の音楽性を落とし込む彼の幅の広いビートには終始ドキドキさせられました。
11 . Earl Sweatshirt & The Alchemist - VOIR DIRE
カリフォルニア出身のラッパー、Earl Sweatshirtとロサンゼルス出身のプロデューサー、The Alchemistが10月にリリースしたコラボアルバム。
客演にはMIKEとVince Staplesが参加しています。
今回のEarlはAlchemistの落ち着いたサンプルビートに腰を置き、過去・現在の自分をゆっくりと振り返り、未来の自分へと語りかけるようなラップをしていたのが印象に強かったですね。
長年の付き合いであるVinceとの語り合いはこっちまで懐かしい気分にさせてくれました。
また、このアルバムで1番大きな役割をしていたのはAlchemistだと個人的に思いました。
EarlやMIKE、Vinceの落ち着いたラップを掻き消さないよう、ループを多用したシンプルなビートを使い、アルバム全体になにか包容力を持たせていたように感じました。
何にせよ、この2人がコラボしてくれた事には感謝しかありません。
心の底からありがとうございます🙇🏻♂️
10 . McKinley Dixon - Beloved! Paradise! Jazz!?
バージニアはリッチモンド出身のラッパー、McKinley Dixonが6月にリリースした今作。
2021年にリリースしたFor My Mama~で
注目を集めた彼は、Jazzやソウル、Gospelといった黒人文化に根強い影響力をもつ音楽から自分に栄養となる部分だけを抽出し、それをHIPHOPとして落とし込むことで独自の音楽を作り上げていますね。
彼は元々大学でJazz音楽を学んでおり、初期の作品からもJazzをベースとしたHIPHOPの形を模索し続けてきました。
今回はまさにそれらを完璧に形作り、現行だけでなくJazz Rapの歴史上最高傑作と言っても過言では無い完成度です。
これは多分どんな人でも2023年のベストアルバムに入れる大名盤ですね。
JazzとHIPHOPの完璧な融合。
天晴れです🙇🏻♂️
9 . Al Doe & Spanish Ran - Holy City Zoo
ニューヨークはブロンクス出身のラッパー、Al-Doeと同郷のプロデューサー、Spanish Ranが5月にリリースしたコラボアルバム。
この2人は2019年から続けてタッグを組み、今回で3作目となります。
'19年のThe White Tapeの時はまだ両者とも模索段階。Al-Doeもトラップだったり、G-Rapだったり色々やってた時期でしたし、Spanish Ranもまだデビュー仕立てだったので、少し実験的な部分はあったと思います。
ただそれが、2020年リリースのMichelin Stars 2においては完全にスタイルが確立されており、ダークで緊張感のあるSpanish RanのビートとAl-Doeの力強いConscious Rapが完璧に融合しています。
そこから3年が経ち、リリースされた今作。
一言で言うと" ヤバい "です。語彙力無くなります。
Spanish Ranはデビューしてから立て続けにTree MasonやBloo Azul、Mavなどといったラッパー達とコラボしていき、自分のスタイルを確立していきました。このアルバムはジャケットからも伝わってくる緊張感と不気味さがなんとも癖になる最凶の作品です。
8 . Armand Hammer - We Buy Diabetic Test Strips (feat. billy woods & E L U C I D)
NYを拠点に活動するラッパーのbilly woodsとラッパー兼プロデューサーのE L U C I Dから成るduo、Armand Hammerが9月にリリースした今作。
先行シングルとしてリリースされていたPink Siifu参加のTrauma Micがもう唯ならぬ香りを放っていたため、かなりアルバムへの期待感がありましたが、もはやその期待など優に超える完成度。
2020年リリースのShrinesが1番好きですがそれに迫る勢いで今回のアルバムは良かったと感じます。
今作にはMoor Mother、Pink Siifu、Jungle Pussy、Cavalierなどに加え、UKジャズの頂点であるサックス奏者のShabaka Hutchings、
プロデューサーとしてJPEGMAFIAやChild Actor、EL-P、Steel Stipped Dove、Kenny Segal、Black Noi$e、DJ Haramなどが参加。
まさにアングラ界の天才的な変態達が集まった2023年の最凶で最高な怪作です。
7 . Blockhead - The Aux
billy woodsが主催するレーベル・Backwoodsstudiozに所属するプロデューサーのBlockheadが11月にリリースした今作。
旧知の中であるAesop Rockやbilly woodsにNavy Blue、更にはThe Koreatown Oddity、Open Mike Eagle、AKAI SOLO、ShrapknelにDanny Brownなど重要人物達が集結。
billy woodsをExecutive Producerとし、実現させた近年におけるUnderground Rapの最重要作品。
元々ラッパーとして活動していたものの、ビート制作に興味を持ったタイミングで同級生にいたAesop Rockと出会い、プロデューサーとして活動するようになったと言います。
そんな彼が創り出すExperimentalなビートは独創性に長け、複雑だけどどこか聴きやすいなんとも不思議な音楽なんですよね。
2021年にリリースしたAesop Rockとのコラボアルバムもとても良いので是非聴いてみてください。
6 . JPEGMAFIA & Danny Brown - SCARING THE HOES
NY出身のラッパー・JPEGMAFIAとミシガン出身のラッパー・Danny Brownが3月にリリースしたコラボアルバム。
まさかこの2人がコラボするとはと思いましたね。
PunkやElectroの要素を取り入れ、独自の進化を遂げてきたAbstract Hiphopの代表格と、数々のラッパー達とコラボしてきた超実力派ラッパーの共闘。
これ程までに興味をそそられるコラボアルバムは未だ出会ったことがありません。
彼らのサンプリング技術はどのアーティストよりもずば抜けており、今作もそれが如実に表れています。しかもそのサンプルに乗るのが彼らであるのだからそれはもう変態的な仕上がりになるのは間違いありません。
今作にはロックテイストのような曲もあれば、タンザニアのダンスミュージック・Singeliを彷彿とさせる超絶早回しの曲、トラップをベースとしたサンプリングまで彼らの多彩さが伺える曲が終始続きます。
まだこのアルバムを聴いていない方、今すぐにサブスクを開き、アルバムを調べ、PLAYボタンを押しましょう。このアルバムがどれだけ変態的かを身をもって知ることになるでしょう。
5 . Danny Brown - Quaranta
ソロとしては4年ぶりとなる今作。
プロデューサーにThe AlchemistやKassa Overall、Chris Keys、Sven Wunder、Quelle Chrisなどを招き、ペギーとのアルバムとは一変、Experimental Jazzの要素が強いこれまた個性のある仕上がりです。2曲目のTantorにはAlchemistがプロデューサーとして入るだけでなく、The South Hill ExperimentがバックでBass・Drum・Guitarを演奏しており、楽器の迫力にも圧倒される1曲。
客演にはBruiser Wolfにプロデューサーとしても参加しているKassa Overall、そして鬼才・MIKEが参加。
これもJazz Rapと言うべきなのだろうかと思いますがまぁそうなのだろうと思います。
McKinley Dixonの作品とは一線を画すExperimental JazzとConscious Rapの融合。こんなアルバム未だかつて見た事がありません。
しかも6曲名のKassa Overall参加曲は、Goodie MobのCell TherapyをサンプリングしたビートとKassa Overallの天才的なドラムにDannyのラップが乗る変態すぎる曲なんですよ、もう語彙力なくなりますよね。でもこの曲を境目にして、7曲目からElectroの要素を入れたNeo-Soulのようなビートを多用するようになるんです。最後の曲なんか前半では考えられないぐらい静寂に包まれた曲で、もう完全に寝かせにきちゃってるんですよ。
こんな感じで起承転結がはっきりとしたExperimental Jazz, Neo-Soul, Conscious Rapの融合作品はこれからも見ることがほとんどない希少価値の高い作品になると感じました。
4 . MIKE - Burning Desire
ニューヨーク出身のラッパー、MIKEが10月にリリースした今作。
9月に同郷のWikiとThe Alchemistとのコラボアルバムを発表し、そちらも良盤でしたが、このソロ作はそれを上回る圧巻の完成度。
今回のアルバムはdj blackpower名義でMIKEがセルフプロデュースした作品。
客演にはMIKEが昨年リリースしたアルバムに参加しているナイジェリア出身のシンガー・Kleinや、お馴染みのEarl Sweatshirt、LAを拠点に活動するNeo-SoulシンガーのLiv.e、南ロンドンで活動するサックス奏者兼プロデューサーのVenna
NYを拠点に活動する新鋭ラッパーのNiontayに今やWest Coastの中心人物・Larry Juneなどが参加。
MIKE特有のよれたビートによれたフロウを合わせるスタイルは健在で、特にEarlとの" plz don't cut my wings " は2018年リリースのMAY GOD~に収録されているHungerに迫る最強の曲です。
また8,9曲目はLAのマルチ・インストゥルメンタリスト、Elijah Foxが作曲を務め、Experimentalで浮遊感のある仕上がりになっています。
3 . Navy Blue - Ways of Knowing
ロサンゼルス出身で現在はNYで活動するラッパー・Navy BlueがDef Jamデビュー作として3月にリリースした今作。
この作品はNavy Blueが抱える痛みや悲しみを
赤裸々に綴り、自分を肯定しようとする彼自身への
メッセージのように思えます。
人種的な事による一生消えることの無い痛みに対しての家族の言葉に耳を預け、前向きになろうとするもまた現実へと戻る。そういった悲しみの連鎖をドラムレスでJazz要素が強いビートに乗せていく。
今の時代こういった悲しみや癒えない痛みを抱えている人々は数え切れないほどいます。
でもその人達は自分の弱さを理解してしまっているためなかなか声に出す事が出来ない状態にいます。
そういった同じ痛みや悲しみを抱えている人達の言葉を代弁し、自らも同じ悩みを抱えているからこそ
こういった作品を作り上げることができるのだと私は感じました。
2 . Ahk Sair - God Is a Dj
2023_革新的_HIPHOPでも取り上げたブロンクス出身のラッパー・Ahk Sairのデビュー作。
上記の記事で大まかなものは説明しているので
彼らの事について話しますが、個人的な2023年のBEST NEW ARTISTを選ぶなら間違いなくAhk Sairです。
私がこのラッパーを知ったのはArmand Hammerの片割れ、E L U C I DがInstagramのストーリーにあげていたのを偶然見たからなのですが、もうそこからというもの彼の魅力にどっぷりとハマってしまって、曲を出す事に彼とメッセージでやり取りをするようになりました笑
彼だけでなくNo Label Collectiveの面々もたまにメッセージを送ってくれたり、彼らが日本でライブをしたいから知名度をあげて欲しいと言ってくれた時はほんとに嬉しかったですし、全力でサポートしようと思いました。
今回2位に選んだ理由の中に完全なる私情もほんの少しだけ入っていますが、それでも彼らが作る音楽は今年でた数々の傑作に負けず劣らずで、これがデビュー作なのだから余計に素晴らしい。
今後1番の期待を寄せるAhk Sair from No Label Collectiveを皆さんも覚えておきましょう!
1 . billy woods & Kenny Segal - Maps
Underground Rap界の頂点・billy woodsとロサンゼルスを拠点に活動するプロデューサー・Kenny Segalによるコラボアルバム。
'19年リリースのHiding Placesもかなりの傑作でしたが、今作はそれを優に超える大傑作です。
billy woodsと言えば、複雑で難しいラップに独特でExperimental なビートを使う硬派なイメージ。
だから初めて聴く人は"これの何が良いの?"って絶対に思う。でも今作はジャズのサンプリングやソウルフルな楽曲が多く、今までbilly woods史上1番聴きやすいアルバムだと感じました。
このアルバムで1番好きだったSamuel T. 参加のFaceTimeでは、赤く輝く砂漠の夕日や西洋の夕日、メキシコのカクテル、メスカル・ネグローニを飲みながら家畜小屋の上で煙草を吸う描写、"君を連れては行けないけど君の携帯にはいるからいつでも電話をかけてきなよ、そうすれば旅をしているような気分を味わえる"というリリックなど、抜群のストーリーテリングをお見舞いしてくれたbilly woodsには毎曲スタンディングオベーション。
そのbillyのラップを支えるKenny Segalの全知全能ビートが小洒落た雰囲気へとアルバム全体をまとめあげることにより、旅の描写が私達にも容易に伝わってきます。
お見事!としか言いようが無いこれぞBEST RAP ALBUM!!!!
まとめ
如何でしたでしょうか
最後に行くに連れてアルバムの好き度も増しているので文章が長くなってしまっていますが、どうかお許し下さい。
人に好きなものを紹介する時、誰しも説明が長くなるものでしょう。それと同じですからね笑笑
冗談はさておき、今年も素晴らしい音楽を届けてくださったアーティストの方々、本当に有難う御座いました。
来年も素晴らしい音楽に出会えますよう心からお祈り申し上げます。
長い文章でしたが、最後までお目通し頂き有難う御座いました🙇🏻♂️
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