幼稚園で役員(副会長)をした1年間まとめ

--- はじめに ---
まずこの記事は、1年間の役員活動における「ただの記録」であり、園や学校で親が担う"役員"というものについての大変さを伝えたり、批判したりするような意図は全くありません。
この記事を一部抜粋しての問題提起・転載などは固くお断りいたします。
1年間やってみてどうだったか、というだけの記事ですので、一個人の体験談として読んでいただけたら幸いです。

約1年前。
年中の娘が通う幼稚園に、同じく年中組のお母さんたちが集められた。
3年間の中で一番の緊張の瞬間。
そう、「役員決め」の日である。
我が園では年長組から4人の役員が選出され、会長・副会長×2・会計という内訳。
クラスは大体多くても15人ほど。20人を超えることはあまりない。
年少・年中でクラスのまとめ役をしてきた4人は基本的に免除される。
そのほか、妊娠中の方や海外出身で日本語が得意でない方、ご家族の介護などがある場合も免除される。
となると、役員に選ばれるひとはこの時点で実は結構絞られている。
最初は立候補を募り、なかなか決まらない場合はくじ引きがお決まりの流れだ。


■実録・役員決定の瞬間
いざ、役員決めのとき。
ひとり、「会長以外なら!」と立候補してくれた方がおり、この時は「すげー!!なんて勇気…!!感謝しかねぇ…!!」と心底驚いた。
それからは立候補が出ることはなく、くじ引きの流れに。
ちなみに「仕事がなかなか休めないので、、」と話すお母さんが居ることも想像するかと思うが、子供が成長するにつれ働きに出る方も多く、殆どのお母さんが仕事をしているため、「仕事が…」ともなかなか言い出すことはできないような雰囲気だった。
私もその1人だ。

免除される方を除いてくじ引きが始まる。
私も対象であり、かなりドキドキしながらくじを引いた。
全員が引き終わり、「せーの」で開く。
私のくじには印がなかった。
少しホッとしながら、誰が印付きを引いたのか周りを見渡して確認する。
その中で、「むり…!」と顔に書いてある方が2人いた。笑
やはり2人とも働きに出ていて、なかなか休むことは難しそうだ。
次の瞬間、私は特に迷うこともなく「代わりましょうか?」と口に出していた。
その2人がじゃんけんをして、勝った方と私が代わるということに。
こうして立候補者ひとり+くじ引きによって選ばれたふたり+代わりに入った私、の4人で次年度の役員は決定した。


■それは想像を軽く超えていた
まず最初にしたことは、そのとき役員を務めていた方から引き継ぎを受けること。
資料を用意してくださって、合計3〜4時間をかけての引き継ぎ。
年間を通してどのように進めていくのかを一通り伺った時、「役員さんて、こんなに沢山の役割を担ってたの…!?」と戦慄した。
すべてが想像以上。仕事量は予想の3倍以上。
"こんなことから、あんなことまで!?"といった具合。
よく考えたら園自体が大きくないため先生も少なく、必然的に役員さんの仕事も増えたのかも知れない。
そのほか、後日わかった事だが周辺地域のもっと大きい父母会の役員も回ってきていた。
これだけの量、できるだろうか…とほかの3人も不安に思ったに違いない。
けれど、容赦なく始まるのだ。
卒園式が終了したその瞬間から。


■初戦・夏祭り
大きな行事のひとつ目は夏祭りだった。
盆踊りのあと、かき氷やヨーヨー釣りなどの定番の縁日にバザーを加えた構成。
実はこの行事は父母会費用を稼ぐチャンスのひとつだ。
園児が少ないこともあり毎年頑張ってやりくりしているのだが、こういった行事での売り上げも父母会費として残しておける。
ここに私は雑貨販売とガチャポンの設置を提案した。
雑貨は普段夫や私が個人活動で作っているものの一部を約半額で販売。(原価近いものも)
ガチャポンは以前夫がキャラクターデザインと造形を手掛けた商品の在庫が家にあったので、それを半額で販売。
ガチャの機械は家にある本物を持ち込む形だ。
流石にやり過ぎか…?と少々不安だったものの、園は了承してくださった。
そのほか、ヨーヨー釣り1回無料券を各クラスカラー別でデザインし、子供たちが喜ぶかもと考え名前入りにし、腕時計型にして配布した。
役員で集まってせかせかと工作したのもいい思い出である。(一緒に制作してくれた役員メンバーに感謝・・・!)
当日は注意点や縁日マップなどをまとめた案内書も(恐らく初めて)制作し、配布した。
結果、予算を大きく上回る売り上げを達成し、雑貨とガチャポンの売り上げもすべて父母会の運営費とさせていただいた。
初戦ながら、なかなかの成功体験だった。
それから先は、大体月1ペースで行事が詰まっていたため、ひとつの行事が終わるたびに翌週には次のための打合せをするというリズムができていた。


■全員から自信が消えた日
夏祭りの成功体験から一転、役員活動の中で一番落ち込んだ行事がある。おゆうぎ会だ。
我が園は司会進行アナウンス、音響、舞台セットチェンジ、衣装替えにメイク・ヘアセットもほぼすべてお母さんで回す。
在園児に上のきょうだいがいるお母さんは、同じ役割を何度も経験している方が多い。
私たち役員4人はみんな「1人目の子供」なのでほぼ未経験。
そう、経験豊富なベテランお母さんに比べると私たちは明らかにダメダメなのである。
きちんと指示を出さなきゃ、お手伝いしてくれるお母さん達が迷わないようにしっかりしなきゃ、と思っても、やはりベテランの方達には敵わない。
そして自分たちの足りないところがどんどん見えてきて、もれなく自信喪失の谷へと滑落するのだ。
当日を入れた計4日間、前半はとにかく自信を喪失し4人揃って唸っていた。
そんな中、同じ年長組のお母さんで役員経験もある方が私にこんなことを言ってくれた。
「役員さんは全体を見て動いて、足りないところがあったら入る、とかそんなんで大丈夫だよ!」
この方と話したことで凄く心が軽くなった。
私の悪い癖は"頼らない"ことで、悪いなぁと思って大体のことを自分でやろうとするところ。
けれど心強い経験者が何人も居るのだから、分からなければ素直に聞いて、迷った時は意見を募る。そうすると、みんな的確なアドバイスをくれる。
そうやって頼っていいんだと思ったら「なんか大丈夫」な気がして、翌日には見事復活を遂げた。


■ほぼすべての行事を終えて
結果的に言うと役員活動は私にとっては楽しいもので、中高と部活もほぼやっていなかった事もあり、遅くやってきた部活のようだった。
打合せをして決定し、当日のためになにかを作り、お手伝いのお母さんたちに指示を出す。非常に充実した時間だったように思う。
私は職業柄(webデザイナー)パソコンどんと来いなので、作るもののアイデア出しや制作をすることが主。
傍らにはイラストレーター(夫)も居るので、この1年で夫の描くネコ絵が行事に溢れていった。
やはり考えて作るという作業が楽しくて、どうしたら円滑に進められるのかを考えながら、貼り紙や当日の案内書を作ることに情熱を燃やしていた。
より良くするために、今年から増やした掲示物もある。

しかし私の役割は役員活動ではほんの一部に過ぎず、会長と会計を務めた2人には頭が上がらない。
会長は園とのパイプ役であり、先生たちに相談したり確認したり、それを役員へ下ろして動いたりと常にフレキシブルでいないとならなかった。
私が知らないところで沢山の時間を費やし、沢山動いていたはずだ。(もちろん会長も働きに出ている。)
とても真面目できちんとしている印象だが、ちょこちょこ出てくるエピソードとのギャップが凄いので度々みんなをびっくりさせ、その度にめちゃくちゃ笑った。

会計は計算や帳簿付けなど、みなさんから預かるお金を扱うのでとても気を遣うものだと思う。
会計さんの凄いところは、とっっっても高いコミュ力。
めちゃくちゃ高い。抜群に高い。
それに加えていつもニコニコしていて、カラッと明るい。
その雰囲気とコミュ力にどれだけ助けられたか分からない。

そして私と同じく副会長を務めていた方はとてもサッパリしていて、年長になるまでの2年で少しずつ交流はあったものの役員になったことで一気に距離が近くなった。
私とその方が仲良くなることが意外だった、と言っていた先生も居たが、私自身はその方となんだか似たようなフィーリングを感じていた。
もし役員をやるならば一緒にやりたいなと思っていたので、この1年一緒に役員活動を出来たことがとても嬉しかった。


■役員活動で得たもの
役員に決まった時、自分から"代わる"と申し出たものの内心「どーしよー!!」と思っていた。
大丈夫かな。出来るかな。仕事との兼ね合いも心配だ。
けれどやってみて、"これは仕事にも活かせるかも"と思った。
どうしたらもっと良くなるかを考えて行動に移す、少し苦手かもと思ったひとへは自分の中の苦手意識をぶちのめす為に逆に話しに行く(自分が勝手に苦手意識を持ってしまっているだけだろうと思ったから)、緊張したり自信を失ってもそこから意識を変えて短期間で立ち上がる術を知る、など今後に活かせる事が沢山あった。

役員仲間含め、ほかのお母さん達と沢山話せたことも良かった。
最後の年にグッと距離が縮まったことで、「もっと早く関わりを持っていれば」ともったいなく感じたりもする。
そしてやはり、自分は考えたり何かを作る事が大好きなのだと改めて実感した。
より円滑に進めるためとは言え、新しいものを制作して導入することは「今まで通りでいいじゃん、面倒くさい」と思うもの。
しかし、私の好きなように作らせてくれた事がとてもありがたかった。
この1年間、役員活動を共にした3人に心からの感謝を。
ありがとうございました。

(といっても、まだ引き継ぎに卒園式にとタスク残ってるけれどもー!)

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