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肌で感じる、r>g。

お金持ちはどんな状況でも得をする。

 ここ数ヶ月間、コストプッシュ型のインフレで毎月2%前後も物価が上昇していると言われている。これは戦争による影響だと思われがちだが、実は昨年の原油高の影響だけであり、戦争によるインフレは9月以降に影響するのではないかと言われている。

 つまり、現状のインフレは前哨戦に過ぎない。日本は長らくデフレが続いたイメージが先行しているため、一般消費者は値上げに抵抗感を感じていることだろう。だからこそ、日銀総裁の「値上げを受け入れている」発言に非難が殺到したのである。

 これまでは量を減らすステルス値上げ、いわゆるシュリンクフレーションの形で、企業が商品価格据え置きを保ってきたが、それもとうとう限界を迎えて商品価格に転嫁し始めているのが、ここ最近の動きではないかと個人的には推察している。因みに最後にコンビニ弁当を食べた時は底が嵩上げされる前だったため、今食べたらあまりの量の少なさに驚愕するだろう。

 それに、わざわざコストを掛けてまで、パッケージや工場の設定を弄る位なら、素直に値上げする風潮が日本でも波及して欲しいと、思いながら今まで買っていたものに関しては、値上げしても買い支えている。

 とはいえ、原油高、物価高、円安の三重苦にも関わらず、我々労働者の賃金は増えていない。巷ではインフレ手当なんてものが支給される企業もあるらしいが、斜陽産業で疫病の影響をモロに受けた鉄道業界は、若干の賃上げに留まっている。ボーナスの削減分を考えれば、年収ベースではトントンか、むしろマイナスかも知れない。

 可処分所得が実質的に減少しているにも関わらず、生活コストを切り詰めず、値上がりしても今までと同じものを買っているのは、保有資産の9割以上を株式で運用していることで、インフレ応じて資産額が増加しているからに他ならない。

 外国株式は指標ではリセッションが濃厚とされているが、昨今の円安で相殺されるどころか、むしろプラスに。円安によって対外的に割安感の出ている日本株も買いが集まっているのか、インフレ率以上に株価が上昇している。

 今は薄給サラリーマンのため、運用総額も億万長者から見れば可愛いものだが、それでもインフレによるコスト増を吸収する以上の含み益が出ている現状から、お金持ちはポートフォリオを分散させることによって、為替、物価上昇、疫病、戦争などのいかなる状況下であっても、富を増やして得するポジションであることを肌で感じている。

勝っても傲らず、謙虚に相場と向き合う。

 私は家計や資産をマネーフォワードMEに集約して管理しているため、資産総額のパフォーマンスが、今週、今月、今年別で表記されている。1年の折返し地点である7月2日に、今年のパフォーマンスを確認したところ、毎月5万円のクレカ積み立てや、受取配当を除いた純粋な運用益が、国民年金を満額で受給した時の年額である78万円相当に膨らんでいることを確認した。

 国民年金は偶数月におよそ13万円が支給される。これが6セットで、年間78万円と言った具合だ。それ位の金額を半年程で増やしてしまう株式のインフレ耐性の高さに驚愕するとともに、逆に78万円の損失を被るリスクを取ったからこそ、現時点で利益が出ていることから、適正なリスクを見極めた上で取ることの重要性を痛感する。

 そして、私は13万円という数字には特別な思い入れがある。高卒で薄給ブラック企業にフルタイムの正社員で勤めた手取りが13万円だった過去があるからだ。

 周囲が人生の夏休みと称される大学生活を、親の金や奨学金という名の借金を借りて謳歌している中、毎月170時間以上労働して得られるお金が13万円。今はその13万円を運用益だけで得ている計算になる。

 78万円もの大金は、半年で1,000時間以上の時間を切り売りしなければ手に入らないものだと社会に出て体感した身としては、1日5分ほど株価をチェックしたり、売買注文を出したりしても半年でのべ16時間弱しか要さず、たったそれだけの時間と労力で同じ金額を生み出している現状にr>gの不等式を意識せずにはいられない。

 無論、このリターンが未来永劫続く保証など無い。偶然インフレや原油高、円安、戦争特需で業績が良くなる銘柄ばかりをポートフォリオ含めていて、運良く上昇相場に乗れただけの可能性もある。

 インフレを差し引いて年率4%程度を期待して運用している現状、インフレ率を差し引いてリターンを換算しても、結構高い水準であることから、何かの拍子で下落する確率は高く、この調子よく増加した78万円を、元本が目減りしないからと、全額取り崩してしまうと、含み損が出た際に泣く泣く資産を安売りする羽目になる。

 それは、将来的に資産が枯渇して、FIREが失敗に終わる可能性が高まることを意味する。月当たり13万円の利益が出たからと言って、13万円使えるかは別問題である。

 株式市場は、例えプロであっても相場に負ける世界で、利益を得ようと血みどろになっている、醜い人間同士の駆け引きによって経済は動いている。この事実を厳粛に受け止めていないと本質を見失うことは、行動経済学によって証明されている。

 利益を出しても決して自分の実力とは思わず、運が良かったと相場に感謝し、損失を被れば自分に何かが足りなかったと内省し、よく考えて運用手法を試行錯誤する。

 そんな謙虚な姿勢が、投資の世界に長居して、アインシュタインが人類最大の発明と絶賛した、複利の恩恵を受けられる真の投資家なのではないかと思う今日このごろである。


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