シナリオにおける”回想”のメリットとデメリット【コラム】
回想シーン……つまりはキャラクターの思い出のシーンのこと。
よく漫画とかで、敵との戦いの最中だったり、何らかの出来事をきっかけに、モヤモヤモヤとコマの外枠が黒くなり出す”あれ”である。
今回はちょっとその”回想”のメリットデメリットについて、自分なりに思うことを書いていこうと思う。
まずはメリットから
回想のメリットは、何といってもキャラの掘り下げが出来ることだろう。
例えばとてつもなく極悪非道な悪役がいたとして、そいつがなぜ悪人となったか読者や視聴者に伝えたいとする。
その場合、その悪役の口から『俺はこれこれこうでこういう体験をしたからこんな風になってしまったんだ』と語らせると、非常に不自然というか、正直説明的感じになってしまうことが多い。
なので悪役が過去を思い出しているという体でシーンを切り替え、その悪役の過去エピソードをまるごと一つのシーンにしてしまうことで、映像や絵として読者に見せる。そうすれば説明的にならず、自然な形で読者にその悪役の過去というものがどんなものだったのかを分からせることができるわけである。
そういった過去が掘り下げられれば、同時にキャラクターの魅力も掘り下げられ、より面白いドラマが生まれるということになる。
これがおそらく”回想”の一番のメリットだろうと、まあ僕は思う。
展開の停滞というデメリット
さて、お次はデメリット。
これは何といっても、展開(時間)が先に進まないことによって、お話のテンポが悪くなってしまうことだろう。
”回想”というからには、その内容は基本的に過去の出来事となる。
となると、その回想シーンが流れている限り、現在の時間軸のお話は回想が終わるまで止まったままということになる。
これは昨今の手軽さ、テンポの良さを求められる風潮とは逆を行ってしまうわけで、そうなると読者の方もすぐに離れていってしまうことになるわけだ。
例えばバトル漫画で、主人公と悪役が戦いの真っ最中であったとする。
その時、悪役の回想シーンに入ってしまうと、現在のバトルは止まったままになり、読者としては先の決着がどうなるか、お預けを食らった状態となってしまう。
回想がすぐに終われば現在の時間もまた進むのでさほど問題はないが、逆に長ければ長いほど、お預けの時間が長くなり、読者としては”面白くない”わけである。
つまり、お話の流れを分断してしまうこと、あまりに多用するとテンポを悪くしてしまうこと。
このことが”回想”の一番のデメリットだと僕は思う。
便利がゆえに、使用は最低限にとどめよう
まあ何が言いたいかというと、何事もやりすぎは厳禁ということである。
キャラクターを一人一人掘り下げたい気持ちは制作側としてはある。。しかし全員にやっていると、読者としては『またかよ……』みたいなことに最悪なってしまう。
そうならないように気をつけなかあかんなあと、今日そんなことを考えました。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
曇の上はいつも晴。
それでは(´・ω・`)ノシ
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