私は「私」という一人称を大学に入ってから使い始めた。

 元々は親しい間柄の人に対しては「俺」、先生など目上の人に対しては「僕」という呼称を用いていたが、これは高校までにした。「僕」ってのは少し子供っぽく取られる気がしたので何か別のものにしようとして、いっそのこと使い分け無しで良いようにしてしまえ、というのがきっかけである。

 さて、「私」歴が8か月を過ぎたところで、この呼称のメリットが見えてきた。

 まず何と言っても無難であることだろう。いい年して「おいら」とか「ぼくちん」とか言ってる人がいたらなんか少し引いてしまうだろう。「拙者」や「小生」という人がいれば「タイムスリップしたんか??」となる。というか自分のことを「小生」って呼ぶ人、創作物でしか見たことないんだけど実在するのか???
 ともかく、「私」といっておけば変な印象を持たれることはない。初球アウトロー真っ直ぐみたいなもんだ。

 それから、田舎臭さを露呈しにくいという点もあるのではないかと思う。これは偏見だが、田舎の人が言う「俺」って「お↑れ↓」ってなってはいないだろうか?反対に都会の人は「お↓れ↑」となっていると思う。私はこれが少し田舎っぽいと思われてしまうと気にしていたが、「私」はイントネーションのバリエーションがないので神経を使う必要がない。

 そして何よりかっこいいこと。アニメや漫画に出てくる「眼鏡かけて手袋付けたイメージカラーが黒のキラー系キャラ」の一人称が総じて「私」であることに起因するのは容易に想像できる(無論私がそんなキャラではないのは自明だが)。ああいうキャラは2次創作で受けに周りがち。



 ちなみにデメリットとしては敬語になりがちというのがある。「私」がかしこまった言い方なので語尾がつられて丁寧になってしまうのだ。これのせいでサークルの同期(陽キャ)に「なんで敬語なんだよ(笑)」といわれて泣いちゃった。


 

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