でっけぇパフェを食べたい

 私は極度の甘党である。小さいころから甘いものには目がなかったし、高校の頃にはお弁当に水羊羹をつけてもらっていたし、最近はスーパーに行くたびにシュークリームをつい買ってしまう。

 小耳に挟んだ話では日本人は甘みを旨味と感じる傾向にあるらしい。なるほど、古き時代から菓子が嗜まれてきたのも頷ける。

 さて、先日、私は誕生日を自分で祝うべく近くのケーキ屋を訪れた。イートインができて、カフェのようになっているところである。期間限定のイチゴのパフェがあったのでこれを注文した。出てきたのは贅沢にイチゴを使ったきれいなパフェ。最上層はブリュレになっており、キャラメリゼされた部分が香ばしい。中間層はイチゴのムース。最下層には(ちょっと名前が分からないが)シロップ漬けにされたようなイチゴ。食べ始めから終わりまで全く飽きさせない、それでいてイチゴのおいしさを全て引き出した構成になっていた。感服である。

 思い返せば私はファミレス以外でパフェを食べたことがなかった。だからコーンフレークの入っていない、あの芸術的なパフェを食べたことで、理想のパフェを食べたいという欲求が高まっている。

 調べたところ、パフェグラスは安ければ一つ1000円もしないで入手できるようだ。また、わざわざグラスを買わなくても家にある大きなグラスで代用できるだろう。後は相性を考えながら自分の好きなものを詰め込むのである。書いていて思ったがこれあれだ、カードゲームのデッキつくるときと考え方は同じだ。


 「美味は力なり」をいうのはここ数か月で私が感じたことだが、甘味は食において脇役的な存在でありながら愛好家が多いといういぶし銀な立ち位置にあり、「美味」の重大な一角を担っている。甘味の追究もまた料理道の一つだろう。


 まあ、つまり、でっけぇパフェ食べたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?