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それを言っちゃあ おしまいよ

「なに この人!!」
こざるちゃんが、ちょっと怒った口調で言います。

「"母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ"って、見ず知らずの人に いきなり言うなんて、
失礼極まりないよっ!」
きっぱりと言う こざるちゃんに、皆も うんうん頷きます。

皆さんもご存知だと思いますが、
今日のTwitterのトレンドになっていた"ポテサラ"の話です。

「こういう風に、赤の他人にいきなり注意したり、怒ったりって、どうかしてると思うよ。」

母親は、総菜など買わずに、しかもポテトサラダくらい、
ちゃんと手作りするようにということなのでしょうか?

おそらく それは もうとても昔の価値観なのかと思いますが、
世の中には それぞれ皆、様々な環境で育ってきて、それぞれの価値観があって、
現代の価値観と大きく隔たりがある価値観で生きている人もいるでしょう。
そこは 仕方ないのかもとも思いますが、問題は...

「自分の価値観を他人に押し付けちゃいけないんだよ。」
「それも全く知らない人にね。」

それは違うなーと思うのは自由ですが、
それを口に出して言うという行動に出るのは 違うでしょう。

「以前、まだ りこちゃんが車椅子を使っていなくて、ちゃんと自力で歩いていたけれど、
でも転んじゃいけないからって、ゆっくり僕たちと手をつないで歩いていた時に、
いきなり怒られたことがあったよね。」
「エレベーターに乗ってたんだけど、降りる時に、後ろにいた年配の男性が、
"もたもたするな!"って、いきなり言ったんだ。」
皆、うんうん頷きます。

りこちゃんと こざる達は、極端にゆっくりしていたわけではありません。
降りようとしていたのに、急に怒鳴られました。

「それで、咄嗟によけたら、その人はプンプン怒って先に出て行ったんだ。」
「僕、なんだ あのじじい!って思ったよ!」
こざるちゃんが怒って言います。

一緒にエレベーターに乗っていた、りこちゃんよりも少し若い杖をついた女性が
「ひどいですねっ!」と声をかけてくれました。

「りこちゃんは落ち着いていて、『いろんな人がいるから』って 言ってたよね。」
「僕たちが一緒にいて良かったと思ったよ。」
「もし りこちゃんが1人でいる時に、こんな風に怒鳴られたらと思うと….。」
こざるちゃん、言葉に詰まります。

「こういう人って、よくわからないけれど、孤独なんだろうな。」

何故、こういう行動に出るのかは 本人にしかわからないので想像でしかありませんが、
寂しい人なんでしょうね、きっと本人も自覚していないほどに。

「だって、ポテトサラダの人は、1人で総菜売り場にいたんでしょ?」
「きっと自分では作れないし、誰も作ってくれないし….」
「総菜売り場で買おうかとウロウロしていたけれど、変なプライドが邪魔して買えなくて….」
こざる達は、大笑いしながら、うんうん頷きます。


「今度、ポテトサラダ、作ろうか?」
「買ってきても美味しいよ!」


こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
笑っても泣いても怒っても、一日は過ぎていきます。笑っている日が多い方がいいに決まっています。
よい毎日でありますように (^_^)

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