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いい加減に 生きる

こざる達、今日も そろそろ寝る時間です。

こざるちゃんが読んでいた本をテーブルに置きます。

「何の本?」
「八千草薫さんのエッセイだよ。」
「わぁ、とってもいい写真だね。」

皆で、表紙を覗きます。

「自宅のサンルームなんだよ。」
「そうなんだ、居心地良さそうだよ。」
「窓の外を眺める表情も、すごくいいね。」
「優しい顔だよ。」

とてもいい晩年を過ごしたのだなぁと思います。

「『まあまあふうふう。』」
「うん、中国で、"いい加減"という意味の"馬馬虎虎(まあまあふうふう)"という言葉があって、
亡くなったご主人が、"いい加減に生きなさい"って よく言ったんだって。」

"おざなりに"という意味ではなく、"良い加減"という意味で、
"ほど良く生きる"、"ちょうど良く生きる"ということだそうです。

「それで、八千草さんは、考え過ぎるのはやめて、力を抜いてやっていこうって思ったんだって。」
皆、うんうん頷きます。

「いいね!」
「りこちゃんも、そんな具合に生きてるよ。」

大女優の八千草さんと一緒にしては申し訳ないのですが、
りこちゃんにも、他の人達と同じように、たくさん悩みや苦労がありました。
もちろん どうしようと考えて悩んで、うーん…となって、
でもそのうちに疲れて面倒くさくなってしまって、ま、いっか、と開きなおります。
大体、人は、すぐに解決することなら苦労したり悩んだりしないのです。

「笑う門には福来るだからね。」

よくそう言って、お茶を淹れて、お菓子食べて、のんびりだらだらして、
そうすると、なんだかいい具合に元気になってくるのです。

「じゃあ、僕たちも、いい加減に寝るよー。」
「はーい。」

こざるちゃんが目覚まし時計をセットします。

「おやすみなさーい!」

今夜も、こざるカフェは ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
気がつけば、もう少しで7月も終わりですね。
よい毎日でありますように (^_^)

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