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ブレーンストーミングは万能ではない?!

ある課題について、メンバーそれぞれが互いに自由に意見を出し合いながら解決を図る手法のことを、ブレーンストーミング(ブレスト)といいます。

相手の意見は批判せずに互いにアイデアを出し合うこのブレストは、一般的にクリエィティブな発想を生み出す会議手法と思われていますが、実は様々な研究からむしろアイデアを出すのには効率が悪いと言われているのです!

なぜブレストは効率が悪いのか

なぜブレストは効率が悪いのか?

ブレストのルールには、「他の人のアイデアを批判しない」「質より量を重視してとにかく沢山アイデアを出す」などがあります。
ところが実際は、そのメンバーに上司がいたりすれば、面と向かって反対の意見は出しずらいですし、いくら自由だからといっても、突拍子もない意見を口にするのは躊躇してしまうものです。

結果的に当たり障りのないありきたりなアイデアで終止してしまうのです(このような現象のことを専門用語で「プロダクティビティー・ロス」といいます)。

おそらく多くの方が似たような経験をしたことがあるのではないでしょうか。

個々に考えた方が良い?

実際に、何人かが
「顔を突き合わせてブレストするグループ」
「個別にアイデアを出して最後にアイデアを足し合わせるグループ」
に分けてディスカッションを行うと、後者の個別に「アイデアを出し足し合わせるグループ」のほうが、よりバラエティーに富んだ優れたアイデアが多く出ることが研究から示されています。

だからといってブレストが無意味だというわけではありません。
別の研究では、

ブレストにはアイデアを生み出すこと以上に、組織内部での知識共有やメンバー間の相互理解を深めて組織文化を強化する役割を果たす

ということが報告されています。
つまり議論することで、メンバー同士がお互いの強みや経験・専門知識を披露し合い、お互いの理解を深めることで、仮にアイデアは平凡であったとしても相談しやすい組織体制がつくれるということです。

では、どうすればいいのか

そこで私がコンサル先の企業でアイデア出しを行うときは、まず一人ひとりが個々で与えられたテーマについて熟考してもらい、それを紙に書き出してもらいます。それをそのまま忖度することなく、発表してもらうという手法を用います。

これにより、特定の声の大きい人の意見だけが通るようなことを防げますし、多くのメンバーの異なった意見に耳を傾けることができます。
そこから生まれた新しいアイデアについて、さらに自由に意見しあってもらうのです。

多くのメンバーの異なった意見(知識)を共有しながら、そこからアイデアを昇華させることがポイントです。


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