医療事務が脳梗塞で入院した話・その18

見舞いに来たウロDrその2は「早く復帰してね」と言い残して去って行ったのだが、その時既にわたしは家族(主に実家)に「今すぐ辞めろすぐ辞めろ」と言われまくっていた上に、入院生活を送るだけでへとへとだったので、体力的にとても復帰できる気がしなかった。

ましてや今までのように毎日残業とか無理。

ていうか、あまりに体力が失われすぎていて、毎日出勤するのももう無理だわ…とか思っていた。退院したらパートになろうと思った。そして実際、退院後に、パートにしてもらったのだ。

しかし、全ての業務をほったらかしで入院してしまったので、それを引き継ぐなり片付けてしまいたいという気はあって、えーと要するに引き継ぎはしたかった、ので、上司とLINEをつないでいた。

LINEで「これって算定どうしてた?」などと訊かれるのが、精神の安定をもたらしていたのである。

同僚のみなさんは大変だっただろうけど。

体力が一気になくなった感じなんだけど、どのくらい一気に無くなった感じなのかというと、

まず、立って歯磨きが出来ない。

これは、歯磨きにかかる時間さえ立っていられないということ。立って歯磨きを始めても、歯磨きが終わるまで立っていられないということ。仕方が無いので、個室にある椅子を洗面台の前に持ってきてそれに座って洗面をすることに。

SCUにいた時は、最初から丸椅子を持ってきて座っていたので気がつかなかったのですが、個室の洗面台で洗面を始めたらそんなことに。

延髄が梗塞したらどうなるのか、延髄の梗塞箇所によっていろいろみたいで結局よくわからないんだけど、症状のひとつとして、わたしの場合はとにかく長時間立っていられないというのがありました。しかも、ナゼか歩くのは問題なかったのですよ。体幹がごっそりなくなった感じがしないでもない。ちなみにこれは一年経った今でも身体のバランス的な感じが安定しなくて、急にぐらっとなったりします。たまにひっくり返るというかひっくり返る感じで転びます。車の乗り降りが割とやばいです。田舎のスーパーの駐車場で転がってるおばちゃんがいたらわたしかもしれません。

あ、今は歯磨きの間立っていられますよ、洗面台に寄り掛かることを覚えたので。スーパーの駐車場ではなんかの拍子に転がりますけど。

一般病棟に移った翌日、初めて造影剤CTをすることになりました。

「造影剤アレルギーはありませんか」

と言われても、ぶっちゃけ造影剤を使ったことがないのでわかりません。

なので、使ったことがないのでわからないと答えて、CTに行きました。今までずっとMRIばかりでしたが、ここの病院で初のCT。人生初の造影剤撮影。

主治医が画像撮るのに立ち会ったのも初めてでした。立ち会ったというか、主治医は造影剤を入れに来たのです。

造影剤入れるとこうなるのねーって感じです。はーい、入れますよーって言われて入れてるのを見たら、割とすぐに身体がかーーっと熱くなって、割とすぐに熱いのがひいていきます。わたしはそれだけだったので、造影剤アレルギーはない人だったみたいです。

結果説明は、翌日の回診の時でした。

「今まで右の椎骨動脈が解離してたけど、左も解離してました

なに!? てことは、両側椎骨動脈解離に病名変更か!?でも、あとのことを考えたらやっぱ4/9に右椎骨動脈解離で、4/17左椎骨動脈解離にしといた方がいいのか。右椎骨動脈解離を併存病名にして左椎骨動脈解離を発症病名にして、少しでも併存病名4つ発症病名4つを埋めることを考えなくては。

埋めるのはKKさんだけど。

いや、問題はそこじゃないだろ自分。

でも、この時マジで気になっていたのは、自分がSCUに入ったので、多分DPCレセプトはICUやHCUと同じ扱いではないかということ。つまりレセプトの併存病名4つと発症病名4つを全て埋めなければこの(多分)高い入院料が全て査定されるのではないかと、そればかり気になっていました。発症病名は後でいろいろ拾えるにしても、わたし入院の時点で特に糖尿病や高血圧症などがなかったので、むしろ併存病名が4つ埋まるのか心配、みたいな。

「あと、ちょっとプラークがあったので、お薬追加します」

と言われて夕食後から追加になったのが、アトルバスタチン。

それと、ここでやっと主治医にお願いできたのが。

「すみません、どうにもこうにも腰が痛くて、湿布か何かもらえませんか」

自宅のベッドと違うベッドに何日も寝ていたら、腰どころか全身がおかしくなった気がするんですが、取りあえず腰が一番しんどくて、ロキソプロフェン飲んでるくせに、頭痛は良くならないどころか腰痛にも全く効いていないので、湿布を出してもらい、これが割とすぐナースが持ってきてくれたんだけど、

モーラステープ。

お陽さまに当たったらやばいヤツ。

貼った箇所に、あるいは剥がしてしばらく経っていても、そこに日光が当たると光線過敏症とかになって炎症が起こるので有名なヤツ。要するに貼ったら日光当てないように気をつけろってヤツ。

病室の窓がでかくて結構日光入るのでそこは気をつけることにしましょうということで。

つか、でかい。

大きすぎて扱いに苦労するので、ナースセンターに持って行って、半分に切ってもらいました。

右椎骨動脈解離、嚥下障害、高コレステロール血症、腰痛…腰痛より頭痛の方がいいかしら。ともかく併存病名は4つ確保出来たみたいです。

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