note1周年&個人プロジェクト始動(子ども✕絵本✕多様な文化)
おかげさまでnote1周年となりました。
始めた時はまさかこんなに続くと思っていなかったので率直な感想はびっくりです。1年も経たずにこのように素敵な皆様とオンライン上でつながれたことに驚きつつ、この世界に飛び込んで本当によかったなと今、心から思います。
いつもありがとうございます!そして、最近、諸事情によりnoteをあまり開けておらず皆様の記事も読みにいけておらず、ごめんなさい。
1年という節目に「改めて自己紹介でも」と思ったのですが、ちょうど最近、個人プロジェクトを始めたのでそれについて書こうと思います。(ちょいちょい自己紹介をはさみます。)
プロジェクト名は
Doors to Diversity Project
「絵本を通じて子どもたちが多様なそして豊かな文化に触れる機会をつくる」という活動です。
今回は長いです(約6000字)。久々に理屈っぽさ全開note。お時間ない方は1と2だけ読んでいただければ、お付き合いいただける方は3の言葉の定義についてもお読みいただけたらうれしいです。
では、始めます。よろしくお願いします。
1.プロジェクトに至った経緯
現在、夫の仕事の都合でアメリカ南部の田舎町に住んでおります。
学生時代、海外に留学したことがありました。当時経験したアジア人蔑視というものが、私の心にほんのわずかですが傷を残していました。決して命の危険を感じたとかそのようなことではありません。なんと表現すればよいのか…傷というほどでもないのかもしれません。魚の小骨がずっと刺さっている状態みたいな感覚ですかね。(これ伝わります?)
夫のアメリカ赴任が決まり、白人が多いエリアに住むと知った時、私の最大の懸念は息子でした。見た目でいじめられるかもしれない。嫌な思いをするかもしれない。そんなことを考えていました。
私は義理の伯母(夫の伯母)ファンなのですが、アメリカに出発する前にどうしても一度お話をしたく、会いにいきました。私が当時抱えていた不安を伝えると、
「その年頃(当時息子4歳)で肌の色とか、どこの国出身だとか関係なくお友達と遊べた経験はきっと将来その子の財産になるわね。もちろん大人になったら人種のことで嫌な思いもするかもしれない。でも小さい時に友達と仲良く遊んだ記憶はきっと良い経験になるし、何かの役に立つから。」
と話してくれました。初めから「アジア人だから差別される」ということを前提にしていた私は、この言葉のおかげで自分の考えを改めることができました。そして、気持ちがふっと楽になったことをよく覚えています。
そして、いざアメリカへ。心配していた息子、最初こそ目を潤ませながら通っていたプリスクールですが、次第にお友達もでき楽しく通うようになりました。
お迎えの時や、お誕生日会などでお友達と遊ぶ姿を見て私はとても感動してしまいました。まさに義理の伯母が言った通り、子どもたちは肌の色なんて関係なく、楽しそうに遊んでいたのです。
「この経験は息子にとって人生の宝物になる」
そう確信しました。
しかし、同時に「自分の子どもだけ良ければいいのか…」という思いも浮かびました。
その後、国際モンテッソーリ協会のアシスタントコースを受講することになり、このコースで学んだ内容を通じて幼児期に異文化に触れることの重要性を改めて実感します。
0~6歳の子どもたちは、周囲の環境をまるごと吸収する。これは自分がこれから生きていく文化に適応するために備わっている能力である。その子の環境に様々な文化があればそれも自然に吸収する。この吸収力にはとてつもないパワーがあり、大人が持つ偏見までも一瞬で吸収してしまう。
これを知った時、義伯母の言葉や楽しそうに遊ぶ子どもたちの姿が頭に浮かび、妙に納得したのを覚えています。様々な肌の色の子どもがいる環境が当たり前になるって素敵だなと思いました。
そして同時に「偏見の部分」については、子どもの環境の一部でもある大人として、自分の振る舞いに気をつけなければいけないと感じました。
モンテッソーリのコースでは絵本についても学びました。絵本が持つ力の1つ、知らない文化について学ぶ手段になるということを知ったとき「これだ!」と思いました。
アメリカの現地ママ友が本棚を多様化するという活動をしております。白人が主役の本の割合が高いので、もっといろんな子どもが主役の本を本棚に増やしましょう!というものです。
正直初めはピンとこなかったのですが、自分や息子の体験そして、モンテッソーリ教育を学んだことでその意義が理解できるようになりました。
そして、私もこの活動の日本版のようなものができないか、と思うようになります。これがこのプロジェクトの始まりです。
2.具体的な活動について
具体的な活動は以下の3つが中心です。
A. 英語絵本の執筆と出版
B. 英語絵本の紹介
C. 英語絵本の翻訳と出版
では順番にご紹介します。
A. 英語絵本の執筆と出版
最初に実行したアイデアは、日本人が主役の英語絵本をアメリカで出版するということでした。
といっても初めから絵本にするためにお話を考えたわけではありません。モンテッソーリのコースの中で「語り聞かせの物語を作る」という課題があり、作ったお話を授業中に発表したところ、思いのほかクラスメイト(世界22か国からの参加)の反応が良かったのでこれは絵本にしたら海外でウケるかも?!という思いを抱きました。(はい、単純な性格です。)
また、せっかく作った物語を形として記念に残したいという思いもありました。そんなわけで早速、イラストレーターさんや編集者さんをFiverrという日本のココナラ的なサイトで探しました。(思い立ったが吉日タイプ)
何とか形にしたものを、Yuki in the Snow というタイトルで2020年11月Amazon U.S.AのKindle Direct Publishingを利用し出版しました。Name and Nature in Japanese シリーズとして今後もいくつかのタイトルを出版したいと考えています。
B. 英語絵本の紹介
次に思いついたアイデアは、日本の子どもたちに様々なバックグラウンドを持つ子どもが主役の絵本を紹介するということでした。日本において都市部など一部のエリアを除き、海外から来た人とふれあう機会がある子どもは多くないと感じています。
少なくとも私の人生では、大学生になるまで日本人以外とコミュニケーションを取るという機会は英語のALTの先生以外はありませんでした。
もちろん、実際に海外を訪れたり、一緒に遊んだり、そうした直接的なコミュニケーションをとれることが理想ですが、多くの場合、また特に現在のような状況では難しいと考えます。
そこで、絵本の出番です!異文化を学ぶ手段として、絵本を活用しようと思いました。
アメリカには色々な国の人々が住んでいます。昨今の社会情勢もあってか、様々なバックグラウンドを持つ子どもが主人公の絵本がたくさんあります。
現在、図書館に通い、絵本をリサーチ中です。良いと思った本は購入して日本に持ち帰り、日本の子どもたちに紹介するつもりです。
また、きいすさんが作成予定のウェブサイトにてDot D Booksというバーチャル本屋さんとして絵本を紹介させていただく予定です。
看板作ってみました!(わりと形から入るタイプ)
C. 英語絵本の翻訳と出版
できれば絵本の翻訳をしてみたいとも思っていたのですが、パパ力検定®でおなじみ編集者でもあるsachiさんに相談をしたところ日本で翻訳出版をするのはかなりハードルが高いということがわかりました。ですが、代わりに個人出版の本を翻訳するという方法をアドバイスいただきました。
というわけで、引き続き図書館で英語絵本をリサーチしますがそれらは英語の本としてそのまま紹介しつつ、今後は個人出版の英語本も調べ、できれば翻訳&出版にも挑戦したいと思っています。
以上3つが活動内容の中心です。
Diversityと言うからには世界の絵本を!と言いたいところなのですが、如何せん私が他の言語を理解できないもので…
まずは英語の絵本に限定して活動していこうと決めました。
3.多様性&文化という言葉について
「多様性」って言葉、もうお腹いっぱい!
なんて方もいるんじゃないかな?と思っています。流行りみたいになっちゃってますよね。だからこのプロジェクト名を考える時、多様性という言葉の使用を避けようと思いました。
しかし、偶然にもVOOXで高橋祥子さんの『生命科学的思考』についての音声を聞いたことでその気持ちに変化がおきます。音声ではこのような話がありました。
多様性という言葉、元々は生物学の言葉。
遺伝子学的に言うと人間はそもそも多様な生き物。
多様性のない種は滅びてしまう。
個体の生存が危ぶまれると他者を攻撃する。
異質なものに対して抱く恐怖感は個体の生存を確保するための自然な反応
ウロ覚えですが…こんな内容だったかと、ちなみに高校時代、生物は赤点常連でした。上記の理解が間違ってたら指摘してください。
音声の内容がすごくおもしろかったので興味のある方はぜひ聞いてみてください。
話を戻します。これを聞いて多様性っておもしろい!やはりこの言葉を使いたい、そう思いました。
今一度、「文化」について定義を確認
もう一つ使用したかった言葉が文化です。辞書の定義を見てみますと
1. 人間の生活様式の全体。人類がみずからの手で築き上げてきた有形・無形の成果の総体。それぞれの民族・地域・社会に固有の文化があり、学習によって伝習されるとともに、相互の交流によって発展してきた。カルチュア。「日本の文化」「東西の文化の交流」
2. 1のうち、特に、哲学・芸術・科学・宗教などの精神的活動、およびその所産。物質的所産は文明とよび、文化と区別される。
3. 世の中が開けて生活内容が高まること。文明開化。多く他の語の上に付いて、便利・モダン・新式などの意を表す。「文化住宅」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
私がプロジェクトの中で文化という時、伝統、生活様式や思考といった意味で使用するつもりです。
再びモンテッソーリで学んだ内容になります。先ほど触れた吸収する力にも重なる部分がありますが、子どもの適応能力について
幼児期に豊かな文化的環境が与えられれば、子どもはその環境を当たり前のものとして受け入れることができる。例えば、特別なサポートが必要な子どもがそばにいれば、子どもにとってサポートが必要な人の存在は自然なものとなる。
というお話がありました。これを聞いた時、例に挙げられた「特別なサポートを必要とする子」の生活様式や考え方も文化と表現できると解釈しました。そしてCulture(文化)という言葉をぜひ使いたいと思いました。
プロジェクトについて考え始めた当初、人種の多様性だけに絞るつもりでいました。なぜならこのトピックについて学ぶだけで私の許容量を超えてしまいそうだったからです。
しかし、いざアメリカでDiversity(多様性)という観点で絵本探しをしてみると、この言葉が包括するものがいかに広いかということを実感します。肌の色だけではありません。シングルマザーの子ども、養子、病気を持つ子、特別なサポートを必要とする子など様々な子どものお話があります。
こうした絵本に触れているうちに、Diversity(多様性)と言うからにはそれを人種に限定するのは、何か違う気がすると感じました。
さらに文化という言葉に触れて、それはエリアや国単位で共通するものでもありますが、与えられた環境における生き方を示すものだとも感じました。
というわけで、発想を転換することに!
私自身がすべて事前に学んでおく必要はない。むしろ全てを学ぶことは不可能。ならば私も子どもたちと一緒に多様性について学んでいけばいいと。
そうです!開き直りです!
私には知らないことだらけです。だからこそ、みなさんに色々教えていただきたいです。一緒に学んでいきたいです!
noteでたくさんの記事を読むことで自分の知らなかった世界が広がりました。知ったからこそ「多様性」という言葉を使うことが怖くなったのかもしれません。自分のような者がこの言葉を使ってよいのか、そう思いました。
でも、あえて使うことに決めました。
至らない点ばかりだと思います。「わかりません」「知りません」「教えてください」の連続になるかと思います。それでも、私なりにできることを、それがたとえ、ごくごく小さな一歩だとしてもやらないよりはましだと自分に言い聞かせ進んでいきたいと思っています。
と、そんな経緯があり、プロジェクト名にはDiversityを活動概要には「多様」、「文化」という言葉を入れることにしました。
冒頭にも書きましたが改めてご紹介させてください。
Doors to Diversity Project(略称はドッド・ディー・プロジェクト?)
絵本を通じて子どもたちが多様なそして豊かな文化に触れる機会をつくる活動
です。以後、お見知り置きを!
4.結びに
noteを始める前、私は自分のことしか考えていませんでした。
モンテッソーリのアシスタント資格は自分の子どものために取りました。あわよくば海外のどこにいっても仕事があるかもしれないという自分のキャリアのことだけを考えて取りました。
noteはただの学びのアウトプットとして使用するつもりでした。誰とも交流するつもりはありませんでした。ネットってなんか怖かったし。
1年前の私は、自分以外の誰かのために行動するなんて想像もしていませんでした。
でもこうしてnoteを始めて不思議なめぐりあわせが重なり、やりたい活動ができて、同じような方向を向く方と出会い、動きだそうとしている今をとてもうれしく思っています。
もちろん、決して慢心せず、この活動自体も自己満足であるということも常に心に留めるようにします。
なんだか、カタイこといっぱい書いちゃったけど、
違いを知り、認め、感謝する、Appreciate Diversityの精神を楽しく広げていきたいなぁ~ワッホー
ぐらいのテンションなので逃げないでください。え?逆に逃げたくなります?え、どっち?(キャラ迷走しがちです。)
未熟過ぎる私ですが、何かアイデアがあったり、手を貸してやってもよいかななんて思ったらぜひお声がけください。簡単な内容ですが、ウェブサイトも作ってみました。サイト内ブログは英語のライティング練習用です。
本当に皆さんに感謝しています。いつもありがとうございます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
お読みいただきありがとうざいました。
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