見出し画像

就活に溺れるな

今年も就活が解禁されたようだ。

一年前の今頃、私は今と同じ場所にいた。大学の近くのドトール、2Fのこの席。この店によく通うようになり、この席を好むようになったのも、ちょうどその頃だ。当時と違うことと言えば、服装と、PCに打ち込んでいる内容くらいだ。

当時は先輩からお借りしたリクルートスーツを着て (自分のスーツの仕立ては間に合わなかった) 、エントリーシートに何を書くか、何を書いたら企業に評価してもらえるか、ということをひたすら考えていた。

今は特にきちんと着飾るわけでもなく、普段通りの服装でこの文を書いている。


就活というシステムには相当振り回された。

どの企業がいつエントリーシートの受付を締め切るのか、説明会はいつ開催されるのか、今くらいの時期になって初めて調べた。

そもそも卒業できるのか、常に気を病んでいた。単位数を確認して、泣きながら頭を抱えたことも何度もあった。結局、半年後に留年が決まった。当時の私は無力感でいっぱいになり、何事にも異常なまでに悲観的だった。


そんな時だった。


大学入学当時から、ウクレレを通じて仲良くしていただいていたSHINさんから、彼の立ち上げた Ukulele Liberty というメディアで編集長をしないかという話をいただいた。

正直、自分に務まる仕事だとは思わなかった。当時は本も読まなかったし、友人からのLINEでさえ読むのが億劫だった。

「文字嫌い」の自分が、編集長? 

しかし気づいた時には、一つ返事でそのオファーを受け入れていた。


SHINさんには、プレイヤーでいてほしい。その思いがあった。

メディアを通じてウクレレの魅力を発信したい。彼のその思いは分かっていた。だからこそ、それを止める気も (そんな権利も) なかった。

それなら、メディアを自分が受け持つことができれば、彼はもっと演奏に集中できるのではないだろうか。生意気ながらも、そんなことを考えていた。


最初の話とは逸れているように思われるかも知れないが、私の中ではとても大きな繋がりがある。

仕事を探して、それに失敗して、留年も決まった。正直、自分の中では絶望どころの騒ぎではなかった。そんな時に自分を拾ってくれたのは、大学入学当初、私に初めてウクレレを教えてくれた人だった。


就活の中で、仕事の選び方や働き方について考える機会はたくさんあった。今就活をしている人の中にも、同じことを考えている人も多くいるだろう。

もちろんそれらを考えることは大切なことだ。その答え次第で、以後の人生が大きく左右されることもあるほど、とても大きな問いであることに間違いはない。

ただ、就活生には「それだけが全てではない」ということを覚えておいてほしい。結局自分がどうしようもなくなった時に救ってくれるのは、身近にいる人だったりする。

就活中に考えることの多くは、仕事に関することだ。ただそれに溺れていてはいけない。就活の波を上手く乗りこなすことも大切だが、それだけを考えていては、就活に繰り出す前の人生や、そこで出会った人の存在を忘れてしまう。

海側から見えるビーチは、普段と違って見えたりするものだ。時には、サーフボードに横たわって、色んなことに想いを巡らせる時間を持つ方がよい。


就活にも卒業にも失敗した私がこんなことを語っても、説得力はない。正しいことを言っているのかどうかも分からない。ただ、間違ったことを言っているとも、思わない。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
note.user.nickname || note.user.urlname

最後までお読みいただきありがとうございます。 ご支援いただいたお金は「美味い飯と酒と、それに合うもん」に使わせていただいております。 そんな無駄遣いに、ご協力いただけると幸いです。

9
フリーライター・編集者。福岡生まれ福岡育ち。Ukulele Liberty 編集長。いわしくらぶ広報担当。

こちらでもピックアップされています

コラム
コラム
  • 7本

色んなことを考えた証拠。自己満足の記録です。

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。