ファインダーの無い一眼カメラ
今回ニコンからZ30というVlogをフューチャーした機種が発表されたので、その最大の特徴である「ファインダーレス」について考えてみたいと思います。
穴を覗いて撮影範囲やタイミングを確認するデバイスを一般に「ファインダー」と呼んでおり、背面液晶でのライブビュー表示は目的は同じですが一応ファインダーとは呼ばないみたいです。
一眼カメラでは「命」のように言われるファインダーですが、究極的には撮影する機能とは直接関係なく撮影準備のために使われます。ある意味ファインダーは何でも良いため一眼レフや二眼カメラが存在すると言えます。そのため安いコンパクトカメラではコストダウンや小型化を実現するためファインダーを無くしたカメラもたくさん販売されてきました。
ファインダーによって厳密に映像を切り取ることに写真の魅力がある一方で、そのことが写真を画一的でつまらないものにしているという考え方もあり、ほぼノーファインダーのような新コンセプトカメラもCANONから出されています。
この「自由な映像」の方向性は動画が持つ性質の一つでもあります。三脚で厳密なフレーミングをして撮影する場合もありますが、いまは軽量なカメラシステムで動きながら撮影するスタイルが主流になっています。
ファインダーが「無い」メリットはどこにあるのか
同じVlogカメラのLumixG100はファインダー付きです。実際にどの程度利用されているのか分かりませんが、次期モデルで無くなっていたら利用されていなかったということになります。(そういう変化はカメラUX研究にとってすごく重要)
現在はキヤノンや富士フイルムはVlogに特化した一眼カメラを出していませんので今後どちらのタイプで来るのか楽しみです。
それでは、ソニーや今回のニコンのようにファインダーを無くしたタイプのメリットは何か考えてみましょう。
メリット1:ボディが小型・軽量になる
イベント全体を記録するVlogは移動や食事のときなども記録することが多く、そのためカメラをいつでも使えるようにしておかなければなりません。
また旅行やキャンプなどのアクティビティが主体としてあるため、カメラ機材は小型である方が有利です。ファインダーの出っ張りが無ければカバンへの出し入れがやり易くなります。
メリット2:マイクを設置しやすい
外部マイクを設置するときにも全体が大型化しないメリットがあります。マイクをボディから離した方が良いという考え方もありますが、ジンバルやグリップを使用する場合に慣性モーメントを小さくできることは重要なポイントです。
メリット3:操作系をシンプルにできる
まだここまで割り切った機種は少ないと思いますが、ダイヤルやボタン操作が必要なのはファインダーを覗いた状態でも設定変更ができるようにするためであり、バリアングル液晶だけになればフロント側からでも操作しやすいフルタッチのUIがあれば十分という考えも成り立ちます。
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新しいカメラが発表されたときに他社比較や未来予測など大きな流れの中で考えてみるのはとても楽しいです。みなさんはZ30にどんな感想を持ちましたか?
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