山、粧う酒器
次の季節が訪れはじめた道東・弟子屈「器とその周辺・山椒」さんでの『秋の山椒展』。今宵堂は、すこし先の紅葉を思いつつ、「山、粧う酒器」と題して明浄にして粧うが如しな酒器や肴の器をお届けしました。
○○の秋という言葉が様々あるように、この季節へと思いを巡らせるものは様々。その秋の様々を小さく添えながら拵えた酒器たちでした。
扇風機がまだ回る京都から見ると、ひと足早い季節の器は果たして?とお送りしたつもりでしたが、先日、「山椒」さんから朝2℃まで下がったとの便り。十年前、夏に訪れた摩周湖であまりの寒さに上着を羽織ったのを思い出しました。
今回「山椒」さんに訪れられた斜里のおさしみおじさん。ご近所のスーパー「ビッグマートみたに」のお刺身を日々instagramで紹介されています。道東の美味しそうなお刺身に、小枝紋の肴皿がうれしくお伴させていただいている様子・・・器とともに知床まで旅できたようなうれしい思いです。
いつかまた、今度は器だけでなく自分たちも道東へとの思いを募らせています。
「器とその周辺・山椒」さんでの展示は、器や道具のみならず、素麺・地豆・いりこなど楽しい食材も色々。秋は日々の食が一層愉しみになる季節・・・なんて四季通じて宣っている言い訳をしながら、今宵も盃を重ねてゆきたいと思います。