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アイスクリン

高知名物「アイスクリン」

実家から高知市へは車で約2時間、高速道路のまだない40年以上前、くねくね峠を下って山あいから海沿いを通り市内を目指します。

月に一度、ごちそうを食べに高知市に遠出してました。レストランで食事をするのです。

両親と私、妹の4人での小旅行です。

夏の高知の暑さは、日射しとともに蒸し暑さを伴います。

その暑さの中を、約70kmの距離を車は進みます。

街道脇の広場にはアイスクリンのパラソルがあちこちに咲いていました。

おばちゃんが売り子です。

専用の釜みたいなのが2台あって、そこからアイスクリンを掬ってコーンに重ねます。

ソフトクリームとシャーベットの中間の口当たりと舌触り、味はさっぱりあっさりで甘過ぎない。

アイスクリンはアイスクリンの味なんですよね。

道中ひと休みするのにはもってこいの物だったように思います。

当時の弘瀬家の自家用車には冷房の設備がなく、窓をフルオープンにして風を取り込むしか涼む方法はなかったので、アイスクリンを口にできるのは非常な喜びだったのです。

大学生の頃、同級生に聞かれました。

「高知じゃ、アイスの屋台があるんだって?」

何言ってんのか分からなかったのですが、ラーメン屋台のような屋台でアイスを売る光景を想像して、

「そんなのあるわけないじゃん」と返していました。

その時は、アイスクリン=屋台とは結びつかなかったのです。

移動販売のアイスと言われれば即座にわかったのですが。

桂浜にも高知城にも現れて販売しています。

高知にお寄りの際には是非 、口に入れてみて下さい。

素朴な味にノスタルジーを感じられると思います。

弘瀬厚洋

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