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ひと言でごまとうふと言っても色々。

ごまとうふ、胡麻豆腐、ごまどうふ、ごま豆腐、など文字で書くだけでもいろいろありますが、実はごまとうふと一言で言っても製法も見た目も味も違うことはご存じでしょうか(*^^*)
前回の記事で触れたのですが、ごまとうふは修行僧の健康食・栄養食としての一面を持っていますので、大きなお寺のある所には結構ごまとうふ屋さんがあります。有名なところでは、曹洞宗の総本山永平寺さんの門前町であったり、善光寺さん(七味もあるけど)、京都の寺院さん、そして高野山。他には国内の胡麻の産地(丹波・鹿児島など)もありますし、長崎もあるように聞いたことがあります。
それぞれ微妙に作り方が違うのですが、私は大きく分けて高野山と永平寺さんとの2パターンがあると思います。

ー胡麻の使い方がポイント!-
胡麻は外皮・内皮・胚乳の3つに分けることができます。ごまとうふを作るときに、どの部分をどれだけ使うか?で実は味が変わってきます。もちろん胡麻の搾り方や磨り潰し方など細かいところはありますが、一番大きな違いは外皮ごと磨り潰すかどうか?ではないかと思います。

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こちらは永平寺さんの近くのお店のごま豆腐です。少量の水を流しながら胡麻を磨り潰すときに、外皮ごと磨り潰すため皮の色が付きます。なので黒ゴマを使えばもちろん黒いごまとうふになります。
さらに胡麻を炒るか炒らないか、の違いもあります。いりごまを使えば出来上がったごま豆腐は香ばしい香りが口に広がり、如何にも胡麻!という味がします(^・^)

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一方で私どものごまとうふは外皮を剥いて磨り潰します。胚乳の部分だけを使って作るため、見た目は真っ白になります。諸説ありますので一概には言えませんが、もしかしたら昔々の漆塗りの器に盛りつけたときに、見た目がきれいになるからなのかもしれませんが、正確なことは分かりません…。
そしていりごまでもありません。炒らずに生のまま胡麻を磨り潰しています。その結果、香ばしい香りというよりは胡麻のコクが口に広がる感じでしょうか。京都では胡麻の搾り汁に出汁を加えたりすると聞いたこともあります。どちらが優れているか?という話ではなく、それぞれの特色を感じながら、「今日は香ばしいタイプでガツーンと!」「今日は高野山タイプでしっとりと」みたいにその時の気分で選んでみると面白いかもしれないですね!

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