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新規事業開発において「目的」をつくるのは、別に大切なことじゃないという話し。

今WHITEでいろんな企業の方たちと、新規事業、新サービスの開発に取り組んでいます。数々お客様からご相談をいただく中で「目的」の重要性についてとても考えさせられます。

現在の僕の結論からいうと、新規事業・サービス開発において「目的」をつくること自体は全然大切なことじゃない。と考えています。

多くの書籍でも、新規事業開発の目的が重要だと書かれていますし、いろんな人の話しの中でも目的つくりが大事だと出てきます。が、どうしてもすこし違和感を感じてしまうのです。
WHITEでも、目的の重要性を語っていますし、事業の目的を定義することからプロセスがスタートします。その目的定義の方法や、考え方、フレームを持っていたりしますが、そもそもの目的定義についての情報が世の中に溢れているので、個人的に前提となる考えを書きたいと思いました。

まず、僕が感じた違和感を、目的がいかに必要かを人に伝える時に、よく出てくる「一隻の船」の話しで説明しようと思います。

(船長) 「今から2年かけて○○島にいくから一緒に船に乗ってくれ」
(あなた)「なぜ行くのですか?」
(船長) 「 …。」

このようなやり取りを聞いて船に乗る人いますでしょうか?
…絶対嫌ですよね。
ただでさえ、新規事業開発、サービス開発はとても不確実性が高く、1000に3つしか成功しないと言われています。なのに、そもそもの目的が明確でなければ、成功する確率はさらに低くなるでしょう。

うん、わかる。
でも、いないでしょ。こんな人。

さすがにこの状態で新規事業開発しても成功しないのって誰が見てもわかるのでは??と思うのです。

現場の人たちは当然頭がいい人が多いし、大型プロジェクトの経験もたくさんあります。そんな人が、こんな状態で船に乗れと誘ってくるでしょうか?いや、そんなことはありません。
実情はもっと複雑です。

(船長) 「今から2年かけて○○島にいくから一緒に船に乗ってくれ」
(あなた)「なぜ行くのですか?」
(船長) 
「理由は大きく3つある。
1つは、すでにウチの島の資源は枯渇している。〇〇島にいくことでこの先数年分の資源を手に入れられるからだ。
2つは、〇〇島には□□があって、それは…」

というように、理解できる「目的のようなもの」がある場合が多いです。
こういう「目的のようなもの」がはっきりしている場合でも、プロジェクトがうまくいかない場合がたくさんあります。なぜうまくいかないのでしょうか?

自分自身が目的を信じられていない、または信じてくれる人を増やせていない。

いくら、目的がはっきりあったとしてもその目的を自分が信じられていなかった場合、それって「目的のようなもの」なだけであって、自分が成し遂げたいこととは違います。この乖離は、いざという時の対応の違いを生み出し、プロジェクトのあらゆる障壁を乗り越えられず、プロジェクト頓挫の原因となると考えています。

僕は、過去この事象で痛い目をみました。
ある企業様と1年かけて計画していたサービスをローンチし、メディアにも取り上げられ、担当者やプロジェクトの関係者と、「これからがスタート!がんばるぞ!」となっていた矢先に、プロジェクトオーナーとなる得意先担当者が人事異動で変わりました。
そこから、新担当者がやってきて、その新担当にサービスの目的やこの先のビジョンとプランを共有しながら進めていたのですが、新担当の熱量をあげることができず、サービスの力点の置き方が変わってしまい、方向性の不一致もあり悔しながらプロジェクトから降りる決断をしました。

今考えると、当時の僕はただサービスの目的を共有しただけで、その目的を信じてもらえるような努力をしていなかったのだと理解し、反省しています。
新規事業や、新規サービスはまだ見えない未知のモノです。そんな目に見えない不確実なモノをつくる際に、つくっただけの目的を共有してもなんの意味がありません。なぜ、この目的を据えているのか、なぜ僕たちはこの目的を信じて進めているのかが伝わり、同じく信じてもらえるまでのコミュニケーションをしていかなければなりません。

新規事業において大事なのは、共通の「信じられるモノ」をつくり、熱量を生み出すこと。

目的大切論はわかるのですが、どんな素敵な目的をつくっても、どんな精度の高い目的をつくれても、一緒につくりあげるプロジェクトメンバーや、その関係者がその目的を信じてくれなければ、プロジェクトは失敗します。目的を信じ、未知を生み出す熱量を生み出すことが超大事だと思うんです。つくりたくてワクワクするとか、すごい大変そうだけどめちゃ楽しそうとかそういう感情をいかにつくれるかがプロジェクト成功への道なのではないかと思います。
その熱量が、プロジェクトチームみんなそれぞれに意思を生み出して、その意思が事業やサービスに魅力を与えていくのではないかと考えています。

企業内で新規事業や、サービスをつくる場合、目的は上から降りてくることが多いかと思います。もし、そんなときあなたがプロジェクトリーダーを任されて途方にくれているとしたら、自分がこの目的を信じられるように言語化し、上としっかりと共通認識を持つことからはじめましょう。自分の人生の時間を投じて行うプロジェクトなのですから自分が信じられる形にして、自分の熱量を生み出し取り組むべきだと思います。そうした後は、その想いをメンバーも信じられるようにコミュニケーションしていきましょう。難しい時は、僕らのような外部の人間をつかうのも手です。一緒に信じられるモノをつくり、メンバーが信じられる状態をつくるところからご一緒します。

と、普段は僕らが使っている手法とか体系化しているノウハウとか具体的なことを書いているのですが、今回は精神論みたいな感じになってしまいました。自分自身が、手法とか、こうあるべきなど小難しい話しに振り回されがちなので、大事な熱量がなくなる方が良くないと思っています!という表明をしておこうと思いました。

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