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契約書の製本/袋綴じ 法務がやるか、他がやるか

タイトルの件、なぜこんなことを書くかというと、背景は社内事情もあり省略しますが、「他の企業では法務が契約書の製本をするんかいな?」と疑問を持ったことに起因しており、Twitterでアンケートを取ってみたところ、まさかの255票もの回答をいただいたので(ご協力ありがとうございました)、いっちょやる気出して考察してみっかーとなったわけであります。
ちなみにアンケートは「契約書の製本をどこが(部署)やるか」を4択で回答をいただき、次のとおりの結果となりました。

ということで、早速「契約書の製本(袋とじ)、法務がやるか、他がやるか」の考察をしてまいります。なんだこのタイトルと思った方は、「打ち上げ花火 下から」で検索してみてください。

1.そもそもなぜ製本が必要なのか

「製本とは何ぞや」という方は、私が云々書くより専門家の書かれたサイトの方が有意義ですので、そちらをご覧ください。
簡単に言えば、「契約書の改ざんを防ぐ」ことと「そのための方法を簡素化する」ことにあろうかと思います。

2.製本はどの部署が行うべきか

本題です。今回はあくまで「企業に属している」ことを前提とします。

(1)1位 締結部門がやる(59.2%)

なんと過半数でした。ちなみに弊社も1位に該当し、社内ルールも整備済みです。ただ、この結果を盾にして、法務の私が営業部門等の契約締結部門の方へ「おりゃーお前ら目かっぽじってよく見いや!契約書の製本いうのはなあ、契約をしたいっちゅーお前らが自分でやるもんなんじゃ!!」などと社内公表しようもんなら、
「母集団の属性は?」
「そもそも法律に定めがあるの?」
「聞いたことないけど。当社ルールは?」
「法務が得意なんだからやればいいじゃん」
「知るか」
など、たくさんのカウンターが返ってくることでしょう。最後のコメントが来たら戦争ですね。ワクワクします。

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(2)2位 法務がやる(19.6%)

なんでですかね?(後記3.にて詳細考察)

(3)3位 法務以外の押印・契約書管理部門がやる(12.9%)

ほほう、そうですかそうですか(後記3.詳細考察)

(4)その他

上記(1)~(3)に該当しない場合、「誰/どこ」をコメントで出していただきました。

しぇあーどさーびす…件数が多くなるとこんな効率化が図れるのですね!

上記のとおり、過半数は締結部門が製本作業をしているという結果が得られました。ただ、法務やその他の部門が製本作業をするという結果も3割程度あるように、必ずしも「どこがやるべき」という決定的な理由はないようです。何ででしょう?

3.投票結果の差異について

本項は、結果がばらけた背景を検討していきます。

(1)契約締結件数

1つには、契約の締結件数が関係しそうです。
現在弊社では、法務2名で契約書作成・審査を担当しており、ややこしいのは月に多くて10~20件くらいです。(当社ひな型込みだと40~50件くらい?)
 当然、全部締結には至らないですし、締結されたとしても時期はバラバラになります。仮に月に10件ほどしか契約締結に至らないのであれば、それほど苦でもなさそうですから、「法務がやる」ことになってもおかしくないでしょう。同様に、製本作業は(知っていれば)誰でもできますから、法務である必要もないわけですので、「法務以外の押印・契約書管理部門がやる」ことになっても違和感はないですね。
 一方、締結する契約書の数が200通などになると、20営業日としたら1日の単純平均10通ですから、結構な手間です。私はとてもやりたくないので、「締結部門がやる」ようにしてほしいと思います。
 それでも多すぎるなら、もはや外注しかないということでしょうか。

じゃあ契約件数がどれくらいなら多い/少ないのかについて・・・と書いていくと横道に逸れるし段々面倒になってきたので、これくらいにしておきます。

(2)事務担当者の有無や人数

次は「事務員」の有無について検討します。
※件数の考察は一旦無しにして、また新たに考えます。

例えば部門が4部門あり、1部門ごと事務員さんがいるとします。
その場合、契約書への押印申請、返却された後の契約先への発送、同封する送り状の作成、押印が欲しい箇所への付箋貼付けや説明書き、返信用封筒を入れるなら返信用封筒への印紙貼付け、宛名書き(シール作成と貼付け)、など作業が発生しますので、これらを締結担当者がやらないのであれば、当該部門の事務員さんがやることになります。ならば、この作業の一環に「製本」が入っても何らおかしくないでしょう。事務員さんがやることは、広く見たら「締結部門がやる」ことになりますから、アンケート結果のとおりで何らおかしくありません。

一方で、契約書の「押印」を法務やその他の部門がやっているのなら、その作業の一環として「製本」が入ってもよさそうです。
押印申請を部門が、製本を法務が、押印を法務以外の部門が、というところでは、法務が製本する機会は何となくなさそうな印象ですが。

(3)社内ルールがそうなってる

いや、もうこれ書いたら話終わりなんですけどね。
契約の件数がどうだろうが、事務員さんが部門にいようがいまいが、製本はどこそこがやる、という社内ルールがあれば、そのように切り分けられて実行されるわけです。これを無視すればルール違反ですから、そんな愚かな社員には罰を下してやりましょう。

4.結論

会社規模や契約締結件数、人工(にんく)などが関係しそうということで検討してまいりましたが、結局は会社ごとの決め事なんだろうなと思います。

もう書いちゃいますが、今回アンケートを取った理由が「ルールでは締結部門が押印に必要な契約書を用意する」「当該部門には営業事務の方がいる」条件下でありながら、何故か「法務に製本作業」依頼がきたので、法務担当(私含む)2名及び上司の全員、「え、なんで??」となったことによります。

※突っ返しました。

ルールが一番、ルールがあれば、何でもできる!(できない)
ほんとルールがない会社は、ルール作っても見ないし手間暇かけて説明会やアナウンスをしても読まないし読んでも実行しないしで、困窮を極めます。
落ちが無いですが、この辺で。

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