あまりにもキメすぎた2018年のとあるチリGⅠ
チリには古馬のGⅠ(=3歳以上のGⅠ)が2つしかありません。そのうちの1つが、5月にチレ競馬場のダート2200mで行なわれるGⅠイポドロモ・チレです。ダート最強馬を決める戦いとみなしていいかもしれません。
2018年5月5日のGⅠイポドロモ・チレは前代未聞というか、ハチャメチャというか、めっちゃバカバカしい決着となりました。
①ペウマジェン(Peumayen)が大逃げを打ち、3番人気の⑭オライチャオ(Hola Y Chao)が2番手を追走しました。直線でオライチャオが逃げ馬を楽に捕まえると、後続をグングン引き離して圧勝しました。到達順位は以下のとおりです。
1着:⑭オライチャオ(Hola Y Chao)
2着:⑫ローセント(Rosent)
3着:④グロリオーソカンペオン(Glorioso Campeón)
4着:②ティロリブレ(Tiro Libre)
5着:⑧ウィンヒアー(Win Here)
6着:⑪エスシピオンアフリカヌス(Escipión Africanus)
7着:①ペウマジェン(Peumayen)
なんで7着まで書く必要があるんですか?
レース後、当たり前ですがドーピング検査が行なわれました。南米大陸には IFHA のリファレンスラボラトリー、いわゆる認定ラボが存在しないため、検体を外国の認定ラボに送って検査してもらいます。なので、着順の確定までに1ヶ月くらい時間がかかります。当時、チリはフランスの "Laboratoire Des Courses Hippiques" に検査を委託していました。
6月7日、主催者であるチレ競馬場は報告書を発表しました。この報告書がレースのワクワク感やドキドキ感をぶち壊しました。フランスでの検査の結果……
オライチャオ(1着)からクレンブテロール
ロセント(2着)からテストステロン
ウィンヒアー(5着)からテストステロンとデキサメタゾン
エスシピオンアフリカヌス(6着)からベンゼンジオール
が検出されたのです。こりゃもう薬物フェスティヴヴヴヴァル。もちろん4頭は失格処分となりました。最終着順は以下のとおりです。
1着:⑭オライチャオ(Hola Y Chao)2着:⑫ローセント(Rosent)
1着:④グロリオーソカンペオン(Glorioso Campeón)
2着:②ティロリブレ(Tiro Libre)5着:⑧ウィンヒアー(Win Here)6着:⑪エスシピオンアフリカヌス(Escipión Africanus)
3着:①ペウマジェン(Peumayen)
3着入線馬が優勝し、4着入線馬が2着に繰り上がり。7着入線馬が小林陵侑並みの大ジャンプで3着に浮上するという前代未聞の決着となりました。
お薬は用法・用量を守って正しくお使いください。
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木下 昂也(Koya Kinoshita)
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