見出し画像

駅前散策日記 JR四ツ谷駅編

 「JRの駅の近くには必ず本を買える店がある」を証明すべく、知らない駅を降りてお散歩するという企画、転じて「JRの駅を降りて本屋が見つかるまで歩く」という企画、今日はJR四ツ谷駅を降りました。

 イメージというのは恐ろしいもので私は四谷を昭和テイスト漂うレトロモダンな街だと思っておりました。もちろん四谷怪談のイメージでして、それやったら昭和よりもっと時代は古いやろアホかと言われれば確かにその通りではあるんですが、令和の現代、昭和よりも古い街並みを残しているところって全国各地に散らばってる「小京都」くらいではないのですか。そんな作られた古都のイメージよりレトロモダンな昭和タウンのほうが怪談っぽさがあるではありませんか。

 しかし四ツ谷駅を降りて驚きました。駅のお隣にはハイソサエティなショッピング施設、名前は忘れた。アトラス四谷だったかな、バズズ四谷だったかな、ベリアル四谷だったかな、調べるのがめんどくさいのでこのまま進めます。成城石井が入っていたところがハイソサエティポイントアップです。なんか、とにかく小洒落てたわ。オレなんか異物混入って感じでしたもんね。品のいい街には品のいい人が集まる。四ツ谷駅を降りるには資格が必要なのだ。オレはその資格を持っていないが短時間滞在ゆえ許された気がする。

 仮名アトラス四谷を出ると車の行き交う大通り、左を向けば上智大学。上智大学と聞くだけでオレみたいなもんは溶けて消えてしまいそうになる。ギリギリ耐えながら上智大学とは反対方向にオレは歩いた。近づけば本当に溶けて無くなりそうだったから。

 最初の交差点にケンタッキーフライドチキンがあり少し安心する。おお、オレの知ってるKFC。その右隣にはラーメン屋があり、行列ができていました。ハイソサエティな四谷にもラーメン屋に群がる一般人がいるのです。ラーメン屋は四谷駅前しんみち通りという商店街の入り口になっており、商店街はオレが最初に思い描いていた四谷のイメージに近い四谷でした。ハイソなだけでは無いらしい。四谷の振り幅に川田利明のレスリングスタイルを見ました。

ええ感じの商店街!


 ケンタッキーから大通りを渡り向こう側にはキリスト教関連の書籍を扱う大きめの書店があったのですが浄土真宗大谷派のオレはスルーして大通り沿いを上智大学とは逆方向へ歩きました。逆にいかないと溶けそうになるので。数分歩くと、ドン・ボスコという、こじんまりした書店があり、これまたどうやらキリスト教関連の書籍やグッズを扱うお店。どうやら四谷は怪談ではなく聖書の街なのかもしれない。そういえばKFCのあのおじさんもどこか宣教師っぽい。ならば入店して四谷という街を体感しようではないか。ドアを開けて入る。入れた。キリスト教は他宗教を無駄に拒みはしないのだ。

 「絵本」とか「新書」とかカテゴリ分けして本が置いてあるなかに「マザーテレサ」というカテゴリがあり、本来ならオレが入店する店ではないのだろうなと思った。これまであまり触れてこなかった世界が全面に広がっており、オレは少し後退りしそうになりながら懸命に店内を歩き回る。山のフドウに相対するラオウのようであったかもしれない。そこには恐怖というか、畏怖があったように思います。一からこの世界を勉強するにはオレの寿命は短すぎる。どうしてもっと早くに出会えなかったのだろう。どの本を買おうがなんとなく手遅れな気がしたのですが、せっかく入店したのだから、何かしらその証となるものを買っておきたい。そうやって再度店内の本棚を眺めていますと、『カトリック生活』なる雑誌と『カトリック新聞』を見つけたので、これで少しばかり、深遠なる世界を覗き見してみることにしました。とりあえず、四谷がなぜキリスト教の街なのか、調べてみることにします。

希望を見つけたい。

#note日記 #日記 #コラム #エッセイ
#毎日note #毎日更新
#ジャミロワクイ #ジャミロ涌井 #涌井慎

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?