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【アンビリーバボー】僕だけの友達ゆうちゃん【怪談・怖い話】

これは、ある友人から聞いた話だ。

彼がまだ中学生の頃、地元のテレビ番組で放送された「僕だけの友達 ゆうちゃん」という話が、どうしても頭から離れないという。彼が言うには、その物語の異様さと、最後に映し出された「ゆうちゃんの似顔絵」が特に恐ろしかったそうだ。

話の中心にいるのは、長田博(仮名)という男性。彼がまだ八歳の頃、ある夏の日に「ゆうちゃん」と名乗る年上の少年と出会ったという。ゆうちゃんは他の子供たちから一目置かれる存在で、長田も彼と一緒に遊ぶようになった。彼らはしばらくの間、まるで兄弟のように親しく過ごしていた。夏休みが来ると、毎日のようにゆうちゃんは長田を迎えに来て、一緒に遊んだ後、ゆうちゃんの家の前で別れていた。そんな日々が続いた。

ある晩、いつものように別れた後、長田は夜中に強烈な金縛りに襲われる。目を開けると、部屋の隅にゆうちゃんが立っていた。しかし、彼は何も言わず、ただじっと長田を見つめて消えていった。翌朝、長田は胸騒ぎを覚えながら家を出た。その途中、遠くから自転車の衝突音が響いた。駆けつけてみると、そこには血まみれになったゆうちゃんが倒れていた。

慌てて家に戻り、おばあさんを呼んで事故現場に戻った。しかし、そこには何もなかった。道路は静まり返り、事故の痕跡は一切残っていなかった。さらに、おばあさんはこう言った。「ゆうちゃんって、誰だい?」毎日一緒に遊んでいたはずのゆうちゃんを、誰も覚えていないというのだ。友達や近所の人々にも聞いてみたが、ゆうちゃんという名前すら聞いたことがないと言われた。

ゆうちゃんの家があったはずの場所に行ってみると、そこは空き地になっていた。まるで彼の存在そのものが消えてしまったかのように、ゆうちゃんの痕跡は一切残っていなかった。唯一残っているのは、長田の記憶の中だけだった。

そして、彼が27歳になった時、再びゆうちゃんが彼の前に現れた。かつてと変わらぬ姿で、静かに彼に別れを告げるために。

だが、話はそれで終わらない。この出来事の後、テレビ番組がゆうちゃんの似顔絵を描き、スタジオで公開された。その絵は、あまりにも不気味だったという。長田の記憶をもとに描かれたその顔は、まるで魂の抜け殻のような無表情で、見る者を底知れぬ恐怖に引き込むような力を持っていた。

「ゆうちゃんとは一体何者だったのか?」その答えは誰も知らない。ただ、その似顔絵だけが、今もなおネット上で語り継がれ、見る者を震え上がらせ続けている。

ゆうちゃんの似顔絵画像


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