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降頭の兵隊【怪談・怖い話】

これは、ある人物から聞いた話だ。
彼が最初にこの話を書き込んだのは3年前。当時、ガンプラを盗もうとして入った店での出来事がきっかけで、占いの勉強を始めたという。

高校3年の受験が終わり、合格発表で浮かれていた頃、彼は引っ越しの準備で忙しい中、久しぶりに恩師を訪ねた。

大学合格の報告も兼ねていたが、恩師のお見舞いが主な目的だった。3年前に書き込んだ時、恩師は既に体調を崩しており、当時の恩師はさらに痩せてやつれていた。

彼が訪れた際、恩師はパジャマ姿で寝ていた。彼はそんな恩師を置いて、遠くの大学へ行くのが少し心残りだったが、恩師は「気にすることはない」と言い、逆に彼を励ましてくれた。

恩師は、一人暮らしが必ず良い経験になるだろう、多くの人と知り合い、人間として成長するチャンスだと語り、「まだ教えたいことが山ほどある」と言った。すべてを伝え終わるまで絶対に死ねない、と冗談めかして笑った後、恩師は自室に入り、小さな箱を持って戻ってきた。それは石鹸箱の半分程度のプラスチック製の箱だった。

彼が占いを学び始めて6年以上が経過していたので、恩師は彼にその箱を渡すことを決めたらしい。その箱には「ジャントウの兵隊」が控えていると恩師は説明した。

「降頭」と書いてジャントウと読むこの呪術は、東南アジア一帯で盛んな呪術の総称だという。日本ではほとんど知られていないが、非常に強力で、現地の人々から恐れられている。

恩師は、遠方に行く彼をその兵隊が守ってくれると話し、その兵隊は彼の人間性を見て判断し、長年の信頼から彼に託すことを決めたのだという。

恩師は、その兵隊が非常に強いことを強調した。たとえ悪い霊がいたとしても、その兵隊がいれば安心だと。日本に式神を使役する者がいたとしても、その兵隊には敵わない。だからこそ、その兵隊を連れて心霊スポットに行くのは禁物だと警告された。

他にもいくつかの注意点があった。まず、家に迎える前に家の神様に挨拶をすること。毎日最低一回呪文を唱え、兵隊に向かって詠唱すること。お供え物として線香やお菓子、ジュースを少量供えること。

特にファンタグレープが良いという。決して粗末に扱わないこと。箱を捨てることは絶対に避けなければならない。それは命に関わることであり、冗談ではないと恩師は言った。箱は胸から上につけてはいけないこと、常に腰に下げるかカバンに入れて持ち歩くことも指示された。

恩師は最後に、兵隊を可愛がって欲しいとお願いした。愛情を注げば、その兵隊は力を惜しまず尽くしてくれるだろうと。

彼は可愛がり方が分からないと訴えたが、恩師は子供が喜びそうな玩具を供えてあげれば良いと言った。その兵隊は子供のような存在で、玩具を供えれば家族のように彼に寄り添ってくれるだろうと。

こうして彼は恩師から降頭の兵隊を受け取った。恩師は彼のために最高の合格祝いを用意してくれたのだ。それがとても嬉しかったが、同時に彼は恩師の身が心配だった。

こんな大切な兵隊を自分に渡したら、恩師はどうなるのか?悪い霊が恩師に近寄ってくるのではないかと不安になったが、恩師は「心配はいらない」と笑って答えた。そのくらいのことは考えてあるから大丈夫だと言い切った。

それから3年が経ったが、彼は何も感じない。しかし、恩師の言いつけを守り続けているため、大きな怪我や病気もなく、良い人間関係にも恵まれている。それがすべて、その兵隊のおかげだと彼は信じている。

ただ、その兵隊を何かの間違いで捨てたりしたらどうなるのかと考えると、恐怖で体が震えるという。

[出典:95 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/07/24(木) 06:53:09.37 ID:liRNog3Q0.net]


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