見出し画像

艮の神(丑寅の神)【怪談・怖い話】

これは、私の叔母から聞いた話だ。

かつて、東北の奥深くには「ウシトラの神」と呼ばれる強大な神が封印されていたという。

話は私がまだ幼かった頃、正月の家族の集まりで起きた。祖父母や叔母を含め、皆でお雑煮を囲んでいたそのとき、ふと叔母が私にお雑煮を食べさせまいとしたのだ。理由を尋ねると、叔母はおぞましい伝説を語り始めた。

「お雑煮というものは、実は古代の闇の勢力が封印された神の体を切り刻み、何も知らない民衆に食べさせるための呪術的な儀式なのだ」と、叔母は言う。日本に渡来した闇の勢力は、目に見えない次元で日本を操り、もともといた神々を侵略し、その土地の神々を封印・抹殺するための活動を行っていたというのだ。

特に、「ウシトラの神」はその中でも最も強力な存在だった。封印される前は、東北地方に広大な都市を築き、その神力で民を統治していたという。しかし、室町時代までその力が存続していたが、闇の勢力の不意打ちによる津波によって、神の力は滅ぼされ、ウシトラの神は封印された。

叔母は続けて話した。お雑煮を食べることで、無意識に闇の勢力に手を貸すことになる。毎年お雑煮を食べるという習慣が続く限り、神々の体は永久に食べられ続け、闇の力が強化されるというのだ。私はまだ子供で無垢だから、闇の勢力の影響を少なくできるかもしれないと考え、叔母は私にお雑煮を食べさせたくなかったのだ。

家族はこの話を聞いて唖然とし、私は気味の悪い話に食欲をなくし、その時はお雑煮を食べなかった。しかし、今ではその話を半信半疑で受け入れつつ、お雑煮を食べている。

その後、叔母はさらに恐ろしい話を続けた。ウシトラの神は完全に封印されているわけではなく、僅かな力を使ってほんの一握りの人間にメッセージを送り続けているというのだ。そのメッセージを受け取った者たちは、代々その力を守り、闇の勢力との戦いを続けている。

戦いは目に見えない次元で続いており、時折その余波が我々の世界にも影響を及ぼすことがあるという。東北地方の伝説の裏には、そんな闇の力と神々の戦いが今も続いているのかもしれない。

私が叔母から聞いたこの話は、今でも心に深く残っている。お雑煮を食べるたびに、封印された神々と闇の勢力の戦いの一端を垣間見ているのだと感じるのだ。

[出典:57 :248 ◆HsptrkZmYk:03/09/09 18:02]


#怖いお話ネット怪談 #怖い話 #怪異 #怪談 #ホラー #異世界 #不思議な話 #奇妙な話


今後とご贔屓のほどお願い申し上げます。