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怪異・怪談・怖い話・不思議な話

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2024年9月の記事一覧

入院経験【怪談・怖い話】

これは、ある男性が経験した、奇妙な記憶に関する話だ。 彼は高校3年生の夏、突然の高熱で倒れ、田舎の馴染みの病院に入院した経験がある。4日間の入院で、点滴や病院食に慣れない日々を過ごし、同室の中学生くらいの男の子と仲良くなった。その入院生活は鮮明な思い出として彼の記憶に残っていた。 入院中の風景や出来事はリアルで、病室からは小さな島々と海が見える西向きの窓、点滴の針が血とともに抜けた瞬間、病院独特の匂い、そして恥ずかしい便秘のエピソードまで、すべてが細かく蘇る。しかし、その

姉と兄【怪談・怖い話】

これは、ある高校生の少年が経験した奇妙な出来事についての話だ。 少年は、東尋坊で亡くなった少女を弔っている最中に、兄が亡くなったという知らせを受けた。植物状態にあった兄の死を聞いた時、母の声は冷たく、悲しみの感情はなかった。東尋坊での帰り道、少年は足を滑らせ崖から落ちてしまい、次に目覚めたとき、彼はパラレルワールドに迷い込んでいた。 家に戻ると、いつもとは違う異変に気づいた。見知らぬ女性が家におり、それは少年の姉だった。少年の世界では存在しないはずの姉が生まれたことで、彼

おみくじ【怪談・怖い話】

これは、ある男性が経験した、気味の悪い出来事についての話だ。 五年前、彼は付き合っていた彼女と一緒に御朱印集めを楽しんでいた。当時、彼女が御朱印に熱中していたため、デートでよく神社を訪れていたという。 ある日、二人は少し遠くの有名な神社を訪れた。そこは御朱印のデザインが人気で、ネットで検索すればすぐに出てくるほどの場所だった。しかし、その神社の名前はもうネットには出てこなくなっている。 お参りを済ませた後、彼らはおみくじを引くことにした。一般的なおみくじではなく、木の筒

製材会社の工場【怪談・怖い話】

これは、派遣社員として働いていた男性が体験した、ある山奥の製材工場での出来事だ。 彼が紹介されたのは、道東の山深い場所にある、冬季限定で稼働する製材工場だった。仕事はフォークリフトを使った製材の積込作業。職場は工場長と無口な作業員二人、そして飯場のおばちゃん、計四人だけ。条件は良く、三食付きで風呂も広く、テレビ付きの個室も与えられていたため、当初は快適な環境だと感じていた。 しかし、一つだけ奇妙なことがあった。話し相手が工場長しかいないのだ。無口な作業員たちに挨拶しても、

謎の建物【怪談・怖い話】

これは、数年前に故郷に帰省した友人から聞いた話だ。 彼が最後に故郷を訪れたのは二年前のこと。今回のお盆に再び訪れると、少し風景が変わっていたという。特に、川沿いにあった廃工場が消え、代わりにステンドグラスが飾られた奇妙な建物が建っていたのが印象的だった。そんな彼が従姉と会い、世間話をしながら帰路についたとき、何気なく「廃工場はいつ取り壊されたのか?」と尋ねると、従姉は驚いたように「まだ工場はそのままだ」と言った。 二人の記憶に大きなズレがあることに戸惑いながらも、彼らは確

死者からのメッセージ【怪談・怖い話】

これは、古いオカルト本に書かれていたという話だ。1970年代のアメリカで行われた、奇妙な実験についての記述が印象的だったという。 アメリカの心霊調査チームが、ある交通事故現場で試みた実験。場所は幹線道路沿い、歩道にあるフェンスに突っ込んで亡くなった被害者が横たわっていた場所だ。チームは録音状態にしたテープレコーダーを、事故現場にそっと設置した。録音が始まる前、調査員は静かに語りかけた。「貴方の無念な思い、もし伝えたいメッセージがあるならば、このテープに残してください」と。

アレックス・クーパー失踪事件【怪談・怖い話】

これは、友人から聞いた話だ。 1987年4月、霧深い朝、ライラという女性が、夫と共に早朝ドライブに出かけようとしていた。まだ薄暗いその時間、彼女は川沿いに父親アレックスの車が停まっているのを見つけた。いつものように釣りに来たのだろうと思い、様子を見に行ったライラだったが、車内に父の姿はなかった。釣り道具はそのまま積まれていて、何も手をつけた様子がない。不安が胸をよぎり、彼女はすぐに母親マーガレットに連絡を取った。 母によれば、父は前夜には仕事から戻るはずだったが、まだ帰宅

タイ女性ラーティー・トーンディーさん失踪殺害事件【怪談・怖い話】

2010年、タイのピサヌローク県のポムピラーム市で、21歳のラーティー・トーンディーさんが行方不明になった。 9月22日、住民がマンゴーの木の根元で白骨を発見した。警察は、遺体の肉部分が腐敗しており、3ヶ月以上経過していると推測し、行方不明のラーティーさんではないかと疑った。 ラーティーさんの母、ソムチット・チットパサックさんは、娘がセーニー・トーンディーさんと結婚し、子供もいたことを明かした。ソムチットさんは娘の家によく訪れていたが、ある日、セーニーさんからラーティーが

玄倉川【怪談・怖い話】

これは、職場の同僚から聞いた話だ。 玄倉川水難事故の翌年、秋も深まった頃、彼は親友と二人でその川を訪れたという。現場には、すでに立ち入り禁止のゲートが設けられていたが、二人はそれを無視して川原へと降りて行った。 川の水量は少なく、透き通るように澄んでいて、周囲には人影一つなかった。その静寂が、妙に心を落ち着かせ、彼はなぜか川の向こう岸へ渡りたくなったという。浅い流れを越え、彼は先頭に立って進み、親友も後を追ってきたが、その顔は明らかに浮かない様子だった。 川の流れに反射

年の離れた弟がいて、弟がまだ三歳位の時に母親が亡くなった。【怪談・怖い話】

これは、私の職場の同僚が子供の頃に経験した話だ。 彼には年の離れた弟がいて、弟がまだ三歳になるかならないかという頃に、母親が亡くなったという。それからは、父親、弟、祖母と彼の四人で一軒家に住むようになったらしい。母親の二回忌を迎えた頃、弟が「家の中にお母さんがいる」と言い出したという。夜中に目が覚めると枕元に立っていたり、一人で遊んでいる時に一緒に遊んでくれる、と弟は無邪気に話した。彼自身はもう高校生になっており、そんな話を信じてはいなかったが、幼い弟の言葉に父親と祖母は「

赤毛布をかぶった男【怪談・怖い話】

これは、福井県に住む友人から聞いた話だ。 事件が起きたのは、昭和初期の吹雪の夜。福井のとある村に住む小売商の家族に不穏な訪問者が現れた。夜10時過ぎ、戸を叩く音で目を覚ました妻が戸を開けると、赤い毛布を頭からすっぽりと被った男が立っていた。 その男は「本家からの使いだ」と言い、急病人が出たので旦那を呼んできて欲しいと頼んだ。村では本家からの急な呼び出しは珍しくなく、疑うことなく旦那はその男と共に家を出た。 しかし、それが家族に降りかかる恐怖の始まりだった。 数時間後、

おまじない【怪談・怖い話】

これは、ある女性教師が関わった奇妙な話を元同僚から聞いたものだ。 藍花という少女が転校してきたのは、春も終わりかけた初夏の頃だった。彼女は目立つ美しさを持っていたが、それ以上に繊細で内気な性格が印象的だった。母親に見送られる際、「早くたくさん友達を作って、家に呼んでね」と優しく送り出された藍花。しかし、新しい学校ではクラスメイトたちがなぜか遠巻きに彼女を扱い、直接話しかけることを避けるような態度を取っていた。藍花は、またしてもいじめが始まったのかと、胸の内で徐々に不安を募ら

第二のYちゃん【怪談・怖い話】

これは、大学で知り合った友人から聞いた話だ。 その子の名前はYちゃん。明るくて、どこか不思議な雰囲気のある子だった。彼女自身は特に奇妙なわけではないのだが、周囲に広がる噂や出来事が、まるで彼女を中心に何かが渦巻いているかのようだった。誰かが常に「Yちゃんって○○らしいよ」と、関係のない情報を流してくるのだ。頻繁にそんなことが起こるので、彼女の仲間内ではその現象を「第二のYちゃん」と呼んでいたらしい。 ある日、ゼミの先生がふと、「Yさん、埼玉方面だから○○さんと一緒に帰れば

【アンビリーバボー】僕だけの友達ゆうちゃん【怪談・怖い話】

これは、ある友人から聞いた話だ。 彼がまだ中学生の頃、地元のテレビ番組で放送された「僕だけの友達 ゆうちゃん」という話が、どうしても頭から離れないという。彼が言うには、その物語の異様さと、最後に映し出された「ゆうちゃんの似顔絵」が特に恐ろしかったそうだ。 話の中心にいるのは、長田博(仮名)という男性。彼がまだ八歳の頃、ある夏の日に「ゆうちゃん」と名乗る年上の少年と出会ったという。ゆうちゃんは他の子供たちから一目置かれる存在で、長田も彼と一緒に遊ぶようになった。彼らはしばら