静寂に潜む背信の霊章【怪談・怖い話】
これは、かつて私が勤めていた会社で実際にあった話だ。
その会社は中規模で、社長はワンマン、上司たちはイエスマンばかり。社内の雰囲気は悪く、陰湿なイジメが蔓延していた。そんな中で唯一の友人がいた。彼は30代の渋い男前で、どこか陰のある人物だった。飲みに行く仲になると、彼はかつて長い付き合いだった彼女を事故で亡くしたと話してくれた。婚約していたが、結婚前に彼女は死んでしまい、葬儀や墓の手配は彼女の実家が行ったという。「遠方で墓参りにもあまり行ってない」と言う彼は、彼女からもらっ