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ツール初心者の都庁職員がPowerBIで都政の構造改革を「見える化」してみた!

ペーパーレス、はんこレス等のダッシュボードをまず見たい方はこちらからご確認ください。

「ペーパーレス」等の最新の進捗状況を「見える化」

都は、先般「DX推進に向けた5つのレス徹底方針」を発表し、「ペーパーレス」「はんこレス」「キャッシュレス」「タッチレス」「FAXレス」の5つのレスについて、全庁を挙げて取り組むこととしています。(「5つのレス」に関する記事はこちら

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方針は作ったけど、その後、取組は進んでいるの?と思われる方もいらっしゃいますよね。そこで今回、都庁におけるコピー件数、FAX件数、はんこの廃止件数等について毎月の進捗状況が見えるダッシュボード(※)を作成、11月27日より公開しています。

※ダッシュボードとは?
様々なデータを集計値や表、グラフなどを用いて「見える化」したもの。

今回は、Microsoft Power BIというツールを利用し、ペーパーレス、FAXレス、はんこレス、キャッシュレスの進捗状況を「見える化」しました。

作成に当たっては、本ツールを使いこなしているデジタルシフト推進担当課長(参考記事はこちら)にイチからレクチャーを受け、試行錯誤しながら作り上げました。その成果をご覧ください!

作成したダッシュボードはこちら!

■ペーパーレス

都庁では、デジタルツールの活用により、コピー用紙を50%削減(2021年度/2016年度比)することを目標としております。2020年度は、2016年度比で30%の削減を目標としており、コピー件数の2020年度目標1.5億件に対し、2020年4~11月までの8ヵ月間の件数は1.05億件となっております。各年度の複写サービス実績を棒グラフで表しました。

ペーパーレス7
ペーパーレス2

■FAXレス

FAX削減量の見える化を徹底し、2021年度には、2019年度比で98%の削減を実現していきます。2020年度は、2019年度比で60%の削減を目標としており、2020年11月は、前年同月比で67%減となっています。月別FAX利用件数を棒グラフ、前年同月比FAX利用削減状況を折れ線グラフで表しており、2つのグラフを1つのシートに上下で組み合わせて記載しています。

FAXレス1
FAXレス2

■はんこレス

都は、慣習的に求めてきた押印は廃止し、本人確認等で必要な押印はデジタル化していく方針を打ち出しています。現在、押印を要する事務件数は約15,000件あり、2020年11月時点で廃止済みは約500件、廃止方針決定済みは約11,000件となっています。円グラフで表記することで一目で進捗状況が分かるようにしました。

はんこレス

■はんこレス(電子決定率)

都民や事業者が行う行政手続きにおけるはんこレスだけでなく、都庁内部の手続きにおけるはんこレスも推進していきます。都庁内部の起案文書の電子決定率は、2020年11月時点で78.6%であり、2020年度の目標である80%まであと少しとなっています。こちらは折れ線グラフで表しています。

電子決定率

グラフ下(赤枠内)のバーを動かすことで、横軸の範囲を変更可能です

電子決定率2

■キャッシュレス

都は、都立の博物館、庭園、動物園など入場料等をお支払い頂いている78の施設について、「2021年度内にキャッシュレス対応を実現」していきます。また、今後、原則としてクレジットカード、電子マネー、QRコードの3種類の決済手段をセットで導入していく方針です。2020年11月時点では、36施設がキャッシュレス決済を導入しています。地図を使って都民利用施設のキャッシュレス決済導入状況を「見える化」しました。

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ダッシュボードの作り方をご紹介!

これらのダッシュボードはどのようにして作られたのでしょうか?地図を用いたキャッシュレスのダッシュボードを例に、ダッシュボード作成の3ステップをご紹介していきます。

STEP1 データの整理

Excelで各施設のキャッシュレス決済導入状況に関するデータを整理していきます。今回は、地図上に施設をプロットするため、施設名・キャッシュレス決済導入状況などに加え、施設の緯度・経度のデータを取り込んでいます。

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STEP2 データの読み込み

STEP1で作成したデータをPower BIへ読み込みます。

(赤枠で囲われた部分をクリック)

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(フィールドに追加される)

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STEP3 ダッシュボードの作成

STEP2で作成したデータを、Power BIの「マップ」という視覚化ツールを用いて地図上に落とし込み、各施設のキャッシュレス決済導入状況を「見える化」していきます。

まずは各データの表示方法を設定します。

(マップ(緑枠内)、フィールド(青枠内)を選択し、凡例や緯度・経度、ヒント等の項目を設定)

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次に、各施設の表示方法(色やサイズ)等を設定します。今回は、キャッシュレス決済の導入時期ごとにデータの色を分け、ユーザー目線で分かりやすいダッシュボードとなるよう、心がけました。

(書式(赤枠内)を選択し、データの色等、各種設定をします)

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ダッシュボード完成!

以上の3ステップにより、地図上で各施設のキャッシュレス決済の導入状況が分かるダッシュボードが完成しました!

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取り組む前は難しいイメージがあったダッシュボードですが、しっかりと手順を踏んで取り組むことで、初心者でも作れることが分かりました!

現在、都庁でよく使われているのはエクセルですが、今後はPower BIのようなツールを積極的に活用し、都民の皆さまに様々な情報を分かりやすい形で伝えてまいります。「習うより慣れろ」の精神で実践を積み重ね、アジャイルに改善を繰り返していくことで、都庁の変革を推し進めていきます。

このダッシュボードも、毎月最新データに更新していきます。今後も構造改革の「見える化」に取り組んでまいりますので、引き続きご注目ください!

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