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「都庁×民間」~都政の課題解決を推進する新たな協働スタイルとは~

都政のデジタル化を推進するための「7つのコア・プロジェクト」には、都庁の職員が中心に取り組む「5つのレス徹底推進プロジェクト」のほか、民間の持つ技術やノウハウなど外部の力を活かして仕事の進め方を変革していく取組である「オープンデータ徹底活用プロジェクト」と「スタートアップ・シビックテックとの協働推進プロジェクト」があります。

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今回は、先日開催されたスタートアップイベントの内容を取り上げながら、「スタートアップ・シビックテックとの協働推進プロジェクト」についてご紹介していきます。

民間の力を活かし、都政課題を解決する「スタートアップ・シビックテックとの協働推進プロジェクト」

皆さんはこちらの東京都コロナウイルス感染症対策サイトをご覧になったことはありますでしょうか?このサイトは、一般社団法人Code for Japanとの協働によって作られました。

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新型コロナウイルスの影響もあり、急速に社会が変化する中で、都政が抱える課題は多様化・複雑化しています。これらを解決するためには、都庁内の会議室から生まれたアイデアだけでは難しく、民間から新たに生まれた画期的な製品・サービスを活用することが不可欠です。

そこで東京都は、様々な技術やアイデアを持っている民間との協働を推進するため、スタートアップの皆さまから、都政の課題解決につながるこれまでにない製品・サービスを提案してもらうピッチイベント(※)「UPGRADE with TOKYO」に取り組んでいます。

(※) 複数の企業が登壇して自社の製品やサービスを紹介する、短時間のプレゼンテーションを競うイベント

「防災」をテーマに行われたコンテストで優勝したのは…?

ピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」は、昨年12月より開催されており、11月8日(日)に行われた第8回のイベントは、ウィズ・コロナの時代における5GやICTを活用した新しいサービスを体験できるイベント「あたらしい生活様式なるほど博」内のプレゼンテーションエリアにて実施されました。

なるほど博

今回のテーマは「防災」。最新のテクノロジーを活用し、日頃からの備えや発災時の対応をどうアップグレードしていくのか。当日は事前審査を通過した5社のスタートアップが提案を行いました。

【UPGRADE with TOKYO 第8回】
募集テーマ:
テクノロジーを活用し様々な災害から都民を守る
募集概要:
1,400万人が暮らす東京は、首都直下地震や大規模風水害など、様々な災害リスクを抱えています。最新のテクノロジーを活用し、日頃からの備えや発災時の対応のグレードアップに向けたサービス等の提案を募集します。

AIやビッグデータ等の最新テクノロジーを活用した様々な提案が行われた中で、優勝したのは株式会社自立制御システム研究所による「東京都防災対応におけるドローン活用について」でした。(※当日の発表資料を添付しております。ダウンロードのうえ、ご確認いただけます。)

【概要】ドローンについては様々な規制がありますが、その活用により、災害時の空撮による被災地状況の把握や、孤立地域への緊急物資の輸送といった可能性が広がります。2019年10月(※)には、このスタートアップや民間企業との協働により、奥多摩町の孤立地域への物資輸送も行いました。(※)2019年台風19号における災害特例が適用され、ドローンの使用が可能となりました。

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優勝した株式会社自立制御システム研究所による発表の様子

AI、ビッグデータ等を活用!最新テクノロジーによって新たな防災対策を実現

ピッチイベントにおいては、優勝社のほかにも、最新テクノロジーを活用した様々な提案がありましたので、4社の提案概要をご紹介いたします。

災害対応におけるドローンの複合的活用ソリューション(株式会社アイ・ロボティクス)

火災発生時に自動航行ドローンを活用することで火災発生場所を早期に発見し、現場状況をLIVE配信します。また、スピーカーやサーモカメラ付きなど機能特化したドローンにより、退避命令や避難誘導、要救護者の発見等をリモートで行うことができます。

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衛星データでセーフシティーを~地盤災害予兆監視と被災状況一括把握~(Edafos株式会社)

Edafos株式会社からは、衛星データを用いた防災・減災対策の提案がありました。「防災」の観点では、衛星データで地盤を監視し、土砂災害等の地盤災害を未然に防ぎます。「減災」については、流出土砂量の推定ができる等、被災箇所への早期のアプローチが可能となります。

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防災を、より簡単に、そしてポジティブに。(株式会社KOKUA)

防災グッズのカタログギフトを通じて、これまで防災に興味関⼼がなかった⼈にも、防災グッズへの興味関心を掘り起こし、ECサイトを通じて、手軽に防災グッズを購入する機会を増やしていきます。

こくあ

プライバシーに配慮した避難所での防犯カメラシステム(株式会社LightblueTechnology)

コロナ禍における災害発生時には住民の避難所への集中を防ぎ、「分散避難」することが必要です。今回の提案では、避難所の混雑度をAIが判定し、その混雑度をもとにして自主的な分散避難を実現します。また、防犯カメラで不審行動を検知するシステムの導入により、避難所における犯罪行為を防ぐことができます。

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スタートアップやシビックテックの力で行政課題を解決していく

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ピッチ審査で審査委員から都政課題の解決に資すると認められたスタートアップは、都との事業の協働等に向けた具体的な交渉を進めるきっかけを得ることができます。(なお、第5回ピッチイベントで優勝したWOTA株式会社は、あたらしい生活様式 なるほど博へ出展していました。)

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あたらしい生活様式 なるほど博HPより引用)

今回提案のあった事業についても、都庁内各局が行う防災対策とうまく結びつけることで、より質の高い防災対策につなげていくことが期待されます。

今後も様々なテーマでピッチイベントを開催しますので、様々な技術やアイデアを持っている民間の方からのご提案をお待ちしています。都としても、行政課題をよりオープンにするとともに、民間のアイデアを積極的に取り入れていくことで、都政のQOS(クオリティ・オブ・サービス)向上を図っていきます。

【ご意見募集】
#シン・トセイ 都政の構造改革に関するご意見・ご感想を、ポータルサイトのフォームより受け付けています!

(追記)UPGRADE with TOKYOの取組をまとめたものです。