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「シン・トセイ」、加速化します。

昨日8月12日、都庁内のすべての職員に向けて、構造改革推進チームのリーダー武市副知事サブリーダー宮坂副知事から、「シン・トセイ加速化方針」が示されました。

この方針は、これまで私たちが進めてきた改革の取組の到達点、「改革の現在地」を職員のみなさんと共有するとともに、さらに展開・浸透させていくために、構造改革推進チーム事務局としてとりまとめたものです。

2020年8月、都政の構造改革の取組がスタートして、間もなく1年になります。

この間、構造改革推進チームと各局が連携・協力し、本年3月に「シン・トセイ」戦略をまとめ、さらにその進捗を「#シン・トセイポータルサイト」で発信するなど、デジタルを梃子に、都庁職員の仕事の仕方そのものを変革する様々な取組を進めてきました。

2025年度を目途にデジタルガバメント・都庁の基盤を構築するためには、職員一人ひとりが改革の担い手となって、取組のスピードアップを図る必要があります。

今回の「加速化方針」は、来年度に向けて予算を編成していく過程にあわせ、都政の構造改革を強力に推進していくために示すものです。

「シン・トセイ加速化方針」の全文は以下からご覧ください。

今回のnoteでは、その「シン・トセイ加速化方針」の7つの方針を簡単にご紹介します。


方針01:「自分達のオフィスは自分達で作る」――未来型オフィスの全庁展開

「シン・トセイ」戦略では、デスク、固定電話、紙などに制限された働き方を抜本から見直し、柔軟で自由に働ける「未来型オフィス」を全庁に展開するプロジェクトを進めています。

図2

その第1弾として都庁第一本庁舎24階に整備したプロトタイプについて、職員アンケートなどにより効果検証を行いました。

その結果、コピー用紙使用量の削減は全庁平均を大きく上回っているほか、テレワーク環境の改善など70%の職員が肯定的に評価していることがわかりました。

図3

こうした「未来型オフィス」を今年度はさらに5部門で整備し、次年度は15部門で整備します。

図22

オフィス改革は本庁だけではなく、事業所でも進めていきます事業所の実情やニーズに応じたデジタルツールを導入し、それを職員がフル活用することで都政現場でのQOSの向上と、業務の抜本的見直しにつなげていきます。

図5

また、未来型オフィスの事業所を含む全職場への展開に向けた取組とあわせて、「自分達のオフィスは自分達で作る」を合言葉に、各職員が新しいオフィス環境やツールを最大限に使いこなし、仕事の進め方の変革につなげていきます。

図23


方針02:「上司は部下に紙で資料を求めない」――5つのレスの徹底

ペーパーレス、FAXレス、はんこレスなど、「5つのレス」の取組は2020年度目標を全て達成しました。

今年度はペーパー▲50%、FAX▲98%、電子決定率100%など、より高い目標に向け取組を加速化させる必要があります。

そのため、今年度中に都庁本庁舎の全職場にディスプレイを追加配備するなど、デジタルを前提とした仕事の進め方へと転換を図ることで、デジタルガバメントの実現に向けた「5つのレス」の更なる徹底を進めていきます。

また、全庁に共通する業務である予算、人事、計画の3部門では、これから来年度に向けて各局とのやりとりが進められていきます。

これまではそうしたやり取りにおいて、局、部、課単位で、大量の紙がとびかっていたのですが、今年度は全庁的なkintone®(キントーン)や部門サーバーの局横断での利用により、ペーパーレスを徹底していくことになりました。都庁の基幹業務であるこれらの業務がデジタル化されることで、仕事の進め方の変革に大きな効果が期待されます。

図8

また、デジタルを前提とした業務環境への転換のためには、ツールの導入だけでなく、職員の意識改革も必要です。

「シン・トセイ」戦略を推進する中で、各局の局長室では大型のディスプレイが備え付けられ、ペーパーレスでレクが行われることが一般的になりましたが、部課長のレベルでは、まだ紙でのレクが行われている職場もあるという話も聞こえてきます。

そこで、加速化方針では、「上司は部下に紙で資料を求めない」など、職場における意識改革も徹底することを明記しました。上司が率先してペーパーレスでの議論を実践していくことで、職場全体への波及に繋げていきます。

図9


方針03:行政手続「デジタルファースト」の推進

都民・事業者の皆様があらゆる行政手続をいつでもどこでも行える環境構築に向けて、これまで主要な169手続のデジタル化を推進してきました。

さらに、デジタルファースト条例及び推進計画により、全ての行政手続のデジタル化が原則化され、今後計画的に取組を推進していく必要があります。

そのため、SaaSなどの新たな電子申請基盤ユーザーレビュー機能を活用しながら、件数の多い行政手続を中心に計画的・戦略的にデジタル化を進めることで、都政のQOSを向上させ、都民のQOL向上につなげていきます。

図18


方針04:「テストしないものはリリースしない」――スタートアップ、シビックテック等との協働を深化

官民協働でオープンに行政課題の解決を図るため、昨年度ピッチイベントや都政現場における実証実験、オープンデータ・ラウンドテーブルなどの取組を開始しました。「シン・トセイ」戦略では、都庁内の各局が協働の取組に積極的に参画していくことを求めています。

そこで、今回の「加速化方針」の策定にあわせ、新たに「ユーザーテストガイドライン」を作成し、都庁内各局に発出しました。

「テストしないものはリリースしない」を合言葉に、都庁内でサイトやアプリ、システムなどのデジタルサービスを開発する時は、ガイドラインに基づき、ユーザーテストを実践していきます。

図1

このほか、加速化方針では、オープンデータを活用した新たなサービスの創出のため、「都知事杯ハッカソン」(仮称)の年内開催や、「未来の東京」戦略に掲げる、都と民間企業との新たな協働スタイルの構築に向けて、「スタートアップ協働戦略」(仮称)の年度内策定を進めていくことを明記しています。


方針05:デジタル時代にふさわしい契約・会計制度へ

「シン・トセイ」戦略では、内部管理事務の抜本見直しのため、総務事務の集約や契約・支出事務の一連のプロセスのデジタル化を推進しています。

こうした見直しを効果的に進めていくためには、デジタル化などとあわせ、制度の見直しも必要です。

この間、改革を進める中、担当者アンケート等を通じ、多岐に渡る現場の声が寄せられるとともに、デジタルサービス開発における迅速・柔軟な対応の必要性が浮き彫りになりました。

これらの課題を解決へと導くため、構造改革推進チーム、財務局、会計管理局からなるワーキンググループを中心に、実施方針を年度内にとりまとめ、できるものから速やかに対応するなど、デジタル時代にふさわしい制度へと見直しを進めます。

図14


方針06:各局リーディング・プロジェクトを実践

「シン・トセイ」戦略では、各局事業のサービス提供のあり方や、仕事の進め方そのものの改革を進める先導役として、31の各局リーディング・プロジェクトを選定し、今年度着手したところです。

図19

各局がプロジェクトを推進する中で、改革の5つのキーワードを徹底して実践していきます。

その際、全庁横断で各局の進捗状況を共有し、その取組を後押ししていくため、「スマート東京」推進チームを中心に、#シン・トセイポータルサイトを最大限活用していくことで、他の行政サービスや業務改善へと波及させ、全庁で切磋琢磨しながら、都政のQOSの飛躍的向上につなげていきます。

図20


方針07:職員参加による改革ムーブメントを創出

改革の加速化のためには、これまで掲げてきた01~06の方針に基づき、各職場、職層、職責に応じた、職員一人ひとりの積極的な実践が重要です。

これに加えて、職員同士がコミュニケーションを重ね、各々の職場や職層を超えて幅広く改革の動きを共有し、知恵を出し合うことで、これら点と点の変化を面的に広げ、都庁全体の大きな改革ムーブメントにひろげていくために、コミュニケーションツールを充実させる必要があります。

そのため、#シン・トセイポータルやnoteの記事をリアルタイム発信するほか、構造改革関連の規程やガイドラインなどを集約し一元発信する「職員向けポータルサイト」をリリースし、職員同士で切磋琢磨して改革の今を知り、理解を深めていきます。

また、職員からデジタル環境に対する改善提案を受け付ける「デジタル提案箱」を、「いいねボタン」を設置するなどコミュニケーション機能を拡充した「デジタル提案箱+」へバージョンアップさせ、職員間で課題を共有し、議論を深めていきます。

図1


さらなる改革に向けて

都政の構造改革が始まって1年。

今回、この「シン・トセイ加速化方針」を作成し、改革の現在地をダッシュボードやアンケートを使用しながら振り返る過程で、各局の一人ひとりの職員の理解と協力のおかげで、かなりのスピードで改革が進んできていることが確認できました。

未来型オフィスのプロトタイプが稼働し、FAXレスはこの1年で▲94.8%まで進み、スタートアップとの協働、オープンデータの充実も進んでいます。コロナ禍を経て、2年前にはWi-Fiもなかった都庁の組織が大きく変わるさまを目の当たりにしています。

一方、さらに改革を進めていくために、これからやるべきことも明確になりました。オフィス改革の全庁展開、更なるペーパーレスの推進、行政手続の原則デジタル化、ユーザーテストの実践など、まだまだ登るべき山は高いと感じています。

今回の加速化方針を、都庁職員全員で常に意識し、「スピード」「オープン」「デザイン思考」「アジャイル」「見える化」の5つのキーワードを実践することで、すべての職員がいきいきと働けるよう、仕事の進め方や組織風土の変革につながっていくことを、担当者の一人として強く願っています。

図17

そして、みんなで力を合わせて、「新たな都政=シン・トセイ」を創り上げていくムーブメントにしていきたい、と決意を新たにしています。

都政の構造改革の目的は、都政のQOS(クオリティ・オブ・サービス)を飛躍的に向上させることです。そのことを意識しながら、まずは身近な職場で紙を使わないところから取り組んでいきたいと思います。

【ご意見募集】
#シン・トセイ 都政の構造改革に関するご意見・ご感想を、ポータルサイトのフォームより受け付けています。ぜひご意見をお寄せください!
【追記】「シン・トセイ加速化方針」のデジタルブックを公開しました。以下からぜひご覧ください。