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現場の努力にスポットライトを。「都庁DXアワード2023」開催

東京都では、デジタルを活用した庁内の優れた取組を表彰するイベント「都庁DXアワード」を開催しました。
今回は、2023年5月17日に実施されたイベント当日の様子をお届けするとともに、「都庁DXアワード」を受賞したDXの取組をご紹介します!

いよいよ始まります

「都庁DXアワード」とは?

東京都では、都政のQOS(サービスの質)を向上させるため、それぞれの都政現場において創意工夫を凝らし、DXによる生産性の向上や都民サービスの改善に取り組んでいます。
そこで、こうしたDXへの挑戦を都庁全体で後押しする組織文化を醸成するために、優れた実践を共有し、横展開する場を作りました。それが現場のDX実践にスポットライトを当てて表彰するイベント、「都庁DXアワード」です。

当日の様子:都内区市町村からもたくさんの方にご参加いただきました

2022年度のイベントの様子は、以下の記事をご覧ください。

「都庁DXアワード2023」開催!

今年度の都庁DXアワードでは、19局から全26件のエントリーがあり、昨年度13件のエントリーから倍増するなど、イベントとしての盛り上がりを感じました。
当日は、全26チームが工夫を凝らしたプレゼンを行い、その場で審査・講評が行われるなど、ライブ感あふれるイベントとなりました。また、お揃いのハッピやTシャツを着て参加するチームもおり、自分たちの取組・事業をPRする熱気が伝わってきました。

プレゼン中に各局のキャラクターも登場しました

結果として、サービス部門・業務改革部門でそれぞれ「知事賞」が1件ずつ「デジタル10か条賞」が5件選出されました。

知事賞:サービス部門・業務改革部門のエントリーの中からそれぞれ審査員の点数が最も高かった取組を表彰
デジタル10か条賞:都民のみなさまに品質の高いデジタルサービスを継続的に提供していくことを目的として2022年3月に制定した「デジタル10か条」の観点から優れた取組を表彰(今年度新設)

「デジタル10か条」については、以下の記事に策定の背景や担当者の思いをまとめています。ぜひこちらもご覧ください。

「デジタル10か条賞」を受賞した取組は!?

まず、デジタル10か条賞を受賞した5つの取組をご紹介します。

1 地下鉄構造物の維持管理システムの導入(交通局)

地下鉄の構造物検査の際、これまでは確認結果を紙に記入し、状態をデジカメで撮影していましたが、タブレット端末や専用アプリを活用することで、紙からパソコンに転記する作業負担の軽減や、オンラインでの迅速な情報共有を実現しました。先行する他の鉄道事業者のシステムを単に取り入れるだけでなく、入力方法の改善など独自にカスタマイズを行い、現場にフィットした形で導入しました。


2 東京都水道局アプリの導入~ユーザーの声に耳をすませて~(水道局)

これまでは水道の開始・中止の申込みは水道局HP、過去の使用水量の閲覧等は東京水道マイネットと、サービスが複数システムに分散していました。そこで、水道に関する基本的なサービスを集約したアプリを作成することで、ユーザーにとって使いやすい・分かりやすいサービスを実現しました。
また、リリース前に100名超にユーザーテストを実施したり、リリース後も半年間で3,700件の問合せに直接対応、100項目の改善を実施するなど、ユーザー視点を徹底したアプリとなっています。

水道局アプリについて、詳しくは以下の記事もぜひご覧ください。

3 受験手続WEBシステムの導入(人事委員会事務局)

職員採用試験について、これまでは申込みはWeb(スマホ・タブレット不可)、合否通知等は郵送でしたが、今後はすべてスマホ1つで完結できるようになります。スマホに慣れた若い世代や忙しい就活生にも優しいシステムとなるなど、「都庁職員の入口」でもDX化が進みました

4 都内中小企業の景況指標ダッシュボード(産業労働局)

都内中小企業の景気動向について、これまではPDFデータを公開していたため、データの活用ができないという課題がありました。そこで、スタートアップと協働し、景況指標を視覚的に分かりやすくダッシュボードとして公開することでデータ活用できるようにしました。このほかにも、クレジットカード決済データや人流データなどもダッシュボード化しています。

5 ウェアラブルカメラ等による遠隔現場確認(建設局)

災害や事故で東京都が管理している施設が損傷した場合など、職員による現場確認が必要となりますが、これまでは映像等の共有ができず、状況の把握と対応にタイムラグが発生していました。ウェアラブルカメラを活用して、現場・事務所・本庁をリアルタイムにつなぐことで、即時に的確な指示や判断ができるようになり、災害時の対応力向上や業務の効率化が期待されます。

宮坂副知事からトロフィーが授与されました

都庁DXアワード「知事賞」の取組は!?

いよいよ、2023年度都庁DXアワードにおいて、知事賞を受賞した取組をご紹介します。

(ジャカジャカジャカジャカ………………………………ジャン!)

【サービス部門】ShidoukensaDX~外部クラウドを活用した福祉施設等への指導検査のオールシステム化~(福祉保健局)

東京都では、保育園や老人ホームなどの福祉施設等でサービスが適切に提供されているか、施設に訪問して指導検査を行っています。その際、これまでは事業者・東京都ともに紙でのやりとりを前提とした業務を行っていましたが、クラウド上でファイルのやりとりや進捗管理が完結するシステムを5か月という短期間で構築しました。これにより、事業者・東京都ともに指導検査業務にかかる負担が減少し、事業者にとってはよりサービスの充実に注力できることが見込まれます。
担当者は「この取組を『東京モデル』として全国にアピールしていきたい」と語っており、東京都内だけでなく全国への展開も期待されます。

小池都知事からトロフィーが授与されました

【業務改革部門】デジタル技術活用による点検操作・経路案内・異常判別支援システム(下水道局)

下水道局のポンプ所において設備点検を行う際、紙のマニュアルでは機器の音・振動などの異常判別、点検操作方法のノウハウなどを伝えきれないという課題がありました。そこで、タブレット端末や基本アプリを活用し、動画付きのマニュアルを作成するとともに、それをQRコード(※)化して現場に掲示することで、経験の浅い職員でも不安なく点検作業を行うことが可能になりました。
また、今回のプロジェクトは職員のみで、かつコストゼロで取り組んだもので、現場の努力と創意工夫が結実した受賞となりました。
※QRコードは株式会社デンソーウエーブの登録商標です。

トロフィーの授与後、小池都知事からは「これからもDXは、日進月歩のイノベーションと現場の変わらないニーズをうまく組み合わせていくことが必要。都庁DXアワードをきっかけとして、行政のQOSを都民のQOLにつなげ、よりよい都政をみんなで作っていきましょう」との激励の言葉があり、大盛況の中で今年度の都庁DXアワードは幕を閉じました。

みなさんいい表情です

今後、その他の取組もご紹介予定です!

今回、DXアワードを受賞した取組は以上となりますが、この他にも都政の現場では様々なDXが進んでおり、ご紹介したい取組もまだまだあります。
宮坂副知事からも「受賞に至らなかった取組も、僕の中ではみんな優勝だと思います!」との発言も飛び出しました。
惜しくも受賞を逃した取組についても、近日中に第二弾として皆様にお届けしたいと思います。ぜひご期待ください!

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