ファイアーエムブレム封印の剣の好きなところ

ロイくんが無双するストーリー

ロイくんは若干15歳でありながら、ベルン王国がしかけた侵略戦争を無敗で平定する。これはロール・プレイング・ゲームとしてとても重要で、突如起こった不可解な侵攻を各地で止めながら、気持ちよくゲームを進めるための大事な要素となっている。

ストーリー的にも重要な部分であり、行く先々で裏切られながらも、ゼフィールとの戦いで人を信じると言い切った辺りは、周囲の環境や戦績だけでなく、内面も恵まれた英雄そのものである。

ロイくんの支援がすごい!

ロイくんは支援もすごい。リリーナ、シャニー、スー、ララム、ソフィーヤ、セシリアさんと女性6人を攻略できる。それぞれオスティア、イリア、サカ、エトルリア、ナバタと出身地もちらばっており、エレブ大陸を完全制覇した若き獅子は、諸国漫遊もしているわけである。鉄板の幼馴染枠、明るくて活発な子、不思議系自然児、お色気枠、薄幸美少女(成長率的な意味で)、年上枠とよりどりみどりだ。

かと思えば、ギネヴィアの「(ベルンに攻め入ることになっても)ベルンの民には手を出さないでください」という言葉を守り、支援ではベルン出身の女性にはノータッチである。

ここらへんが他のギャルゲーと封印の剣を比べた時に一線を画す所であり、全土に渡って女を漁り続けた男が見せる完璧な理性は、見ているこちらも背筋が伸びる思いである。

意外と知られていないガレットの哀しき過去……

ガレットの生い立ちは悲惨であり、賊に村を滅ぼされた復讐を8年かけて遂げるが、その後は仕事にありつけずに自分も賊に身を落とすこととなる。

キャスとの支援で「山賊だから嫌い」と直接言われると、言い訳はせず「俺も山賊は嫌いだ」とだけ返すあたりは本当に不憫である。

14章 理想郷

高難易度のマップとして有名だが、ストーリー的にも重要な意味がある。
人に裏切られ、大陸から人を滅ぼして竜に明け渡そうと考えていたゼフィールに対し、人と竜が暮らすナバタの隠れ里は、明確なアンチテーゼになっている。エンディングで砂漠が映るのは核心的な演出である。

21章の村

こちらも高難易度マップだが、ここには今さら騎士の勲章を貰える村がある。モノ自体は貴重だが対応自体はかなり冷淡で、自分がベルンを侵犯している侵略者だというのを改めて認識させられる。
ゲームも終盤になり、勇ましいテーマと共に敵国の陣地へ悠々と攻め入っている時に、こういう冷や水を浴びせられるような演出があるのも、ファイアーエムブレムの奥の深さである。

21章の店

この店では敵将のマードックに特効があるアーマーキラーも売っている。ソードマスターや勇者、パラディンに持たせて戦えば簡単に倒せるわけだが、自国の将軍を○すのに最適な武器を売っている辺りは、まさに武器商人という感じである。商売人にとっては常に、買ってくれる人が客であり、よく売れるなら好景気なのだ。

シンはやばいやつ

サカのクトラ族はベルンに攻め込まれて敗走し、多くは散り散りになった。
その中でもシンという青年は、族長の孫娘であるスーを探すために族長直々の命を受けるのだが、なぜかサカとは反対側の西方三島におり、しかも賊に雇われている。

世間知らずのフィルが騙されたのとは違って、シンは普通にスーを探して東のサカから西までさまよった上で、金が尽きて賊に身を落としたと考えられる。封印屈指の強キャラなのでまだいいものの、これで弱かったらウォルト・ノア・セシリアさん並みのネタキャラになっていたと思う。

王としてのエルフィン

エルフィンはクーデター派に毒を盛られ、なんとか一命をとりとめたところで、危険から逃れるために死んだふりをし、ダグラスの養女ララムと一緒に西方三島へと渡った。本来ならそこでずっとおとなしく潜伏するべきなのだが、圧政に苦しむ民を救うためにレジスタンスを結成し、戦うことにした辺りはまさに王の器である。

とりあえず今回はここまで

それにしても、ベルンは大陸全土にあらゆる根回しをし、各地で同時多発的なクーデターを起こし、一気にエレブ大陸のほとんどを実質的に掌握したわけだが、まさかリキアの小さな貴族の跡継ぎが、全戦全勝でひっくり返すとは思いもしなかったであろう。

何より好きなのがロイの最終決戦での言葉で
「ぼくは あきらめない!▼
あなたに『あわれ』を感じて助けようとした
『英雄』ハルトムートの思い▼
この剣とともに 受けついだのだから!▼」
は本当にアツイ。シンプルで熱いストーリーは何周しても感動できる王道の作りである。


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