kkk_golden_arm

noteを始めてみました。 宜しくお願いします。 吉田光太

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最近の記事

雀荘の履歴書

①群馬県前橋市「アンビシャス」 18歳~ 5年間   @mj_Ambitious 高校を卒業して初めて働いた雀荘。 ジャックナイフよりも尖っていた頃。 前橋で30年近い歴史を誇る老舗。 麻雀店は駅前やアーケード街に作るものという既成概念を覆して、産業通り沿いに15台分の駐車場を構えて開店。 車社会の群馬県に見事にマッチした。 今でも帰省の際は顔を出します。 ②渋谷ZIPANG   28歳~ 10ヶ月 期間限定で手伝った店だが、メンバーの顔触れがヤバかった。 木原

    • 新時代の怪物

      一年間のフリー雀荘での成績がコチラ。 東南戦、テンパイ連荘、順位ウマ1-2万点のオーソドックスなルールだ。 対局数 862 1着  266回 ( 30.9%) 2着  239回 ( 27.7%) 3着  183回 ( 21.2%) 4着  174回 ( 20.2%) <トップ率30%以上>、または<ラス率20%>が勝ち組の条件と言われている。 その双方をほぼ満たす素晴らしい着順だ。 天鳳プレイヤーであり、トップの価値が高いルールのプロ協会に在籍。 着順への意識が高

      • 竜の道 [ 幻影 第11話 ]

           もう、戻る事は出来ない……。  牌の道に生きるということは、再び全てを差し出すということだ。  今の生活も、役目も全て放棄しなければならない。  2年近く続けた勉強の成果を発揮する司法試験も3ヵ月後に控えている。  無論、試験は2年程度の勉強でどうにかなものではないが、大恩がある事務所の先生方の期待に応えたい。    こんな私にも人生を見守ってくれる家族が居る。  そして、今の私は独りではない。  麻雀を打っていた頃、精神的に未熟だった私は完璧を求めるあまり、

        • 理由 [ 幻影 第10話 ]

          街で勝ち続けていた私の前に姿を現した一匹の怪物……。  ある頃から私はこの男の存在に脅かされるようになって行った。  常に無表情で、微塵の揺れもないリズムで摸打を放つ男。  この男を御そうと私は炎のような攻撃と鉄壁の対応を続ける。  私の自摸和了で何度も突き崩そうと試みる。  持てる全ての力で奴を叩き潰した。  だが、奴は不死鳥のようにその何倍も自摸り返してくる。  無表情で、颯爽と馬鹿みたいに高い手を炸裂させる。  それは、枯れることを知らない無限の深さを

        雀荘の履歴書

          [ 幻影 第9話 ]

           私はこの歳になって初めて人生を知ったような気がした。  誰もが巡り合わせに恵まれる訳ではない。  ここまでやりたいと思える麻雀があるのは途轍もなく恵まれている事じゃないか。  そして、自分が才能を発揮してきた世界と掛け離れた社会で生活できるほど強い人間は居ない……。  別に牌の道を究めたいとか、名を残したいとかそんな立派な事じゃない。  ただ、ストリートで勝ちたかった。  意味なんて在りはしない。理由も、無い。    ただ、麻雀に関しては誰にも一歩も引きたくなかった

          [ 幻影 第9話 ]

          黄金の舞台 [ 幻影 第8話 ]

           真梨香との生活は私に大きな変化をもたらした。  笑顔や人格を捨て、極限まで隙を排除しようとしていた麻雀打ちの日常とは掛け離れた穏やかな日々。  蜜月のとき、とまでは行かないが私たちは充実した日々を送った。  互いに時間に余裕があった訳ではないので会えるのは週に2~3回だが、食事や遊びに行ったり、そして何よりも真梨香が私の部屋へよく顔を出してくれた。  19歳の大学一年生。様々な文化を吸収し、また最も遊びたい時期だろう。  だから私は彼女に社会勉強も遊びも目一杯好きなよ

          黄金の舞台 [ 幻影 第8話 ]

          深夜の攻防 [ 幻影 第7話 ]

           携帯の画面に見覚えの無いアドレスが流れている。  私は少し慌ててメールを開封した。 「さっきはビックリした……。髪の長い方、真梨香っていいます。ああいう事、よくするんですか?」  ワンピースの方の子だ。  私はそんなことはない、初めてだと言い訳めいた返信を返した。  何通か遣り取りをしている間に、彼女もまたポツリポツリと自分のことを書き始めた。   「こんなかたちで、人と知り合うこともあるんだね。こういのはちょっと、と普通に思っていたけれど」 「人との出

          深夜の攻防 [ 幻影 第7話 ]

          路上ナンパ2 [ 幻影 第6話 ]

          「もし良かったら、一緒に飲みに行かないか」    呆気にとられた表情で顔を見合わせる二人。  キャッチやスカウトには嫌というほど合っているだろう。 「何をしている人?」  金髪の娘が怪訝そうな表情で尋ねてくる。  ワンピースは内気な性格なのか金髪の子に隠れるようにして恥じらいでいる。  麻雀打ちだ、と応える資格は今の私にはない。在りのままのことを語った。 「何って、別に普通の仕事さ」  二人は一向に警戒の色を解かないが、すぐにでもこの場を立ち去りたいという様子でも

          路上ナンパ2 [ 幻影 第6話 ]

          路上ナンパ [ 幻影 第5話 ]

           麻雀に燃えることだけが私の青春だった。  しかし、今ここに居るのは空虚な日々を送る屍のような男だ。  私はたびたびレフティに電話を入れて共に酒を飲んだ。    高校時代の学友もたくさん東京に出てきている。しかし、麻雀好きに共通して言えることだが、麻雀で通じて居ない人間と喋るのは酷く億劫だった。  仕事のことや将来のこと。  たまに会っても近況報告を交わし合う程度で話題が終わってしまう。  何を話したら良いのか判らないし、麻雀をやらない人が何を考えているのかもよく判らな

          路上ナンパ [ 幻影 第5話 ]

          卓の中の小人 [ 幻影 第4話 ]

          卓の中に棲む小人が、いつだって手に汗を握る勝負を演出してくれる。 どんな脚本家にだって、こんなドラマを作ることは出来やしない。 lead to the next chapter…… *当物語はフィクションです

          卓の中の小人 [ 幻影 第4話 ]

          夢の跡  [ 幻影 第3話 ]

           毎朝決まった時間に起き、電車に乗って仕事へ行く。  仕事を終えた後は池袋にある司法試験の予備校に寄り、講義を受けるか自習をする。  ただそれだけの日々を三週間繰り返した。  それでも地元の駅に着くのは22時かそこらなので、まだ若い私には体力的に全く問題ない。  駅を降り、踏切を過ぎた角地にある「リーチ君」という雀荘の看板が毎日目に留まる。  お1人様でも遊べます、か……。  私は毎日決まってその場所で苦笑いをしていた。      麻雀は二度とやらない。仕事は必ず続ける

          夢の跡  [ 幻影 第3話 ]

          [ 空洞  第2話 ]

           私はずっと、“麻雀のない日常”に憧れを抱いていた。  毎日毎日、戦績や金のために独りで戦い続けるだけの日々だった。  鬼のような気合でやらねばならないときもあるし、人に言えないような目にも遭った。  朝起きて仕事をして、給料を貰う。  仕事上がりにビールを飲み、休みの日は趣味を持ったり恋をしたって良い。  卓上で神経をすり減らすことはなく、好きな相手を傷つける必要も無い。  何よりも、毎日3食とって毎晩眠ることが出来るのだ。    無論、仕事や勤めで大変なことはあるだ

          [ 空洞  第2話 ]

          上京物語 [ 幻影 第1話 ]

           池袋から私鉄で3駅ほど行った小さな学生街。  商店街を途中で抜け、5分ほど歩いたところに私は安アパートを借りた。  初めての1人暮らしは事前の予想よりも買い出しなどの作業に追われた。  麻雀を止めると決めた一年間で貯めた金は50万円。しかし、新居と引越しの費用で大半が溶けてしまった。  50円や100円の麻雀でしこしこ貯めた金だ。  通帳の残額を確認しながら、金を下ろし、百貨店や量販店を回って部屋に必要なものを揃える。  それまで車社会で生活を送っていた私にとって

          上京物語 [ 幻影 第1話 ]

          一人ぼっちの引退試合 [ jokerの男 第12話 ]

           麻雀を止めると決めた日が3月。  私は来春から都内の法律事務所に勤める事を決めた。  運よく、永田町にある一流の法律事務所に就職が決まった。  年の瀬になると準備や手続きで慌しい日々を送る事となった。  しかし、上京をする資金として50~60万は用意しなければならない。  アルバイトの時給が1000円にも満たない環境で月に300時間働く。  学費や貯蓄、車にかかる費用や家に入れる金で好きに使える金は5000円もない。  だが、麻雀があれば事足りる。  以前にも増し

          一人ぼっちの引退試合 [ jokerの男 第12話 ]

          青い春 [ jokerの男 第11話 ]

           歳をとり、幸せや安らぎを求めるようになっても今より濃く想い、強く在るだろうか。  その覚悟が出来ないのであれば、私も麻雀を生業とするのをもう止めよう。  強くて良い打ち手とたくさん出会った。常に自分が勝てるだろうかという強迫観念に駆られながら戦ってきた。  それでも私の神通力が失せることは無く、ずっと勝ち続けた。  だから麻雀に対して敬虔である必要があったし、これから先、中途半端な思いで気が向いたときに牌を握るのはそういう相手に失礼だと思った。  そして、何よりも現役で

          青い春 [ jokerの男 第11話 ]

          現役の打ち手 [ jokerの男 第10話 ]

           私はそれからずっと現役と、引退した打ち手の差というものを意識するようになった。  別にレートの高低の問題じゃない。  要はこれで生活を成り立たせ、牌に殉じるような思いでやっているかどうかだろう。  だが、私は一体いつまで現役でいられるのだろう……。  そんな風に考え始めるようになった。  社会のことも世間も何一つ知らない。  この道を選んだときから卓上で戦うことだけを繰り返してきた。  不眠不休で戦い、緊張と重圧で毎日吐き、心も身体もボロボロだった。  それでも世間

          現役の打ち手 [ jokerの男 第10話 ]