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知識の断捨離できていますか?


知識は多ければ、多いほど良いのか?


いくら多いことを学んでも、私たちには無限と言えるほどの未知が残っています。


今回の記事を読んでほしい人

・知識だけが多くなって日常生活に生かすことができていない人

・自分の必要な知識は何なのかがわからない人


万有引力の法則を発見したニュートンはこのように言っています。


「世間ではわたくしのことをどう思っているのか、知らないが、自分では、自分のことを浜辺で遊んでいる子供みたいだと思っている。時々珍しい小石や貝を見つけて喜んでいるが、向こうには全く未知の真理の大海が横たわっているのだ。」


ニュートンの言葉を借りると、この真理の大海を調べつくすことは難しいかもしれないが、知識は多ければ多いほど良いことははっきりしている。


人は、昔から知識不足に悩まされ、ひたすら知識を頭に叩き込もうと必死でした。


そればかりに気を取られてしまい、頭の中に入っている知識をどのように使うか、どうするかまではあまり考えなかったのです。物知りの人ほど知識を保有しているだけ、ということが少なくありません。


昔の人はこんな言葉を残しています。


「知識ぞれ自体が力である。」(ベーコン)


しかし、現代においては知識をただ所有しているだけではあまり大きな意味を持たないのです。知識自体ではなく、組織された知識でないとものを生み出すことができないからです。


収穫逓減の法則というものを聞いたことがありますか?


一定の土地で農作物を作るとき、それに投じられる資本と労力の増加につれて生産高は上がっていくが、ある限界に達すると、今度は生産が伸びなくなっていく現象を示す法則です。


これに似たことが知識を習得するうえで起きているのです。


初めは勉強すれば勉強するほど、知識の能率が上がるが、かなり精通してくると壁に当たります。もう新しく学ぶべきことがなくなっていくのです。


何よりも、最初に持っていた好奇心という大切な原動力を失っていくのです。


二十年、三十年と、一つのことに打ち込んでいる人が、その割に目覚ましい成果を上げないことがありますが、収穫逓減の法則が作用しているときなのです。


知識が飽和状態に達してしまったら、逆に今度は削り落とす、改めなおすことが必要なのです。


具体的な例でいうと、マラソンレースです。前半は、スタート地点から遠くへ行けばよいのですが、後半は、逆にスタート地点へ向かって走ることになります。スタートのところにゴールがあるのです。


折り返し地点を回らないで、そのまま走り続ければ、一生ゴールは見えてこない。マラソンなら簡単に分かるが、知的マラソンになると、これがわからない人は少なくないのです。


このようなことにならないように、知識の整理が必要なのです。家庭でごみが増えたら当然捨てるでしょう。捨てなければ、家がごみであふれかえり、ごみ屋敷になりかねないからです。


知識も同様にどのように捨てるかが大事なのです。知識の習得の方法は多くの方法を学びました。ノートを使ったり、カードを作ったり、音読をしたりなどの方法です。


しかし、学校ではいっぱいになった頭の中を整理する方法を教えてはくれません。


忘却という作業が、知識を習得する行為と同様に大切なことであることを知らないのです。これは困ります。


こうならないためにも捨てる作業には時間をかけることです。じっくり時間をかけて検討することが必要なのです。


整理というものは、その人の持っている関心、興味、価値観によって、ふるいにかける作業なのです。価値の物差しがはっきりしないで整理をすれば、大切なものを捨てることになり、どうでもいいものを残す可能性があるのです。


捨てる作業には、その人の個性による知識の再吟味が必要です。本をたくさん読んだからと言って、知識は増えたが、ただ、それだけ、という人間ができるのは、自分の責任において、本当に面白いものと、一時の興味でしかなかったものとの区別をする作業を惜しんでいるからです。


このような事態になる前に、在庫の知識を再点検して、少しずつ慎重に、臨時的なものを捨てる作業をする。そして、残った知識こそが、あなたの本当の力になるというわけです。


この具体的な法補として、蔵書や本棚の処理なのです。必要なかった本をそのまま置いておくことは場所を取るし、必要ないのです。


本当にあなたに必要な本だけを手元に残すようにすることがとても大切なのです。量が多いことだけに満足してはならないのです。


知識を知っているか、知らないかは大きな差があります。しかし、知識を使うか、使わないかの問題はもっと重要な問題です。


私自身が知っている知識などは微々たるものです。まだまだ勉強しなくてはいけません。取り入れた情報を外部に出力することも怠ってはいけません。


ですから、このように今日も良いと思った知識を外部に放出することで内部の知識を整理することができています。


普段の生活から自分が本当に必要としている知識についてじっくりと考えないといけないのですね。


今回の記事は以上になります。ありがとうございました。


( 引用: 思考の整理学 外山滋比古 著 )







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