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行動経済学を学んで、Webサイト利用時の『先延ばし』問題について考えた。

そもそも人間は先延ばしする生き物

先延ばし問題』とは何か。今更説明する必要もないと思いますが、皆さんも以下のような経験があると思います。

・夏休みの宿題を8月31日までやらない。
・原稿は締切日近くになってから焦って書き始める。
・集合予定時間ギリギリに家を出発する。
・ダイエットしようと思っているけど、目の前のチョコレートが美味しそうだから明日からにする

計画的にやっていれば何も問題ないのに、なぜか先延ばしにしてしまう。しかも全く悪気がないからタチが悪い。

こちらにあげたのは結構あるあるな感じもしますよね。あるあるになっているということは、人間は先延ばしをする生き物のようです。

先延ばし問題については、『予想通りに不合理』の第7章『先延ばし問題と自制心』に詳しく書いています。



こんにちは。賀川と申します。長野県松本市のWeb制作会社Res(レス)にて、Webサイトの受託開発を行なっております。サイトの情報設計(IA)が得意です。

最近行動経済学を学んでおります。

ぼちぼちインプットが溜まってきたので、「これをWeb制作に活かせないかな?」と思いnoteにまとめることにしました。今回は『先延ばし問題をWebサイト利用者に当てはめて考える』ということで書いてみます。


Webサイトにおける先延ばしとは

Webにおける先延ばしとは何かなと考えてみたのですが、下記があげられるかなと思います。

・旅行サイト:出張先のホテルの予約をしなくてはいけないけど、まだ空きがあるから後回しにする。
・ECサイト:欲しい商品があるけどとりあえず良いかな、と思って買わずに離脱。
・有料登録サイト:有料なのでユーザ登録をしぶってしまう
・メルマガ申し込みフォーム:登録が面倒
・資料請求フォーム:上に同じ
・webサービスへのユーザ登録:上に同じ

などなど...ですかね。

Webサイト運営側からすると、当然後回しにはせずに「今、この瞬間!」に買ったり申し込みしたりしてほしいわけです。

ということで、次にこのWebサイトにおける先延ばし問題の対策を考えていこうと思います。


対策1:「今買わないと無くなっちゃうよ!」と訴える

予約サイトは
この宿は昨日5人に予約されました。
とか
10人がこの宿を見ています
のようなメッセージを表示させているサイトがあります。

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じゃらんより)

こうすることで「あれ、今予約しないと埋まってしまうんじゃないか。。」と焦り、そのまま予約へと進んでしまいます。

また、じゃらんは残りの部屋数を表示させることにより、ますます早く買わなきゃという気持ちにさせますね。

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余談こちらのような記事もありますので、その数字が正しいかどうかを正確に把握する必要はありますが、それはまた別のお話。


対策2:タイムセールで訴求する

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ZOZOTOWNより)

日時を決めて、その日までに買わないと損しちゃいますよ、と訴求する方法ですね。「やばい、早く買わなきゃ!」という気持ちになります。一種の「締切効果」何ですかね、これも。


対策3:時間限定クーポンを配布する

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minneよりキャプチャ)

上の2と同じような感じですが、時間限定でクーポンを配布して購買意欲をかき立ててます。


対策4:とりあえずフリーミアムで登録させる

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(Spotifyよりキャプチャ)

有料のWebサービスはいきなりユーザ登録するのに抵抗があります。例えば月額1000円のサービスがあるとして、登録するときに

・本当に月1000円の価値があるのかしら?
・解約手続きが面倒だったらヤダな
・クレジット登録とか面倒

などなど、登録しない(したくない)理由がポンポン浮かんできます。

そういった中で、フリーミアム(一部機能無料で使える)を実施することで上記理由がなくなり、ユーザが登録しやすい仕組みになっています。


対策5:おトクな特典をつける

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(AEON de WINEより)

メルマガの登録やサイトのユーザ登録などは先延ばしの際たるもので、面倒なので後回しにしがちですが、お得な特典がついていると登録してみようかしら、という気持ちになります。

↑のAEON de WINEの場合、特典に加えて締切効果(月末まで!)もあるのでダブルで気持ちが動きます。



まとめ

ということで行動経済学の『先延ばし問題』をWebサイト利用者で考えてみました。対策としては下記5つをあげました。

対策1:「今買わないと無くなっちゃうよ!」と訴える
対策2:タイムセールで訴求する
対策3:時間限定クーポンを配布する
対策4:とりあえずフリーミアムで登録させる
対策5:おトクな特典をつける

他にも色々知りたいので、ウチはこんな施策しているよ、とかあったら教えてください。また、この記事に対するご質問やご指摘はコメントかtwitterでいただけると嬉しいです。

行動経済学を学んでいると、Web政策でもそうですが、普段の生活の中で活かせることがたくさんあるのでかなりお得な気分になります。よければ一緒に勉強しましょう。


参考にした本

行動経済学を学ぶ上で参考にしている本です

第7章の「先延ばし問題と自制心」を参考にしました。


おまけ

今回初めてアルのコマ投稿利用してみたのですがめちゃくちゃ楽しですね、これ。実際にやってみると楽しさわかると思うので、是非やってみてください。


読んでいただきありがとうございます。