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雑多な記録です.

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地球を聴く 3.11後をめぐる対話

1 人類はまだ幼年期 人類が未熟すぎるゆえの破壊 季節外れに咲く花より、季節通りに咲く花に驚き、当たり前に起ることの奇跡さを知る 酸素に満ちた地球も、UVカット層も、全て無機物だった丸い球と長い時間をかけて発生してきた生物との共同作業である。今よく言われるなんとか今の地球を維持しようというサスティナブルの思想は、ネガティブで消極的であり、地球や生命に対して失礼なのではないか。様々な生命系のクリエイティブな改造作業の結果である。変化を恐れない思想。 車より自転車、とい

    • ホモ・デウス 下

      第7章 人間至上主義という宗教は、人間性を崇拝しキリスト教とイスラム教で神が、仏教と道教で自然の摂理がそれぞれ演じた役割を人間性が果たすものと考える。人間は内なる経験から自分の人生の意味だけではなく森羅万象の意味も引き出さなければならない。意味のない世界に意味を生み出す。 中世の学者の間で信じられた古代ギリシアの理論では、芸術は、人間の芸術家の天分ではなく神聖な霊感に帰せられていた。 対し、人間至上主義者たちは、芸術的創造と美的価値の唯一の源泉は人間の感情だと信じている

      • ホモ・デウス 上

        第1章 飢饉と疫病と戦争は、生物テクノロジー、情報テクノロジーによってどう変わるか 生物学的貧困は昔、政治的貧困が今 食べずに死ぬ人よりも食べ過ぎて死ぬ人の増加 ジャングルの法則とチェーホフの法則を破る私たち→使用されない核爆弾やミサイルによって平和が保たれ、暮らすことに慣れている 前例のない水準の繁栄と健康と平和を確保した人間は次に不死と幸福と神性を求める可能性が高い。ホモ・サピエンスからホモ・デウスへ。 現代の科学と文化は、生と死を違う形で捉える。21世紀には人

        • 新版 動的平衡2 生命は自由になれるのか

          福岡伸一さんの著書です イントロ ・生命をミクロなものの集合として見るか、現象として捉えるか 流れこそが生命の隠喩なのである 「環世界」という考え  第1章 ・生命の定義 自己複製するもの 生命の唯一の目的は、子孫を残すことであり、個体は遺伝子の乗り物にすぎない。しかし、この世界に展開する動物の色、形はその唯一無二の目標に向けてデザインされたものなのか。 パレートの法則 ホモ・ルーデンス  ・目的性や指向性を持たない遺伝子の変異が進化の原動力となるダーウィニズムに

        地球を聴く 3.11後をめぐる対話

          宇宙樹

          竹村真一さんの著書です。 第1章 採らない技術、植物と環境と天体 ・植物は、大きな環境という全体の中の部分として振動している。その時と場所での天空のポリフォニー(融合していない自立した複数の声や意識が織りなす対話的関係によって、高度な統一を実現していく構造をもつこと)を写実し、記憶している。このような交響性を具体的なリアリティとして生きるようなワークスタイルが、伝統医学や林業、建築の世界には継承されていた。 ・ある色をまとうことは単なる装飾ではなく、むしろ内面の「調律

          宇宙樹

          新版 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

          福岡伸一さんの著書です イントロ 大学教員よりベンチャー、ノーベル賞より億万長者 第1章 記憶について、アンガー博士によるネズミの実験から得たスコトフォビンについて ・すべての生体分子はつねに「合成」「分解」「更新」の対象となる流れで構成されているのに、なぜ分子に保存されると仮定される「記憶」は存在するのか→ビデオテープのような存在はなく、一時点での平衡状態であるしかない ・人間の記憶とは、ビデオテープのように古い順にならんでいるのではなく、「想起した瞬間に作り出

          新版 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか