『あへあほ体操で作りたい世界』について思うこと

先日、しものさんが投稿したこちらの記事に対する、私なりの思いを書きます。

内容がブレるといけないので、先に私が言いたい結論を書いておきます。
『優しく、ワクワクする世界は、これからの時代をより生きやすくするための、ひとつの目印だと思います。』

あくまで『私が』、なぜそう思うのかを書いているだけなので、この内容がたった1つの正解ではありません。たくさんある考え方のひとつ、として読んで下さい。

心の優しさとは

しものさんと接していると、いつも感じるのですが、純粋に心の優しい人だなぁと思います。しものさんが誰かの事を悪く言っているのを聞いたことがありません。

普通の人であれば、表には出さないというだけで、内心では他人に対して悪く思う感情はどこかで湧いてしまうものです。それを口に出さないだけ。
でも、しものさんの場合は、そもそも、人を悪く思うことが圧倒的に少ないのだと思います。そもそも悪く思ってない。嫌に感じてない。

これは、誰にでもできることじゃありません。ならぜなら、テクニックではないから。どんなに人の事を悪く思わないようにしようと心に誓ったところで、『感じる』ということをコントロールはできません。どれだけ意思の力で不快に感じないように誓っても、感じてしまうものは感じてしまうものです。

なぜそんな考え方ができるのか、私なりに考えたのですが、おそらく、しものさんは根っからのプラス思考だからだと思います。

プラス思考だから、と、言葉で言うと簡単ですが、しものさんクラスのプラス思考は、日本人の中では結構珍しいと思います。「プラス思考の面も持っている人」はそれなりにいますが、私が今まで会った人で『根っからのプラス思考の人』は、しものさんたった一人しかいません(私がサラリーマンだったというのもあるかもしれませんが)。

日本人はマイナス思考

日本人は、基本、マイナス思考です。日本の教育がそういう教育なので。

例えば、「理想を目指す」というのが分かりやすいかと思います。「理想の上司」「理想の母親」「理想の関係」などなど。
欠点がなく、完璧で理想的なゴール(あるべき姿)を先に作り出して、そこへなるべく近づけるように精進していこうという考え方です。そうする事によって、完璧にはなれないまでも、より良い姿へ近づいていけることになります。

でも、この方法に執着してしまうと、どうしても「欠点をなくする」という事に重きをおいて行動することになります。

理想的な姿になるためには、欠点があってはいけません。どんなに良い所があっても、欠点が散見する限りは理想になれないからです。
その結果、何が起こるかというと、『自分のダメな所、他人のダメな所』ばかりに注目して、それを修正しようとしてしまいます。

日本人のスポーツ選手は、試合に負けると、自分の足りなかったところを反省して、精進が足りなかったと言います。
会社の新人研修では、社会のマナーを教える際、こうあるべき、これをやってはいけない、と、マイナス要素をなくする事を教え込みます。

マイナス思考の致命的な副作用

マイナス要素をできるだけなくする事は、確かに人を成長させたり、スキルを高めたりする面があるのですが、致命的な副作用があります。それは、

マイナス要素に着目すればするほど、マイナスの感情に支配されやすくなる。

人のダメな所、できていない所に着目するわけですから、その結果、そこについて感じることも「あいつはダメだ」とか、「こんなこともできないのか」とか、人を否定する感情を持ってしまいます。

私自身、こういうマインドに支配されて、イライラするし、どんどんストレスが溜まっていきました。
礼儀や一般常識をきちんとしようとすればするほど、それをやってない人や、できてない人が許せなくなります。

あと、例えば、「朝は元気よく挨拶をしよう」という風習がありますが、これをやらない人が会社にいた場合、その人は上司から怒られます。挨拶くらいちゃんとしろ、と。次の日に小さい声で挨拶をしたら、今度は声が小さいと怒られます。
3日目にようやく無理して元気に挨拶をしたとしましょう。その日は、ちゃんとできるじゃないかと声をかけられるかもれません。でも、次の日からずっと元気に挨拶し続けても、褒められることはありません。そして、1日でも挨拶をしない日があったら、また怒られます。

マイナス要素に着目すると、ちゃんとやらない場合はそれを怒る。ちゃんとやっても怒らなくなるだけで、褒めない。(ちゃんとやって当たり前だから)

もちろん、人の良い所も見ないとダメだ!という事は、ずっと昔から言われ続けてきているし、ほとんどの人は「言葉では」この事を分かっていると思います。
でも、マイナス思考の人は、マイナス要素に重きをおいて着眼するのが自然なので、プラス面を見るというのは結構大変な作業なのです。
実際、日本人は、人を褒めるのが苦手が民族で、人を褒めようとしても、言葉が出てこなかったり、なんか恥ずかしかったり、なかなかできないのが日本人だと思います。

プラス思考の振る舞い

では、しものさんのように、根っからのプラス思考の人はどうかというと、着眼点が常にプラス側に向いています。例えば、

朝、挨拶をしない人がいた場合
 マイナス思考 → あいつは挨拶もできないのか。挨拶しても無視された…。等
 プラス思考 → 挨拶は苦手な人なんだな。

マイナス思考の人は、理想や一般常識を重視して、みんな同じ考えになる事を求めるので、自分(又は、自分が思う理想)と違う振る舞い、考え方に対して、否定的に捉えます。

プラス思考の人は、理想や一般常識には一切とらわれず、『その人の持ってる良い所』、『その人が大事にしている思い』を何より尊重するので(プラス面に着目する)、その人が苦手な事を無理矢理やらせたりしないし、そこを悪く思いません(自分が持っている正義を他人に押し付けない)。

この、『自分と考え方が違う人に対する接し方』は、これからの時代、とてもとても重要な要素だと私は思っています。

自分と違う考えを持つ人に対して
マイナス思考 → 同じに変えようとする。又は、排除しようとする。
プラス思考 → 自分と他人が違うのは当たり前。うまく共存していく。

多様性の時代

上記のことが、なぜ重要と考えるかというと、今は多様性の時代だからです。

インターネットが普及する前は、村社会で、人間関係といえば、実際に会って話ができる範囲内での交流でしかなく、狭い世界でした。その狭い輪の中においては、付き合う人を選ぶにも、そもそも人数が少ないので、あまり気が合わない人でも仲良くしないとやっていけませんでした。そして人数が少ないからこそ、みんなの考え方をなるべく同じに統一しようとする方法も、できないことはなかったし、うまく回っていたと思います。

でも今は、これだけインターネットが普及して、日本中、世界中の人と交流できる環境が整っています。近くの人と気が合わなくても、ネットで気が合う人を探せます。日本が合わなければ、海外の人との交流もできます。

つまり、今のネット社会では、礼儀や一般常識の特徴である『みんなでなるべく同じ考えになろう』という事自体が難しいし、そこにこだわる必要はありません。

それよりも、『自分と違う考え方を排除せずに、受け入れて共存する』ことの方が、今の世の中を楽しむにはずっと適していると私は思っています。

そうは言っても、人は簡単には変われない

でも、問題があります。人は簡単には変われません。今現在、マイナス思考の人が、今日からプラス思考になることはできません。

ある心理学の本によると、人の性格や考え方を変えようとした時にかかる時間は『その人が生きてきた時間の約半分が必要』とされています。40歳なら20年、60歳なら30年かかります。

でも、私はそれでも、変わっていった方が良いと考えています。

20年かかるとしても、20年間なにも変化がないわけではありません。私は、自分の性格を変えようと決めてから10年ほど経ちますが、10年前に比べると、随分とストレスも減り、楽なったと感じます。まだまだ変化の過程でしかないのですが、前に進んでいる手応えはしっかり感じてます。

でも、じゃあ、具体的にどうやって変わればいいのかという話ですが。

これを読んでいる皆様にとって一番お手軽なのは、

しものさんと、たくさん接していくこと

です。
人の性格や考え方というのは、自分自身でどれだけ変わろうと決意しても、それだけで変わることはできません。本を読んでも、セミナーに行っても自分の気持ちだけでは無理です(経験談)。
では、人がどうやって変わるかと言うと、周りにいる人の影響を受けて、少しずつ少しずつ変わるしかないと私は思ってます。

私は今まで考え方や心理学の本をたくさん読んできましたが、知識は身についても、本当の意味で理解はできていませんでした。でも、しものさんと間近で接することで、「こういう時はこういう考え方をするんだ」とか、ちょっとした言動や振る舞いを積み重ねて見て、聞いているうちに、はじめて本の内容が腹の底に落ちた感じがしました。

本当の意味で、ワクワク、優しい世界へ

しものさんが目指している、ワクワクで優しい世界は、私が将来こうありたいなぁと思い描いている世界でもありました。

人を否定せず、良い所を心から尊重できる世界。そして何より、自分自身がワクワクして楽しんでいる世界。しものさん自身がそういう人柄なので、そこに参加しているだけでも幸せな気持ちになれるのかもしれませんが、どうせなら。

私自身も、人を否定しないプラス思考の考え方を持って、その世界にいられたらなぁと思っています(まだ全然できていませんが)。

そして、これを読んでいる皆様も。
もしも、マイナス思考特有のイライラや落ち込みに悩んでいる人がいたとすれば。

しものさんの何気な〜い普段の振る舞いを通じて、プラス思考のマインドを少しずつ感じていくと良いのではないかなぁと思ってもいます。

※ ちなみに、しものさん自身はただ普通に振る舞っているだけので、何かを解説したり、直接言葉で教えてくれたりはしません。あくまで、自分自身の肌で感じとっていくものです。

最後に

冒頭でも書いた、私がこの文章で伝えたいこと。
『優しく、ワクワクする世界は、これからの時代をより生きやすくするための、ひとつの目印だと思います。』

日本人は、私も含めてマイナス思考の人が多いので、「優しく、ワクワクする世界」のように、純粋に心から他人を尊敬できて、かつ自分も楽しい世界には、自力で辿り着きにくいと思います。
だからこそ、根っからのプラス思考であるしものさんのような人が作る世界に入ることで、そこを体験することができるし、更には、プラス思考の影響を受けて、そのマインドを自分に少しずつ取り込むことができるかもしれません。

あくまで私個人の思いではありますが。

今までの日本は『集団』に重きをおいて『個人』は後回しにしてきました。今まではそれで良かったのですが、今は多様性の時代なので、もっと『個人』を尊重していった方が幸せになれると私は感じています。

もちろん、マイナス要素に着目する考え方が悪いわけではないので、その考え方のまま変わらずにいるのも1つの選択です。全然間違いではありません(変わるためにはパワーが必要ですし)。
ただ、そういう選択をした場合であっても、今回書いたような「プラス思考とマイナス思考の違い」については分かっていたほうが、考えの幅が広がると思います。

とても長くなりましたが、以上です。

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