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The DtoC Brand Explorers:LOGBOOK #004 「IWATETSU TEKKI 岩鉄鉄器」

みなさんこんにちわ。こんばんわ、おはようございます。河野です。
さてさて第4回はおうちの中に戻って、キッチン雑貨のDtoCを取り上げてみたいと思いますよ!

ステイホームが長くなって、自分の生活で一番変わったのは「料理」をめっちゃするようになったこと。
なぜか魚を捌くことと、肉を焼くことは得意だけれども、料理を作るとなると全然ダメ・・・という自分がこの一年で最もレベルアップしたのが料理!
(した、と思っているだけの可能性もある)
でも根本が「ガジェット」に頼りたい人なので、料理もいろいろなメカやら調理家電やらに手を出しがち・・・と、そんな中で真逆の「ザ・ハードウェア調理器具」のDtoC的な愚直さに痺れたので、ここでご紹介したいと思います!

みなさん、「ダクタイル」ってご存知ですか??

[ダクタイル鋳鉄 - Wikipedia]

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%AB%E9%8B%B3%E9%89%84

[鋳鉄の基礎知識|ねずみ鋳鉄・ダクタイル鋳鉄について]

ねずみ鋳鉄の最大の弱点のもろさは析出した黒鉛に応力が集中することに原因があるのですが、ダクタイル鋳鉄は黒鉛(グラファイト)を球状化させることでこのもろさを解決した鋳鉄です。

なんだかカッコいいですね・・・個人的にはこういうスペック系の話は痺れるので読んでて楽しいです笑

今回紹介するのはこの「ダクタイル」という素材を使って作られた鉄器のブランドさんです!

で。。。
この商品の特性とか物性、使い心地の良さとかの話は、他の記事やサイト上でもたくさん語られているので↓ 今日は敢えてそこは語らず・・・

この岩鉄鉄器さんが、なぜDtoCらしいのか?
という点について、お話ししたいと思います。

ダクタイルパンが生まれた経緯

岩手というと鉄器で有名です。 南部鉄器など、皆さんもきっと聞いたことがあるのではないでしょうか。


鉄というのは実は扱いが難しく、職人技がとても重要だそうです。岩手ではその職人さんたちが多く活躍されていて、大正時代には「南部鋳金研究所」が作られ、人材育成も行われ、名声が高まりました。
しかし 第二次大戦中は戦時体制により「 銑鉄物製造制限規則」が施行され、軍需関連品以外の製造が禁止。
南部地域では150人いたといわれる職人のうち、わずか16人しか鋳物の鋳造を続けられなくなってしまったのです。更に終戦後はアルミニウム製品に押され需要は減り、南部鉄器は衰退していきます。
(この辺りは僕が勝手に調べて語っているだけなので、間違っていたらツッコミお願いします!)

しかし、その流れに対抗するように、大きく二つのムーブメントが起きます。
一つは、忘れ去られてしまった南部鉄器の魅力を、あらためて再発見し、その技術、歴史を元に「現在の文化に合わせた」製造手法を編み出す動き。「アドバンスド伝統工芸」ともいうべき手法であらたなる「南部鉄器」を作る活動。
その活動を体現されているブランドさんが、タヤマスタジオさん

もう一つは、積み上げてきた歴史や技術をすべて「“鉄”の遺伝子」とし、あえて南部鉄器と言われる枠組みを超え、「新時代の鉄器」として生み出すことで、岩手の鉄器や南部鉄器が再度注目される機運を生み出そうとする運動。この運動の旗手こそが「岩鉄鉄器」さんだと個人的には思っています。

で、何がいいたいかというと、この岩鉄鉄器さん。サイトもそうなんですが、あらゆるところに「新時代の鉄器」を生み出したいという思いが溢れています。

サイトから引用
「縄文時代後期から青銅器や鉄器が出てきたわけですが、これほど技術が進化し発展してきても、鉄器はやっぱりずっと“重い”まま、“割れやすい”ままなんです。“錆びやすい”というイメージも変わっていませんよね。それを革新するのは、製鉄と鋳造にずっと携わってきた私たちがやらなければならない。薄くて軽い鉄を造ろう。割れにくい、錆びない鉄を造ろう。末永く快適に使える鉄器を造ろう。それを実現することで、さらにみなさんの暮らしを豊かにするお手伝いができれば、もう一度、鉄の良さが世の中のみなさんに認めてもらえる、評価してもらえるのではないか……。そう思いました

DtoCというムーブメントで大事なことは「顧客を理解するために自ら顧客に歩み寄っていく」こと。
理解する、というのことは、表面的な部分だけではなし得ません。理解するために、淡々と、粛々と、様々なコミュニケーションを取る必要があります。
岩鉄鉄器さんがDtoCっぽいなぁ・・・と思う大きな要素はこの「顧客を理解したい、そして困っている点を解決したい」という強いメッセージです。
このコミュニケーション、言うのは簡単です。しかし、行動に移さなければ意味はありません。
そして、それを解決するのが「自社のプロダクト」でありたい、という愚直なまでの思いの強さが重要です。
そこではじめてこの商品へのこだわりが効いてきます。
日本の場合、プロダクトアウトだからダメだ、という文脈の話がよくあります。しかし僕的にはそれは決して悪いことではなく、むしろプロダクトに対する愚直なまでのクオリティの追求は日本ならではの誇るべきものだと考えています。一方で「それだけになってはダメ」だということも同時に言えることだと思います。マーケットインとプロダクトアウト。双方を行き来する感覚こそ、DtoCに求められる「センス」とも言えます。

ダクタイルパンは、鉄器としてはめちゃくちゃ軽いです。はじめて持った時衝撃的でした。ただ、その製造の難しさ自体はとんでもなく大変なことは素人目にもわかります。
多くの世の中に存在していないものというのは大体が「費用対効果」が合わないものだったりします。なので、そう簡単に「いままでにないもの」や「圧倒的に差別化されたもの」を作るのは相当に難しかったりします。しかし、顧客のペインに対して、真摯に向き合い、そこに対して挑戦し続ける。
マーケットインとプロダクトアウト。双方を行き来する。

これはDtoCのプロダクトに限らず、やり切るのはなかなか大変だと思います。

岩鉄鉄器さんは元々は製鉄というBtoB企業であり、DtoC的な動きをするには社内外含め、とても大変なことだったと思います。
しかし、それを乗り越え、実際のアクションを実現し、商品に反映していることは、同じような課題にぶつかっているBtoB企業に対しても勇気を与えてくれるものです。

そして、岩手の魅力をもっと伝えたい、鉄器の魅力を伝えたい。そんな想いを元に愚直にブランドを育てられている姿勢もまた、DtoC企業においても、真摯に向き合うことへの勇気を与えてくれると強く感じて、今回ご紹介させていただきました!

ストーリーとか想いとかをメインに今回は語らせていただきましたが、商品としてもめっちゃ魅力的なので、ぜひこの年末年始にご自宅で料理をする際に使ってみてはいかがでしょうか?


ちなみにうちのダクタイルパンは使いまくってるのでいい感じに味がでてます笑

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次回は
The DtoC Brand Explorers:LOGBOOK #005 「 伊良コーラ IYOSHI COLA」
です!お楽しみに!!



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