取材準備で気をつけること
明日は取材のため、あれこれと準備をしている。取材が必要な記事の執筆を依頼されるのには理由がある。なぜ取材を依頼されているのかを明らかにし、準備をした上で臨むことが大事だ。特にインタビュー取材をする場合、相手にも都合があるので時間管理も重要な仕事だ。取材準備で気をつけることを紹介する。
「事前に分かること」は徹底的に調べておく
事前に提供された資料や、ネットで公開されている情報はできるだけ調べておく。そのうえで「資料やネット情報ではわからないこと」を聞くのが取材の意味だ。
それに、限られたインタビュー時間の中で、
1.もっとも聞きたいこと
2.1.を補足する情報
3.できれば聞いておきたいこと
の順に質問を配置するためには、事前の調査が必要になる。
カメラマンの方とともに取材を進めるときは、インタビューイ(=インタビューを受ける人)の緊張をほぐし、よい写真を撮ってもらうこともライターの仕事。何を話せば、イキイキとした表情を見せてくれるかを予測しておくためにも、事前調査は大切だ。
記事が掲載される媒体についても調査を
たとえば大学の教授に取材をする場合、大学案内に掲載される記事なのか、研究者向けの専門誌に掲載される記事なのか、一般人が目にする雑誌などに掲載される記事なのかで、「どんな記事を書かなければいけないのか」が変わる。
記事を読む人がどんな人か? 記事を通して何を伝えたいのか?
媒体についても調査したうえで、質問事項などを構成しよう。
既存の記事と違う何かを引き出すことができるか?
インタビューを繰り返し受けている有名人ならば、事前に既存の記事を閲覧することは容易だ。そして、私たちライターは「既存の記事とは違う何か」をインタビューイから引き出すことが必要になる。
インタビューを成功させるために、既存の記事を読むことも大切なのだ。
準備時間=インタビュー予定時間の約2倍
2時間の取材をするなら、事前の下調べには4時間はかけるつもりでいよう。
もしも、有名人で既存の記事や経歴がものすごく量が多い場合は、事前準備にも時間がかかる。ただ、あまり調査に時間をつかって、インタビュー全体のまとまりがなくなっても意味がない。準備時間がおおむねインタビュー時間の3倍を超えそうになったら、頭を冷やそう。
交通ルートを複数考えておく
この点は受験とかでも言えることなので、詳細は省略する。
1つ言えることは、観光地の場合「周遊きっぷ」「ワンデーパス」などをうまく利用すると、交通費の節約になるとともに、自分自身の乗降が楽になる。
交通費の清算方法、領収書が必要かどうかなど、クライアントに確認しておく。
カメラマンをはじめ他のスタッフと事前の打ち合わせ
カメラマンや他のスタッフと、現地で初めてお会いして、その場でチームを組まなければいけないことが多い。だからこそ、取材の流れを打ち合わせておく必要がある。
取材時はカメラマンの撮影を優先し、カメラの前に出ないようにする。また、インタビューイの緊張をほぐし、自然な表情を見せてもらえるように努力する。
撮影NGの場所については必ず確認し、せっかく撮影した写真が没にならないように気を配る。
当日の持ち物
必ずしも全部揃えられる場合ばかりではないが、できるだけ持参したほうがいいものを紹介する。
メモ用紙やレポート用紙、ペン
人の話を聞きながらメモを取ることは、「あなたの話を真剣に聞いています」というアピールになる。また、ICレコーダだけに頼り切っていると、原稿執筆の段階で記憶を引き出すために、録音内容をすべて聞かなければいけないことになるので、レポート用紙やペンは大切だ。
ICレコーダなどの録音機器
理想を言えば、録音専門のICレコーダのほかに、スマホなどでも録音をすると安心だ。
失礼にならないスーツなど
編集プロダクションからドレスコード指定がある場合もあるが、ない場合でも取材先にふさわしく、失礼にならない服装を心がけよう。
デジカメなど撮影機器
カメラマンが別にいる場合でも、ライター自身のために画像メモを残したい場合もあるので、できれば持参するとよい。
掲載予定の媒体の見本、企画書など
インタビューイに安心してもらうためにも「どのような雑誌やWebサイトに掲載されるのか?」「どのような企画なのか」が分かる資料を用意できるとよい。ただし、編集プロダクションから「そのような書類を見せてはいけない」などの指示があるかもしれないので、事前に確認しよう。
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