見出し画像

人とSNSのつきあい方

リアルでお付き合いがなくても、ネットという世界で友人関係を築くことができる便利なシステム。その一つにSNSはあると思っています。

ただ、SNSでのお付き合いとリアル世界での対人コミュニケーションって、似て非なる世界だよねって前から思ってまして。そこがごっちゃにならないように「人」とお付き合いしないとなあと思う案件がいくつかあったのでございます。

SNSは【感情】が載せにくい

対面で誰かと話す時。人は【言葉】だけじゃなくて「表情」とか「声色」とかという感情を読むことで対話を行います。テキストで書くと全部「ありかとう」になったとしても、感謝の意なのか、形だけなのか、かったるそうなのか、しぶしぶなのかってのは、表情や声色で判断できます。

これが「電話」になると、「表情」という情報が抜けます。顔ではものすごく怒っていたとしても、声色でそれを読み解けない場合、受け手は「感謝されてる!」と誤解するかもしれません。が、それはシステムの都合によるもので、受け手が悪いわけではありません。

さらにSNSという「テキストだけでのやり取り」の世界になると、「表情」だけでなく「声色」という情報も抜け、「テキスト(文章)」だけで相手の本心や感情まで判断しないといけません。顔文字・絵文字という文化はそういう「欠けた感情」を補うために作られたものですが、これも完全ではありません。

したがって、相手の感情というものが正確かどうかは、SNS上で対話を続けない限りわかりません。テキストの解釈次第でどうとでも取れる文章を書いていたら誤解された、ってのは、SNSの【感情を載せにくい】仕組み上、仕方のないことでもあります。

SNSは【情報の切り貼り】ができる

最近は写真や動画などといった「テキスト以外の感情表現ができるSNS」が増えています。ネットワークの発達と高速化、それに付随して安くなったことがこうした要因ですが、ではこれで対話に必要な条件がそろったかというと、もう一つ問題があります。

それは、「非リアルタイムなコミュニケーションゆえに、情報を切り貼りしたうえで対話できてしまう」ということ。

「情報の切り貼り」そのものは、全面的に悪いとは思いません。むしろ、情報を整理し、わかりやすくかつ簡潔に対話をするうえで、情報の切り貼りは不可欠です。対話不全や話が明後日の方向に行って戻ってこない事故を防ぐためには、不必要な情報をある程度遮断しておかないと疲れてしまいます。

しかし、この【情報の切り貼り】が結構難しい。まず、何が必要な情報で何が必要でない情報か考えないといけない。誰が見ても誤解を招かない文章かどうか推敲する必要がある。そこまで考えてSNSしないといけないのか。普段の対話だって情報コントロールしていないわけで、SNSだってしなくていいじゃん!

……まあ、その通りなんですが、一つは情報コントロールしないことで起こる問題と、コントロールした結果「他人を間違った方向に誘導できてしまう問題」がありまして、「情報の切り貼り」によって起こる問題は後者なのよね。もっとも対面対話においても情報の切り貼りはできるわけで、正直コントロールされたものをどう見抜くかは人次第という、身もふたもないことも言えちゃうわけですが。

あと、無意識に「情報の切り貼り」をしちゃってる人も散見します。こういう人は日常生活、対面会話においても情報の切り貼りを行った言語化をしていることが多く、それでコミュニケーションが成立する理由は「表情や声色といった別の情報で欠けた部分を補ってる」か「相手が察してくれている(補完している)」かのどちらかです。どちらもSNS上においては察しようがないですし、補完範囲が広いケースにおいては全く違った意味で流布される原因にもつながります。

本当は「対話」って難しいんだよ

対面コミュニケーションとSNSコミュニケーション、どっちが楽かというのは、人によって異なるでしょう。ただ、万人が「対面が楽」「SNSが楽」にはならないうえ、そもそも「相手と話をする」ことで得られるコミュニケーションそのものが、実は高度テクニックが必要という話もあります。

距離という壁を突破して対話が可能になるSNSのメリットは、重要ですし十分に活用していく必要があります。しかし、対話ではうまく行く友人との会話がSNSを通すとうまく行かないケースにおいては、SNSのデメリット・欠落している情報個所で対話するのが得意であると自覚する必要があります。

また、【情報の切り貼り】は意図的に行うこともできますが、厄介なのは無自覚に切り貼りしちゃっているケースです。意図的なのは「一次ソースチェック」で割と何とかなったりするのですが、普段から無自覚に情報が足りない人の場合、何が足りないかわからず誤解を招くケースが多数あり、結果「コミュ障」の烙印を押されたりします。

さらに、対話の問題は自分だけでなく、相手自身の問題もあります。文字通り受け取らない相手、勝手に補完するが補完内容が発言者の意図するものではないことに気づかない相手というのは多数います。こういう時にいきなりけんか腰になっては「対話」のしようもないのですが、下手に出ても会話にならない、意味不明な返答しか返ってこないケースは多々あるわけです。

対話ですから、上記の例は「お互いさま」で起こりえます。

お互いさま」であると「互いに」理解していないと、対話ってできないんですよね、本当は。そんな関係をSNS上で構築できるかどうか。

SNSでの対人コミュニケーション

お互い様であると互いに理解しあえる関係をSNS上で築けるか。

これは不可能ではありません。

ただし、対話って「相手がいて成り立つもの=対人」なので、だれか一人ができると断言できたとしても、相手になる人ができない・する気がない場合はコミュニケーション不全に陥る可能性も十分に考えられます。

となると。

「コミュニケーションをとるために必要な情報は、いつでも欠けていて、加工されている」前提でSNSを活用しないと難しいのではないかと思います。

この辺、実は日常の対面対話において苦戦している人は、ぼんやり理解しやすいのではないかと思います。また、対面対話における情報量の多さで苦戦している人は、SNSの(システム上)削られている情報でのコミュニケーションは楽で居心地がいいのではないでしょうか。

逆に、日常生活においてのコミュニケーションは問題ないのに、SNSに来ると変な人が寄ってくるパターンは、自分の普段発している言葉「以外の情報」が欠けていることに気づきにくいのではないかと考えられます。その状態でクソリプ飛ばされてムキー!ってなっても、仕方ないんだよね。だって、SNS上には言語化されない情報を可視化することができないし、代わりに保管して説明してくれる人が現れるかどうかもわからないですし。

コミュニケーション不可で相手を拒絶するのは…?

会話がかみ合わないし不愉快だから相手をブロックする。

これ自体は一理あります。実際、時間の無駄になるケースが多いんですよね。あと、罵倒とか、精神的に病むケースも多いですし。実際の状況においては、頭がカーッとなっちゃって判断力が低下どころでなくなってしまうことが多いので、一旦保留の意味もかねてブロックすることは悪くないですし、ブロックする相手をひどい!と言ってる人はたいてい人の話を聞こうとはしていないので正解だと思います。

ただし、SNSのブロックって、異なった考え方・モノの見方まで遮断する危険性があることは覚えておいていいと思います。

もっとも、いくら斬新なものの見方をしている人であったとしても、やたらめったに罵倒が多いとか、トラウマ引き出すような発言が多いとかでしたら、それは素直にブロックでOKだと思います。世の中広いですから、同じような斬新なものの見方をしていて、なおかつ罵倒せず、異なる相手の意見もちゃんと聞いたうえで落としどころを見つけてくださる人もいますので。

ところで濱澤さんのSNSのお付き合いは?

私自身は、基本的にはブロックしない方針ではおりました。フォローは外したとしても誰かから流れてくるものに関してはスルーでいることが多く、話しかけられたらフォローの有無に関係なく会話というパターンをとっていました。

いました。はい、過去形です。

最近は、ちょっとあまりにも目に余る方で、なおかつ自分にとってメリットにならない方は割とブロックしております。noteにはブロック機能…なかった記憶があるのですが、主にTwitter。あと以前使っていたFacebook。(Facebookについては仕事依頼を無償で行う「お友達でしょ?」な人が増えすぎて対人恐怖が悪化したので今は休止中です。ちょっと距離感おかしい人がずっと張り付くケース、多いんだよね、Facebookのほうが)

ちなみに、ブロックされるケースもあります。まあこれはお互い様でしょう。仕方ないね。

個人的には自分の平穏を保つためにブロックすることはいいことだと思うんです。嫌いな相手をSNSから追放するために他人にブロック推奨を訴えるとか、通報を呼びかけるとか、そういうことをやるための捨てアカウントを作りまくるとかでなければ。ああ、いるんですよ、そういう方々。

喧嘩を売りつけてくる相手と、正常なコミュニケーションなどとれるわけがない。

逆に、SNSどっぷりなのもどうかとは思っていまして、最近はSNSにいる時間を意図的に減らしています。そのうえで、リアルタイムでない会話については、コメントや返信が時差で届いた場合を除きなるべく返さないようにはしています。……リアルタイムと思っていたら実はだいぶ前のつぶやきだったってことはまれによくある……。注意はしてるんですけど、見落とすことはある……。

SNSをやめないのは、仕事も含めた情報源がそこに転がってるから。ただし、ノイズが多いのも事実なので、情報のキーワードチェック的な使い方を心がけてはおります。

という、長い長いつぶやき。

みなさんはSNSとその中にいる人との付き合い方、どうされてますか?

最後までお読みいただきありがとうございます。いいね!と思われましたら投げ銭などしていただけますと、幸せになれます。