次年度の塾教材見本を見て

先日、塾教材会社の新教材の閲覧をさせていただきました。全てが揃っていたわけではなかったこと、そこまで時間がなかったことなどから前教材の比較はできなかったものの、僕の中で気になったこと、注目する箇所などはある程度確認できましたので、今日はその話をさせていただきます。ただ、この内容は他の教材が揃った場合、大きく変わることがありますので、その点はご了承ください
無料公開です。よろしくお願いいたします。

■閲覧した教材の所感

まずはこの話からいきます。今回閲覧をした塾教材は、ウイニング、新ワーク、必修テキスト、WinPassです。では、確認していきましょう。見た科目は変更の大きかった英語と社会を見させていただきました(ウイニングと新ワークの改訂ポイントについては、公式サイトにも掲載があります)。

➀ウイニング
ウイニングは理科・社会についてはフルカラーになり、見やすくなりました。今回は公民のみを確認しましたが、従来のウイニングの良さを踏襲していた感じでした。教科書対応の教材ではないのですが、実戦問題集としては十分な内容だと思います。あとは好学のテストサポートなどもある関係で、小テストなどの作成も苦労しないと思います。
英語については中3しかなかったが、新単元の内容もきちんと入っていました。演習量についても十分な量はあると思います(こちらはそこまで詳しくみていないため、後日改めて閲覧することになります)。ただ、新単元については、入試過去問などにはないので、今後どのように出されるかは注目しないといけません(長文も同様)。

②新ワーク
新ワークはかなり力を入れていると思います。英語(東書)はレッスンごと、パートごとに分かれていますが、レッスンごとに重要文法を学習できるような配慮されていました。定期テスト予想問題も分量を増やしていた感じでした。
社会については、一番ポピュラーな東書版を閲覧しましたが、こちらもフルカラーになっていました。付属しているチェックテストですが、一問一答と資料まとめ問題が入っていました。テキストでやった問題を再度チェックできるようにしていました。また、単元も少し細かく分けていた関係で、テキストは少し厚くなっていました。
定期テスト予想問題は1ページから2ページに変わっていました。加えて、完成編は数単元に及んで出されるようになったため、大きな変更となりました。
それ以上に大きな変更点は解答・解説です。ウイニングスプラウトと同じような構成(学図のような作り方)になりました。そのため、個別の指導の際にも解答が見やすくなったと思います。

③必修テキスト
こちらも改訂は力を入れていたと思います。必修テキストを使うか新ワークを使うか、で分かれる塾も出てくると思います。
単元の区分は大きく変わっていなかった気がします。
内容については必修テキストの良さを踏襲しつつ、単元の演習の充実がされていた気がします。こちらも閲覧の時間が足りかなった感じだったので、次回のときに改めて見に行かせていただきたいと思います。

④WinPass
最後はWinPassです。これも前単元の比較は十分ではないものの、大きく内容が一新されました。特に歴史は世界史の内容を充実させていました。その関係で、歴史の学習量が多少増えていることで負担も大きくなる可能性はあります。しかし、今回の新改訂は世界の歴史にも着目している関係でその分の学習量が増えるのは仕方ないと思います。
注目したのは、モンゴル帝国の話を少し詳細にしていた感じです。あとは近代世界史の話も昔習っていた内容を充実させていました。
といっても、旧課程の教科書でも説明はされていたはずなんですが、ほとんどの方はスルーされていた可能性はあると思います(実際、公立入試での出題はそこまで多くなかった)。
英語は閲覧できていないので、わかりませんが、内容充実の反面、ここで不定詞(名詞的用法)、未来形などを入れてくる可能性もあると思います。

■塾教材の何を使うといいのか?

塾経営者はこれから、様々なテキストを閲覧して、どのテキストを次年度の教材として使うか、を考える時期になります。基本は、生徒の習熟度や理解度に応じて使い分けるといいのですが、責任者や指導者の裁量によるところが大きいと思います。
僕の立場(ここでは家庭教師や経営者視点)でいうなら、教科書準拠のテキストは必修テキストか新ワークが鉄板だと思います(ただし、他のワーク類はまだ閲覧できていないので、現状の判断となります)。ですが、場合によっては、教科書トレーニングなどの市販を使う可能性もあります。
通年学習はWinPassかウイニング、受験対策用のテキストはウイニングフィニッシュかステップアップセミナーを使うと思います。こちらは市販よりも塾教材の方が使いやすいことと演習量が充実しているなどの理由で塾教材を勧めます。

僕が教材として求める条件の一つに、演習量の充実は挙げています。数学に関しては、計算スペースの確保ができているか、というのも判断材料にします。
塾経営者はよく考えているのが、どの教材「で」生徒の成績を上げるのか、を意識しています。どの教材「を」使って成績を上げるのか、という観点ではありません
ただ、授業の均質化を図る塾では指定教材が地域ごとに決まっています。だから、同じ塾で別の教室に行ってもテキストが変わらないので、安心感はあります(個別指導は持参テキストに対応してくれるので問題はない)。

■中3の予習はかなり大変

今までの指導を行ってきた方にとっては、来年度の指導の予習は大変になると思います。特に英語の予習は高校単元から降りてくる原形不定詞・仮定法・現在完了進行形については今までの単元になかったため、新たに文法の理解をしなければなりません。そこで参考になるのはZ会のFine英文法、パーフェクトコース(新刊)などは使えると思います。ニューコースなどは新改訂が出てからでも遅くはないと思います。高校内容の知識も活用する必要が出ると思います
社会も歴史の記述は大きく変わります。教科書によっては、聖徳太子が推古天皇の摂政になった、という記述がなくなっています。実際、塾テキストも記載がされているもの、消えているものと分かれています。WinPassは摂政を太字にしていました。ちなみに、CAMELで使うテキストや一問一答問題集も、2020年までは摂政を記載していましたが、2021年からは記載を消します(但し、半分の教科書では記載が残っているので説明はしますが、解答にすることはせず、色付けはスルーします)。

というふうに、僕も社会ではデータの入れ直しを行います。特に歴史は世界史の内容のアップデートをしなければなりません。その上、英語も文保知識のアップデートを行う予定です。そのため、近々新課程向けの知識の定着を図ろうと思います。
社会については、今後の新傾向の問題も含め、共通テストとの関連性も意識しつつ、指導に生かそうと思います。

皆様のサポート、よろしくお願いいたします。サポートいただいたものは一般社団法人CAMELの活動費として活用させていただきます。