合格体験記を額面通りに捉えない② 高校受験編

前回、合格体験記を額面通りに捉えない、と題して大学受験を中心に話しました。今回は、高校受験編としてお話したいと思います。
なお、前回の記事の前半部分はほぼ同じなので、その部分は省略します(前回の記事はこちら)。
無料公開です。よろしくお願いいたします。

高校受験で大事な時期とは?

高校受験が早いところでは年明けからすぐに私立入試が、2月からは公立入試がそれぞれ始まります。よく、秋過ぎになってから本格的に頑張る人がいると思います。高校受験においてはそれでも間に合いますが、人によっては間に合いません。
このようなことができる人は、普段からの定期テスト・実力テストなどで8割以上を安定して取れる人です。その上でもう一つ条件を言うと、テスト対策などを作業で済ませていない、ということも挙げておきます。

なぜ、このようなことを言うのか?定期テスト2週間前から勉強を始めている、というが、ほとんどの人がやっているのは、定期テスト対策のフリをしているのです。つまり、ワークや課題などの提出物の解答を書き写してそれでおしまい、としているのです。間違えないでください。それをやっても点数が取れる人は正しい暗記のしかたや情報整理の仕方ができている人です。できていないのであれば、情報整理の仕方を今からでも身に付けてください。
理科や社会は暗記科目といわれてますが、「理解する科目」ともいわれています。となると、膨大な情報量を的確に処理していく情報整理学でもあります。定期テストで出題される内容・入試で問われる内容などを効率よく覚えて理解するのが近道だと思います。

では、高校入試で重要な時期はいつか?となると、どの時期も大事ですが、一番成績が上がる実感がある9月は特に大事だと思います。
なぜ、9月なのか?実は、この時期は中3生は受験に向けてクラブの引退を行う人が多いです(陸上部は冬の駅伝があるため続ける人もいます)。そのため、普段学習時間の確保できなかった時間を学習時間に充てることができるのです
僕も、9月からの中3の学習時間について、「学年+2時間」の確保を1日で行うように、と言ってます。そのため、5時間は確保しなければなりません。しかし、勘違いしないでください。徹夜をしてまででも学習時間を確保する必要はありません。そして、土・日では最低でも5時間、8時間くらいは確保しておく必要があります

従って、この時期から学習時間の確保ができた人とできなかった人の学習の差は9月で起こる、と思います。もちろん、夏休み期間でも差がつくと思いますが、この時期はまだやっている人も多いので、そこまで差がつかないですが、内容によってはかなり差がつきます。

合格体験記で9月から学習時間を…と言っているものは

そこで、合格体験記で9月からの苦労話をしている人は、おそらく上記のことで悩まれたか、スランプになったかのいずれかであることが読み取ることができます(他の要因もあるかもしれないが)。そのため、この手の合格体験記については信憑性があると僕は思います。しかし、11月以降になってから間に合う、と言っているものはそのまま読み取ると大変危険です。その間もコツコツとやってきて、11月から本気を出した、と言っているにすぎません。
しかし、合格体験記を書いている方は、後輩のために書いていることを忘れてはいけません。一つのメッセージとして受け止めてください。

中3の2学期はテスト月間

中3の2学期は高校入試において非常に重要な時期です。そのため、合格体験記で9月以降で苦労した、という話をよく聞きます。その理由は以下の2点です。

➀定期テストの成績で内申点の大半が決まること
②定期テストがない月でも実力テストや模試があること

ということがスランプに陥りやすい、苦労した理由と言えます。
特に2学期の結果次第でほぼ入試に持っていく内申点が決まります。公立入試では3学期最初の学年末テストで多少上下しますが、ほぼ決まると思ってもいいです。それと同時に入試に向けた学習も同時進行で行わないといけないため、一番苦心する時期でもあるのです。
そのため、9月で学習時間を確保できなければ、2学期の学習で苦労することになります。ここ近年では9月での頑張りが……ということを言われている先生方もいますが、こういう理由なんだと思います。
僕も夏を征するものが受験を征する、と言っていますが、実はその継続が9月でできなかったら意味がありません。この時期の頑張りが最後の成績アップにつながることもあります。

地域によっては、今後内申点よりも当日点を重視するところも出てきます。そのため、最後まで諦めなかったら逆転もあるということは知っておいてください。その逆転を信じるために、自分に負けないようにしましょう。

「諦めたら、そこで試合終了ですよ……」(「スラムダンクより」)

まさにこういう気持ちです。だからこそ諦めずに最後まで頑張ってほしいのです。そうしたら奇跡は訪れると思います。でも、奇跡ばかり追い求めても意味はありません。自らの手で掴んでください。
残り半年です。一緒に頑張っていきましょう

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