プリキュアになるとき

あけましておめでとうございます。
2023年もよろしくお願い致します。

年明け早々にクソデカニュースが解禁されまして、2月5日より放送開始の「ひろがるスカイ!プリキュア」ED主題歌「ヒロガリズム」の作曲・編曲を担当させて頂くことになりました。

オープニング主題歌【ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~】はツインギターでアツさ・力強さのある楽曲で、プリキュア歌手デビューの石井あみの芯のある透き通った歌声が新シリーズのオープニングを彩ります。
エンディング主題歌【ヒロガリズム】は広がりのある豊かなサウンド感のある楽曲で、OP主題歌歌手・石井あみと前作「デリシャスパーティ♡プリキュア」前期ED主題歌・歌手の吉武千颯が歌い、2人の歌声の融合がより一層賑やかなダンスナンバーに。2023年シリーズ音楽のマストアイテムです。

オープニング主題歌
【ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~】
歌:石井あみ 作詞:青木久美子 作曲・編曲:森いづみ

エンディング主題歌
【ヒロガリズム】
歌:石井あみ・吉武千颯 作詞:六ツ見純代 作曲・編曲:ハマダコウキ

『ひろがるスカイ!プリキュア』主題歌シングル情報解禁! 

やべ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!

まず、本作に携わることができて本当に本当に嬉しいです。自分が子供の頃から続くシリーズの20周年となる作品で、自分の曲がED主題歌として流れるなんて……夢か……?
我々20代後半の世代は全員が「おジャ魔女カーニバル!」を歌える訳ですが、幼少期に受ける楽曲のインパクトって計り知れないですよね。
そうやってずっと誰かの人生の中で大事な曲として残っていくかもしれないポジション曲を作らせて頂けたことが本当に幸せだなと感じてます。
以降はもう余生かもしれません。

しかもラッキーなことに、めちゃくちゃ自分の好きな曲を作らせてもらいました。徹頭徹尾、自分の音楽的な性癖をギュッと詰め込んでいます。あー良いよね!これ良いよね!の連続です。全パート良いメロがあり、全楽器最高のフレーズを鳴らしています。まじで引き算を知らない、バカみたいに足して足して足して足してって作った曲です。ハッピーで踊れて、でもちょっと泣けるという一番作りたかったものが出来ましたので、ぜひお楽しみに。

書きたいことがたくさんあるのでつらつらと書いていきます。まずは作成に至った経緯から……


事務所に所属しました

以前のnoteでも書いたのですが、2021年秋頃からバンドのフロントマンではなく作家に努力値ガン振りすることにしました。
バンドや自分で歌うことは辞めるつもり無いですが、長く音楽人生を続けるために優先度を変えたって感じですね。

友人の紹介で、2022年からファイブアイスという事務所に所属させて頂くことになりました。
所属する際に社長から「作家として提供したい声優とかアーティストとかいる?」と聞かれて、「特定のアーティストとかはないんですけど、プリキュアとかアイマスとか、そういうコンテンツに関われたら嬉しいですね〜」というような会話をしたのを覚えてます。アーティスト活動の期間が長かったので、作家として特定のコンテンツに携わる方が新鮮で興味があったのです。あと単純にそういう作品群の音楽が大好きなので。お題に応える大喜利の要素と、お題にさえ応えていれば何やってもいい自由さが好きなんだと思います。
「じゃあそういうの目指して頑張ろうか〜」と言って所属した矢先、プリキュア主題歌コンペの案内が届いたのでした。

デモ音源の制作

初めてのコンペだったというのが良い方向に働いたのかもしれません。
僕は曲作る時に結構リファレンス探しやリサーチに時間かけて、楽器を握る前に方向性をある程度固めたいタイプなので、そこにかなり余裕持って取り組めたのは大きかったです。
女児向けテレビ番組のEDダンスミュージック史なる記事を見つけ、めちゃくちゃインターネットに感謝しました(こちらの記事です)。

僕は所謂キャッチーなメロディ、起伏のある動きが大きいメロディを作るのがめちゃくちゃ好きだし、作るのが得意な自負があります。
その反面、動きのあるメロばかりになるとくどいなりがちなため、偏りすぎないようなバランスを意識することが最近になって少しずつ出来るようになってきました。
サビでバーンと良いメロが来るのが嬉しいので、その魅力を最大限に引き出す構成が作れたら良いなといつも考えてます。

「ヒロガリズム」もそれを意識した構成で、特にBメロがフックになっています。
ちょっとだけ専門的な話ですが、サブドミナントセブンスから始まるちょっとブルージーなパートになっていて、これがキラキラしたサウンドの中で非常にアクセントとして効いているんじゃないかなと。
おかげでAメロやサビのキャッチーさが更に際立つGood構成になったと思います。

そんで一番悩んだのがイントロでした。
最近よく聞く論調で「最近の曲はすぐ聞き流されちゃうからイントロがどんどん短くなっている」というのがありますが、僕はこれを全然信用してません。
なぜなら、初見の曲を聴いて興味を持ってもらえるかと、イントロの長さって全然関係ないから。
重要なのは「長さ」ではなくはイントロの「強さ」でだと思います。
リスナーの心を1秒で掴む強い導入が大事で(強いから良いという話でもないですが)、一般的にサビはキャッチーで強いフレーズから始まることが多いから上記のようなこと言われることが多いんだとは思います。
コンペという仕組み上、これはある程度意識せざるを得ず、どうすればグッと惹きつけられるのか試行錯誤しました。
結果、ブレイクとブラスを組み合わせたイントロに落ち着きました。これはOfficial髭男dismの「I LOVE…」から着想を得てます。
この曲のイントロ、プラスの煌びやかなフレーズが印象的なんですが、このフレーズ実はイントロにしかないんですよね。潔すぎる。


採用ですって。採用!?

ということでデモが完成し、無事提出。良い曲出来て嬉し〜と思いつつあまり期待せず過ごしていたところに、採用の連絡をいただきました。
そこからは全てが初めてで新鮮で、めっっっっっちゃくちゃ楽しかったです。

実はテレビでだけ流れるプリイントロというものが存在するのですが、作りながらとあるアイデアを思いつきました。
おかげでフルサイズも非常に良い構成で組み立てることが出来ましたので、これは是非フルサイズを聴いて確認して頂ければと思います。
あと、テレビでは全く流れないけどめっちゃくちゃ良い間奏・アウトロも存在します。すごいわよこの曲。

ブラス以外の演奏陣は、「センチメンタルだね」という楽曲で一緒に制作を行なったメンバーでやらせて頂きました。
これまで一緒にやってきた信頼できる方々と仕事ができたことがとても嬉しかったです。俺は好きな友達と一生楽しく音楽やってたいんだよな〜
ブラスアレンジでは事務所の先輩である三好さんにお手伝いいただきました。美味しいフレーズは活かしつつ、管楽器的にもっとこういうフレーズの方がいいよ、というアプローチをしてもらいクソ勉強になりました。ブラスのアレンジってマジで訳わかんないんですよね。破綻してた部分をきちんと音楽的に整理してもらいました。そしてブラスは生収録…やっぱ生楽器っていいな〜

ボーカルのディレクションも初めてやらせていただきました。と言いつつ大半は音楽プロデューサーの井上さんがビシバシやってくださったので、僕はといえば横で「アッ…イイッスネ…!」と言うだけだったのですが。
都合があり吉武さんしか立ち会えなかったのですが、上手いしすごく練習されてきたのが分かってちょっと感動しました。仕事とは準備だ…
石井さんもマジで良い声。OPの試聴動画みなさん見ましたか?こんなにカッコいいヒーローガール声なのに、EDではめっちゃかわいいんです。すごい。
ツインボーカルならではの表現もあり、とてもいい刺激になりました。2Aとか超良いから。

ミックスはSign Soundの近藤さんに担当していただきました。楽器多いしフレーズぶつかってるしでデモ段階ではごちゃごちゃした音だったんですが、棲み分けスッキリしててマジでいい音になってます。ギターとピアノがちゃんと分かれて聴こえんのが特にびっくりした(僕がミックス下手なのもありますが…)


とにかくいい曲が出来ました

ということで!全部新鮮で嬉しい出来事だらけだったので、残しときたいなと思い書きました。めっちゃいい曲ができて嬉しかったな〜〜

OPめちゃくちゃカッコいいしジャケット良すぎるな。
50枚くらい買っちゃうかも。

こんな贅沢な初めてがあっていいのかよ、という気持ちです。いよいよ来週から放送なので、いっぱい楽しみたいと思います。よろしくお願いします。
そしてデパプリは明日最終回…

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