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10月31日放送 NHKスペシャル「“時代の色”を感じたい 作曲家・筒美京平」の簡単な感想

まず感想を一言で言えば、「1時間程度では物足りない!」60年代から2010年代まで活動した作曲家のキャリアや人生を1時間で総括するのはやはり難しく、もう数時間・あるいは何回かに分けて放送してくれれば、というのが一応の理想でした。

出演こそしたものの、筒美さん長年の友人で「ブルーライトヨコハマ」「真夏の出来事」等松本隆さん以上に一緒に仕事をしている橋本淳さんのインタビューがもう少し長ければとか、それらの曲を歌ったいしだあゆみさんとか平山三紀さん、特に多くの曲を提供してもらった太田裕美さん・岩崎宏美さん・野口五郎さん・郷ひろみさん、そして近藤真彦さんが出るなら田原俊彦さん、ついでに少年隊も出演してほしかった~という風に要望は尽きません(笑)。

しかし、「木綿のハンカチーフ」にまつわる筒美さんと松本さんのエピソードは何度か読んだり聴いたりしていたので正直そこまで新鮮味は感じなかったのですが、いきものがかりのプロデューサーで知られる本間昭光さんによる曲の解析は参考になりましたし、CCBが思った以上に取り上げられてたのはかなりの驚きでした。

そのCCBに関しては、元々イギリスで80年代当時隆盛していたニューロマンティック系統のグループに影響を受けているのは何となくそのビジュアル等から伺えましたが、具体例としてデュランデュランやカジャグーグーといったグループがまさかこの番組で登場するとは思いませんでしたし、筒美さんが彼らCCBにそれらのグループに近いイメージを抱いていた(持ち込んだ)という事、「Romanticが止まらない」のレコーディングにおいて笠浩二さんが歌メロを微妙に変えたのにもかかわらず「それでいいんだよ」と言った事、当時筒美さんから貰ったネクタイ等、個人的に初耳のエピソードが盛り沢山でした(笠さんが余り体調が良くない風に見えたのが少し気になった所)。

そして、最晩年に作曲したとされる未発表曲「Pale Moon」は贔屓抜きで素直に良いメロディーで、あの曲に歌詞を付けて歌ってみようかなと考えた位でした。番組で松本さんは「心残りはないけど、もう一度会いたかった」と言ってましたが、ずっと色々な曲を聴いてきて、そしてこういった番組で筒美さんの魅力・才能・感受性を知ると、もう実現不可能なものの、自分自身も改めて筒美さんに一度で良いから会ってみたかったという気持ちになりました。

冒頭にも書きましたが、これだけ長いキャリアの人を1時間でまとめるのは凄く難しい事。この番組をきっかけとして、筒美京平という作曲家を振り返る番組・特集が多く作られる事を願っています。

※追記 松本さんから「車買えば?」と言われてトシちゃんの記事にも書かれていた黄色いポルシェを買った筒美さん、凄いなあ(笑)

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