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安全な旅をするための10ヶ条

バックパッカー論争が少し落ち着いた。
前にnoteに投稿した時点で僕の意見は終えたのだけれど、
今度旅に出る人に向けて、新しい記事を残しておきたい。

というのも、ブログを5年近くやっていて、現地の情報は沢山記事にしたけど、旅のノウハウ(準備とか)は全然書いていないなと思った。

僕が海外一人旅に出たのが2010年の夏。当時は高校3年生だった。そろそろ9年近くになる。
今までに100ヶ国訪れた。
あまり国数でマウントは取りたくはないが、分かりやすい指標として記載する。
また大学を休学し、1年間海外を回っていたこともあった。

ただ、トラブルは殆どなかった。
唯一例外として、別々の旅ではあるが、スマホを2回失くしたことがある。
これは自分の非が分かっているし、少し旅に慣れてきた頃に起こった事。僕はこれを恥だと思い、あまり声を大きく言いたくないことでもあった。
しかしそれ以外は何事もなく旅が続けられた、
それは運が良かったこともあるし、とにかく危険なことは避けていたからだと思う。

そこで僕が実践している危機管理や旅に向けた準備を紹介していきたい。
大事なポイントだと感じる10コのことをまとめた。参考になれば幸いだ。

▼出発前

① 下調べを徹底的に行う

だいたい僕が旅に行くのに決めるのは早くて半年前、遅くて2週間前とかだ。
だいたい平均は3ヶ月前とかだろう。だいたい行きたい場所は、軽めに調べて少し知った状態なのだが、とにかく目的地が決まったら下調べを徹底的に行う。

・空港からのアクセス
・現地の治安
・現地の地理
・どういう犯罪が多いか
・トイレやWi-Fiスポット
・日本大使館(領事館)の位置
など。

これらを僕はグーグルマップに落とし込んで、後々maps.meに共有をする。
「現地の地理を把握することでその街を制す」というのは少し大げさだが、知っておいて損は全くない。

僕が地図にプロットするのも、俯瞰として街の概要を把握していたいからだ。
それはどういうエリアに何があって、特定のジャンルはどこに集まっているかなど。
そこらから、宿の場所や散策エリアも絞り込んで行けるというわけだ。

例えば、ジャカルタ。

googleに落とし込んだ内容。ジャカルタ都市圏はとても広い。
「どこに何があるんだろう」と思うけど、こうやってプロットすることで、都市の性質というものが分かってくる。

まずジャカルタは主に南北に街が広がっていることが分かる。
また南部にカフェ(コーヒーマーク)が多い。ということは、オシャレスポットや所得が高い人が多い場所ではないかと考えられると思う。
これらを知ることで街歩きの参考になるし、下手なエリアに入らないということも。
路線バスやタクシーに乗っていても自分がどの位置に居るかが直ぐに分かる。それが違和感にも繋がることもあるからだ。

また宿を選ぶ時にも大きな参考になる。値段だけで判断はしてほしくなく、宿の場所を含めて総合的に判断してほしい。

では、地図に落とし込むまでの手段を記載していきたい。

先ず、地球の歩き方などのガイドブックで大まかに把握、ポイントはブログなどを参考にさせてもらう。
ただ日本語だと限りがあるので、次に英語で検索する。
次にその国の公用語だ。今はグーグルの翻訳である程度理解できるので、分からなくても何となく読むことはできる。
ただアラビア語などのアルファベット以外を使っているところは検索に至るまでが面倒だったりする。

結構便利なのが、ジェトロの記事。
主要都市ごとにまとめられていたりして、かなり参考になった。無料で読めるのが素敵なぐらい。
URL: https://www.jetro.go.jp/industry/service/style.html

外枠を囲んだら、次は内枠だ。
だいたい図書館に行き、論文や参考書などを漁る。気になる範囲だけど理解がかなり深まる。
国会図書館に行けば何でもあるし、日曜なら広尾の東京都立図書館でも良い。国会図書館は入館登録(初回)や出てくるまで時間がかかったりするから手軽さはない。だから都立図書館でなかった文献を読みに行くのが良いと思う。

ちなみに書籍だと「●●を知るための〇章」という本。多くの国・地域バージョンがあるので参考にできる。
僕が通っていた大学にも置いてあったので、勉強がてら読むことも多かった。

論文は都度検索が必要だけど、各図書館のOPACで検索ができるので、それらを参考に見ていくといい。
日本人が多いエリアは情報が多いけど、アフリカはかなり少ない。なので英語や仏語などが情報として優位になってくる。

ここまでするのは極論かもしれない。しかし、知っておいて損なことはない。
また現地に到着した時も、宿の人に治安の悪い場所などを聞いてアップデートしよう。
現地の空気を感じないと分からないことがある。なので下調べだけで満足しないようにしてほしい。

例えば中東を旅するとき。イスラム教の国だ。時期によってはラマダンと重なるかもしれない。またイスラム教の国は金曜がお休みとなる。店も午前は閉まっている場合が多い。なら、金曜は移動日にする、その国の滞在を避けるなど考えられるだろう。

たまに「下調べしていくと面白さが半減する。何も知らないので行くのが旅だ」と言う旅行者がいる。
こちらからすると「テメェの旅の価値観押し付けんなよ」と思うのだが、下調べしていくことで色々と結び付くこともあるのだ。

人それぞれスタイルがある。好きにすれば良いだろう。僕は小心者なので下調べを徹底的に行う。
「こうなった時・・・」を踏まえて、色々な角度から調べる。ある程度慣れてくると「こうだよな」と感覚が身についてくる時がやってくるはずだ。
自分の身は自分で守る。最後に信じられるのは己の信念だ。

② 情報を共有する

僕は旅中はTwitterやインスタのストーリーをアップする。
良い情報を共有したいというのもあるが、生存確認の一つでもある。とりあえず心配をかけたくないので、元気に居ることを報告しておきたい。ただリアルタイムではなく、少し間を置いたタイミングだけど。

また何があってもいいように、家族や会社にも僕は旅のことを伝えている。
家族と会社にはスケジュールを用意し、自分の行動をアピールする。危機管理の一環にもなるし、ニュースでその国の事件が起きても、その場に居ないと分かれば安心させることができる。

とりあえず自分の旅を知る人が2,3人居ると何かあっても安心じゃないかな。
SNSに挙げることで、有意義な情報を貰えることもあるし。

③ 貴重品管理

貴重品管理は徹底的に行おう。

先ずスーツケースでもバックパックでも貴重品は自分の目が届く範囲に。
飛行機に預ける荷物の中には入れないようにして。空港によっては盗む人、ロストバゲージすることもあるからだ。
それらが嫌だから僕は基本的に預けないけど、貴重品は自分と肌が付くような形で管理をする。

街歩きの際、小さなショルダーバッグを持ち歩く。バッグは必ず前。鍵はつけない。
ショルダーバッグにしている理由は自分とバッグが密着し合うからだ。なのでひったくりにはまだ遭いづらい。
反対にハンドバッグやクラッチバッグはやめたほうがいい。「盗ってもいいよー」とアピールしているもんである。

貴重品は肌身離さず。街歩きの際、パスポートは宿のロッカーや金庫に入れておく。
ただこれも場所によるもので、欧州や東南アジアならいいけど、中央アジアやアフリカなど少し面倒なところは原本を持ち歩くこともある。基本的にはパスポートコピーで問題なし。

ただ万が一パスポートを失くしたことを想定して、パスポートサイズの写真(縦4.5×横3.5cm)や戸籍謄本があると直ぐに対応してもらえる。
写真は証明写真で撮れるし、戸籍謄本も今はコンビニでも発行ができるので便利だ。
写真で注意したいところは背景は「白」で極力撮ろう。写真があるとビザ申請にも使える。
なんだけど、パスポートは青でもOKだけれど、国によってはビザ申請時に背景が青だとNGということもあるからだ。
白の写真を予備で5枚ぐらいあると安心。長期の人は10枚とか。無くなったらその土地の写真屋さんとかで撮ればいい。

ポケットには何も入れない。財布もカバンの中。僕は小銭や少しのお札は出しやすいようにポケットに入れるけど、大量の現金は持ち歩いたりはしない。首から掛けるのでもいいけど、僕は蒸れるからやらない。
ただ現地のおばちゃんとかはブラジャーに財布を入れていたりして「こりゃいい」と思ったこともある。

勿論スマホを置いて席取り。荷物から目を離す、離れるはもっての外。

ここまで貴重品は徹底的と言ったけど、海外を旅した・生活した人は分かるかもしれない。
意外と現地人はスマホをいじったり、歩きスマホしたり、音楽を聴く人が多いことがわかる。場所によっては日本以上かも。

中国は国民総スマホかよというぐらいなレベルだし、バンコクの路線バスでも赤バスでもスマホを見る人が多い。バルセロナの地下鉄でも、ボゴタのトランスミレニオでも。スマホは世界共通のアイテムとなっている。
だから「皆スマホをいじっている。なら大丈夫だ」と思っているとやられる。
それは地元民でもスリにあってるからだ。特にiPhoneは高値で売れるので、狙われやすい。
じゃあ中国製の安いスマホをいじってれば良いと言うわけではない。

場所によってスタイルが違うので、都度都度合わせていくのがいい。
最初はスマホは触らないで、周りの様子を観察していくのがいいかもしれない。
そこで「あ、ここだといじっても問題ないな」と分かる時がくる。その感覚が付くまでは静かにしていよう。

④ 服装

結構僕は服装がかなり大事じゃないかなと思っている。
どんなに貴重品管理をしても、下準備をしても襲われる時は襲われる。
それは服装が主なポイントではないかと感じるからだ。

僕が旅に出る服装はパターン化している。

春 シャツとジーンズ
夏 ポロシャツとジーンズ(たまにシャツ)
秋 シャツとジーンズ
冬 マウンテンパーカーとジーンズ
靴は全てスニーカー

日本でも同じような格好をしているんだけど、見た目は清潔に。けど目立たないようにしている。全身ユニクロでOK。色は暗め。
というのも、どの国でも地元民の大抵はシャツ(又はポロやT)とジーンズていうスタイルが多い。だから違和感を覚えられないのだ(肌の色は違うけど)。とにかく現地民のファッションに寄せると目立ちにくい。カメレオンになりきる。中国系の移民の格好に似せるというのも一つの手。

たまに奇抜な格好で旅をする人もいる。
観光地とかではいいかもしれないけど、観光客が少ない場所やローカルな所だと目立つ。良いこともあると思うけど、反対にやられる可能性もあるわけだから気をつけないといけない。

昔「世界一シュウ活」という名で現地に滞在する日本人にインタビューをしようと、スーツで旅をしようかなと思ったことがあった。黒歴史だし、バカ学生の考えだ。クソである。今思うと恥ずかしくてしょうがない。ただ止めて本当に良かった。我に返って良かった。スーツで旅していたら、僕は今こうやって文章を書けていないかもしれない。
どんな旅人も1度は、何か奇抜なアイディアを浮かぶことがあるだろう。けど大抵は行わないはずだ。そこには理性があるから。

「なら汚い格好していればいいんじゃないの?」と思うだろう。
けどプロは「あ、旅行者じゃん」と見分けられる。そんな汚い格好をしたアジア系がいたら違和感を覚えるし、貧富の差が激しい海外では誰も貧困層に思われたくない。だから逆に目立つ。

あと、汚い格好だと良いサービスを受けられないこともある。
多くの国では、結構見た目で判断される。気にしない人ならいいけど、僕は気持ち良くご飯を食べたいし、良いサーブを受けたいから、普通の格好(少し小ぎれいなぐらい)をする。

なのでタンクトップとタイパンツなんて以ての外。
東南アジアでもバックパッカーエンクレーブが形成されている、シェムリアップやバンビエン以外では避けた方がいい。バンコクでそんな格好してたら目立つし、そもそもローカルの人はそんな格好しない。
まだ東南アジアや南アジアは100歩譲ったとして、他のエリアでは止めた方がいい。
日本でそんな人居たら目立つでしょ?

それに加えると極端に肌を露出するのも良くない。イスラム圏では特に。
女性は極力肌が見えない恰好で。男性も半そではいいけど、ハーフパンツは外に出る時は避けたほうがいい。夏場は暑いしジーンズだと苦しいかもしれない。そういう時はスークなどで売られている綿パンツなどが涼しい。

見た目の話になると、いつも中南米のことを思い出す。
中南米に訪れて、そして現地在住の方から話を聞いて知ったが、とにかく「髪」と「靴」が大事なのだ。

メキシコではポマードで髪を固め、短く清潔に。若い人でも行っている。
靴もおじさんは革靴を履き、若い人は綺麗なスニーカーが。そう思うと靴磨きスタンドが多かったし、散髪屋も多いな。これは中南米のスペイン語圏では共通なポイントだと思う。

個人的に驚いたのは、夏のアルゼンチン・ブエノスアイレス。
少しダンディなおっちゃんが上半身は肌、下半身はハーフパンツの姿だったのだが、頭は整髪料で固めており、靴は革靴(しかもピカピカ)だったのだ。

ここまで命をかけるのか、というぐらい。でも貧富の差が激しいけどそこらは自分で何とかできるポイントだと思うと納得。まさに「足元を見られる」んだなと。

だからロン毛のアジア系がいたら奇妙に思われる。
NYとかの多様性社会ならいいけど、中南米はまだドメスティックな部分がある。これは大都市でも共通な部分だ。だから旅行者が直ぐに分かってしまうのだろう。

「中南米」と一括りにしても勿論違う場所もある。ブラジルやコロンビアの沿岸部、カリブ海の島など。
暑い気候というのもあるけど、個人的に思うのはアフリカ系が多い場所はこれには該当しないなと。どちらかと言うとサンダルでも全然OKな世界だと思う。
例えばコロンビアだとカルタヘナとボゴタでは少し違うということだ。

人種によるファッションの違いは気になるけど、とりあえず綺麗な格好をしよう。
そして現地の人の服装(カジュアル)を真似しよう。とにかく溶け込むこと。これがトラブル回避の1歩となる。
お陰で変な人から話しかけることもないし、悪いサービスを受けなかった。
声をかけられるケースとしては「このバスは〇〇へ行く?」「この地下鉄は〇〇方面?」というもの。しかも現地民から。その質問をされる時点で僕の現地化は成功しているのではないかと思う。

▼現地到着後

⑤ 早朝や夜は下手に動かない

基本的に人の往来が少ない時間帯は避けるべき(特に大都市)。
田舎だと朝早くから動き出すこともあるし、中南米や中国も朝が早いこともある。
なので現地の生活サイクルに合わせるのがベスト。どの時間で動いているのかは理解しておきたい。

一番注意したいのが夜。
東京のように夜でも賑やかで人が多ければ、人通りが多い道を歩けばまだ大丈夫。
けどそれでも裏道や人通りが少ない場所は避けるべきだし、夜に極端に人が減ったなら避けるべき。

指標としては子どもが出歩いていたり、女性一人で歩いていればまだ安全かなと思ってOK。
ただ最初は慎重に。僕は知っている街以外では夜は出ないで、宿で寝てしまう。
日の出と共に動き出し、太陽が沈む頃には落ち着くようにしている。

それでも夜に現地に到着したり、朝方バスが着くということもあるはずだ。
そういう時は宿の送迎でもいいし、Uberなどの配車アプリでもいい、空港タクシー(管理されている)を使うのでもいい。
あんまりオススメはできないけど、朝まで空港泊をするのも手だろう。これも場所によるけど。

白昼堂々と強盗もあるけど、多くは顔を見られたくない、人が少ない時間帯を狙う。
この暗い時間は歩かないことを守るだけで、下手なトラブルは回避できるんじゃないかな。

⑥ 安全にはお金をかける(ケチらない)

旅はお金がかかる。安全に動くとなると尚更だ。
学生の時は少しでも安く、安く動こうとしていた。それは今でも根は変わらないんだけど。
でも僕は安全にはお金は使った。使いどころを臨機応変にしていたのだ。安全はケチらず出す。これが一番の正攻法。

夜ならタクシーを使うし、多少高くても空港タクシーにはお金を払った。
ホンジュラス・テグシガルパの街に夜着いて、バスターミナルが郊外だったことがあった。その時はUSD20を支払い宿まで向かった。相場はUSD5-10ぐらいだろうけど、そこは仕方ない出費。

僕の考えとしては、1,000円ケチってiphoneなど盗まれたら意味がないと思っている。
ケチったことで反対に大きな出費となる。「安物買いの銭失い」だ。お金を出すことは保険に繋がる。

というか、たいていお金を出せば安全は買うことができる。
特にアフリカや中南米はそうだ。流しのタクシーは極力避けて、ホテルやレストランに呼んでもらおう。配車料など取られるかもしれないけど、高くても500円程度の世界。

ロンドンやバルセロナ、シンガポールとかは流しのタクシーは全然OKだけどね。これも場所による。
ちなみに途上国のタクシーで極端にボロい車は注意して。

▼現地にて

⑦ 現地の言葉を使う(挨拶は徹底)

最低も挨拶は覚えていってほしい。勿論他の言葉も喋れるに越したことはないし、準備はしてほしい。
でも挨拶だけは絶対。海外では挨拶がかなり重要視されている。「こんにちは」と「ありがとう」は必要。

大学1年の頃、フランス・パリでの経験が大きい。
パリメトロで駅のスタッフに話しかけようとしたとき、前に日本人の人が質問しようとしていた。
彼はいきなり英語でおばちゃんスタッフに話しかけていたんだけど、おばちゃんスタッフは「ボンジュール?」と手を振りながら彼に言っていたのだ。一応質問には英語で回答していたけど、終始真顔で冷たくあしらうような状態だった。

僕は「ボンジュール」と入り「英語大丈夫ですか?」と前置きをしたところ、笑顔で快く流ちょうな英語で回答してくれた。ここまで入りが違うだけで、受けられるサービスの質が違うのかと感じたことがある。特にフランスは顕著だ。

国によっては挨拶がなく無言で終わることも多い。
それは東アジアや東南アジアが該当してくるのだが、やはり欧州やアフリカ、中東、中南米は挨拶の下りが必須。
お店に入ったら「こんにちは」、お会計の後・出る時は「ありがとう」。これを行うだけでだいぶ違う。

「郷に入っては郷に従え」だ。
あくまでも僕らはビジターである。現地にお邪魔している、日本代表の意識を持ってほしい。
極端だけど勝手に人の家に上がり込んで好き勝手されたら嫌っしょ。

じゃあいきなり挨拶が出来るかと言うと、多分できないと思う。
だから日本に居る時も挨拶をしましょう。コンビニで無言で出ていませんか。
そこを「こんにちは」でもいいし「お願いします」でも良い。お会計を終えたら「ありがとうございます」という。ご飯屋さんでは「ご馳走様です」と言う。余裕があれば笑顔で。これだけで随分と違うよ。

挨拶を言うだけでこちらも気持ちが良い。
個人的にはフランス語の「ボンジュール」やスペイン語の「オラ」、アラビア語の「サラームアレイコム」の発音が好きなので、積極的に使っていた。

なのでお店で無言の日本人を見ると「てめぇ何様だ」と感じてしまう。下手したら何もサービスしてくれないぞ。
印象を悪くしていることに気付いてほしい。被害を被るのは後々訪れる人たちだ。

挨拶は必ず。今はgoogle翻訳もオフラインで使える。
地球の歩き方などにも言語記載があるから印刷して持っていくのでもよい。何かトラブルがあった時でも対応ができる。
それが出来ないなら海外旅行をしない方がいい。アルファベットの世界なら読めるけど、アラビア語やタイ語などは初見だと辛いものがある。だからこそ、準備が必要なのだ。

⑧ 無理をしない

だんだん旅と歳を重ねていくと、無理をしない大切さを学んでいった。
最初は「あれもこれもしないと」と予定をかなり詰め込んでいたのだけれど、結構疲れた。
ただでさえ海外では気を使うことが多いのに、動き回るとかなり身体に来る。

なので予定は詰め込まず、ある程度余裕を持つようになると、身体の負担が減ったように覚える。
僕は「どうしても行きたい場所」と「時間があれば行きたい場所」に分けてプランを考える。
天候や行事などでプランを変えないといけない場合があるので、そこも臨機応変に。そこで下調べを徹底的に行っておくことで、「ここをこうすれば回れる」や「こう動けるじゃん」など見つけられるのだ。

あと、ご飯は必ず食べよう。節約すると疎かになるけど、栄養はちゃんと。そして寝よう。
とりあえず人間の3大欲求のうち、食欲と睡眠欲はしっかりと。過度な接種は良くないけど、減らすことも悪い。ほどほどに。

僕は時差ボケをしない人間なので、日本の生活スタイルと同じように動いている。
朝は6時/7時に起床。朝はシャワーが空いていたり、WIFI速度が速い(人が少ないから)のでゆっくり動ける。夜は遅くても23時までには就寝。ドミトリーでは確実に合わない生活サイクルだ。
だから体調も崩すことがなかったし、元気で居られたと思う。勿論例外はあるけど。

折角の旅行だから、あれもこれもと思う。気持ちは分かる。
だけど優先度を付けよう。高いものに行ければ後悔はしない。日本に帰れば大半の事は忘れる。
それでも忘れなければ、また行こう。

⑨ 写真撮影には気をつける

僕は写真が好きだし、思い出として残したいので、かなり写真を撮る。
なんだけどそれが落とし穴になることもあるので、注意してほしい。

またこれも国や場所によって変わるんだけど、極力人が入る写真は避けた方がいい。
特に中米やアフリカは気にするのがいいかも。トラブルの元になったりする。
中東や南アジアだと「写真撮ってや」と声をかけてくるケースがあるけど。

中米だとメキシコのケース。
結構昔の話だけど、二人の観光客が教会で写真撮影したことで殺害されることがあった。
インディオは古くからの慣習を守ることが多く、中には写真撮影を極端に嫌うことが多い。一例だと魂が吸い取られるから、とも言われている。
殺されたのも、撮影禁止の教会で写真を撮ったことで彼らの生活を侵したものだからなのだけれど、まだまだこういう人たちも世界にはいる。
なので宗教施設の写真も極力控えておくことが望まれる(OKと書いていない限り)。

アフリカの市場でも「写真撮らないで!」と言われることも多い。
また軍事国家や軍が強い場所だと、駅や空港などもNG。旧ソ連だと地下鉄がNGということもある。
そういうのはガイドブックや先人たちのブログに書いてあることが多いけど、基本は撮らない方が身のため。

撮りたいなら許可を得る。地元の人にも「いいですか?」と聞こう。
OKが貰えればコソコソしないで、堂々と撮れる。ダメなら諦めよう。自分の目に焼き付けておきたい。

⑩ 近づく人には気をつける

とりあえず現地で近付いてくるような人は気をつけよう。
僕は悲しいことに全然人が寄ってこないのだが、とにかく声をかけてくる人は理由がある。
中には純粋な親切心を持って話しかけてくる、心配してくる人もいるんだけど、今も見抜けない。
結果的に「ただの親切な人じゃないか」と疑った自分を恥ずかしいと思うことはあるんだけど、それぐらいでいいと思う。

「この国はこんなに優しい!もう感動して泣きそう!」みたいな脳内お花畑な発想はやめよう。
最悪な結果になることも想定したほうがいい。特に女性は下心ありきで近寄る男が多いから。そうのが目的なら好きにしてほしいが、多くの方は避けたい事態。顔がニヤついていたらアウト。理由を付けて離れよう。
それでも後をついてくる、強引な人がいる。その時は日本語でもいいから怒鳴ると離れる。そういう奴らに真摯な対応は必要はない。クソにはクソな対応を。大抵が南アジアや中東の話だと思うけど。

現地人が何を考えているか分からない。信じるのは自分の心のみ。
人との交流も程々に。貰ったものは食べたりしないように。例外はあるけど。

▼安全に旅をするために

結構長く書いたけど、ビビるぐらいがちょうどよい。その方が何も起きない場合が多い。
僕は旅を重ねるごとに行動も狭まり、慎重になっていった。旅で大胆さは裏目にでる。

トラブルによく巻き込まれる人は、そういう星に生まれてきたのだろうけど、原因があるのだ。
お金を分散させようが、何しようが遭う人は遭う。僕は結構見た目で見られていると思うけど。

もし遭遇したら。抵抗しないで渡そう。取り返そうとしない。しょうがない。
だから写真とかは他のデバイスにバックアップしておこう。連絡先も控えておくとか。
モノは買えるけど命は変えられない。

世界を知ろう。アンテナを張ろう。今は世界について簡単に知ることができる。
でも、簡単に知れて情報が溢れているからこそ、何が良いのか判別ができないというのがあるかもしれない。
下調べは勿論だし、世界のニュースを見るのも一つの手だ。世界を俯瞰して見れるし国との相関が分かってくる。点と点で知っていたものが線となる。

一番簡単なのは、NHK BSの「ワールドニュース」。世界の放送局のニュースがそのまま流れる(全部ではなく抜粋された内容)。
同時通訳なので日本語で聞けるし、副音声にすれば現地語で聞ける。
個人的に参考になるのが、英BBC(世界に強い)、スペイン・TVE(中南米系に強い)、カタール・アルジャジーラ(中東強い)、仏F2(仏内や難民、アフリカに強い)、独ZDF(欧州に強い)、シンガ・CNA(アセアン関係)かな。
朝に流すので起きれない人は録画してその日の夜に見てもいいし、言語の勉強にもなる。
日本のニュースだと少ししか流さない事でも、他の世界の放送局だとボリュームたっぷり。
映像だとイメージし易いし、頭の中にも入ってくる。これを見ることで少しだけど、世界の見方が広がった。気になれば検索で掘り下げてもいいし、その放送局のネット配信のニュースを見るのもいい。

海外は近いようでまだまだ遠い世界だ。日本から距離が離れると余計に。
旅は自分のモノ、だけど世界は人と共存し合って成り立つ。独りよがりにはならないでほしい。

やっぱり何度海外に行っても、成田に着いてバスに乗り込んで高速を走る瞬間。羽田に着いて京急に乗って車窓を見る瞬間。安心するんだよね。

とにかく生きて帰りましょう。
あなたの無謀な行いによって、どれだけの人に迷惑がかかるか考えて。世の中は自分だけではないのと。
海外は今は近い存在、だけど日本とは全く性質が違う。だから舐めない方がいい、やられるぞ。ふわふわな感じで行くぐらいなら日本に留まることをオススメしたい。向いていない。

もし海外に出る人がこれを読んだら。素晴らしい旅になるように、準備を怠らないでください。応援しています。

当ブログ/El Mundo: https://kouhei-elmundo.com/

(11109字)

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