☀️ フリーターの今日(3)


職場を出たのは夜の9時で、外はすっかり秋の涼しい空気に、


とはいかず、生温くて、じっとり、まではいかなくともしっとりとした温度に包まれた。


今年の9月は何を考えているのかよくわからない。


寒い日もあれば、夏を取り戻したかのように長袖なんてとても着れないような暑い日もあり、
とにかく生活が難しい。



駅まで歩いて12.3分、乗りたい電車は9分後。


俺あるあるである。


中学のときに陸上部長距離専門であった「過去の栄光」を美化し続けた結果、


移動手段は「歩き」よりも「走り」が多い。
結局間に合ってしまうから。



信号と信号の間、小走りすると間に合うところが2つ。
朝と夜で時間の間隔が少し違う。


何回も歩いてると、何秒だか正確にはわからないけど、その感覚が染み付いてくる。



夜のしっとりした空気を切りながら走るのは、案外気持ちがいい。


走った後はじんわりとしたものが背中を覆うけれど、それもまたいい。


駅の階段が、23歳の体には若干きつくて、ちょうど乳酸が溜まりそうな量で終わるから、てっぺんまで来ると止まってしまいそうになる、


でもそのところをなんとか踏ん張って、改札に入り、ホームに降りる。


今日も間に合った。ちょうど階段を降りたタイミングで電車が到着する。


遅番の日は早番の日の電車よりも人が少なくていい。


家の最寄りまで7.8分だけれど、人は少ないに越したことはない。


いつも読めずにいた雑誌をバッグから取り出して読む。ファッション誌は文字を読んであるようで読んでない人が多いんじゃないかと思い、頑張って読もうとするけど、結局ビジュアルを眺めて終わる。


集中しかけたところで最寄り駅に着く。



続きは家で読もう。


haru

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