「失礼」とは

目的

正しいことでも受け入れられない原因になる「失礼」とは何かを理解する

礼がなければ話を聞いてもらえない

ビジネスでもプライベートでも、どんな勧め方・売り方をしても受け入れてくれる信頼感・ブランドがあるものはほぼありません。

では何が受け入れられやすさを決めているかといえば、プロモーション力(例えば頻繁に見掛けると好印象を持ちやすい心理効果など)が大きいですが、対面では「礼」が最も大きな要因であると思っています。
これは社内外、コミュニティ内外問いません。

礼を欠く=失礼があると、受け入れてもらえない確率が一気に上がります。

ビジネスであれば受注できませんし、社会性動物である人間が他者に受け入れてもらえないのは非常に辛いものがあります。

努力が報われるとは限らないとは言え、テクニックで、報われない確率を下げられるならば下げたいものです。

そんな思いで書き留めたメモのようなものがこの記事になります。

「礼」とは相手と自分を両立するバランス感覚

敬語がどうこうという話ではなく、礼をもって接するとは
・相手を尊重する
・自分を卑下しない
この2つを両立することだと思っています。

相手への尊重は当たり前ですが、自分を卑下することは相手への礼になりません。

経済的に貧しい、選択肢がそもそもない状態の人々が言うのとは違い、豊かな国で、それなりの人生を送ってきた人が
「私はバカです」
「私は貧しいです」
こんなことを言われても、相手は困るだけです。何らかのリターンをしてあげようと思っても、それは慈善であって、真にあなたを認めてくれたわけではありません。

一方で「相手の言うことを全て受け入れること=相手を尊重すること」でもありません。
それは独裁であって、あなたが犠牲になるだけの可能性が高いです。
もし「自分の言うことをなんでも受け入れてもらう」ことを求めている人と対したら、すぐに見切りをつけましょう。

対等な関係においては、相手は何かをやりたいと思い、あなたに何かを求めています。あなたも同様です。

このギブアンドテイクの関係を満足させられたとき、「礼を尽くされた」と感じるのではないでしょうか。
(私はいわゆる接待を受けた際はそれ自体で「礼を尽くしてもらった」とは感じませんでした。)

「礼」とは相手をヨイショするだけの行為ではなく、お互いの個を両立することだと私は思います。

ただし勘違いしてはいけないのは、「失礼でなければ、礼を持っていれば受け入れられる」という話ではありません。

「失礼」は阻害要因・ブレーキであって、促進要因・アクセルは別に必要です。

凡人は理解して訓練し、テクニックを駆使する

上記のようなバランス感覚を持っているとしても、さらにそれが態度、言語で表現できなければいけません。

態度は非言語的なもので、目線、姿勢、あいづち、口調、間の取り方、理解力、思考力などの要素があります。

そしてこれらが自然と、あまり訓練なくできる人もいます。「人柄」と言われることもあります。一種の才能なのですが、凡人はこれらの要素を観察して、理解して、繰り返しやってみて、訓練して身につけるしかありません。

そして相手によってこれらのパターンセットを切り替えられるようにするとなお良いです。人によってどんな態度や言葉を好むかが違うからです。

それなりの年齢の方がこういったことができ、失礼がないのは、経験を積んでいるからなのでしょう。

私が態度の面で気にしているものを例えばあげると以下のものがあります。
・腕や足を組まない方がいい。
・体は正対しつつも、正面から相手の顔を見つめない方がいい。
・相手が話している間は基本的に止めない。息継ぎ時に「うん」「はい」など複数の相槌をうつ。
・相手の話がとんちんかんな場合は一区切りついたタイミングで図表などを使って相手の注意をずらしつつ、論点を整理する。
・相手が力を込めて発言したワードや文を聞き返す(おうむ返しする)。
・相手が身振り手振りを交えている場合はメモを取ることを控える。
・応答はテンポ良く。
・口頭の場合は相手の話すスピード、一文の長さに合わせて話す。
・文章の場合は相手の文章の長さ、文章構成になるべく合わせる。
・声の大きさとトーンは場の雰囲気に合わせる(落ち着いた感じか、活気のある感じか)
・やりとりが加熱した場合は逆のトーンの口調・文章にして鎮静化する。または話題を変えるか、休憩を入れる。

ほかに最低限の敬語が必要ですが、「ですます」ができればとりあえずOKです。無理に難しい敬語を使おうとするとむしろボロがでます。

知識、理解力など地力によるものがあります。知識は勉強すればいいですが、理解力や思考力は簡単には身につかないですし、1冊本にもなるレベルですので今回は控えます。(自分でもどうすれば鍛えられるのかはよくわかっていません。考えがまとまったら書きたいと思います。)

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